異世界転生最強生活

第一章 幼少期

異世界で家族と対面

　その後、空が赤く染まり始めたので、俺は半ば無理矢理約束を交わし、帰路に付いた。家までの道は体が覚えていたので、問題は無かった。

　無駄に大きい家に着くと、執事やメイドが結構居て驚いた。多分俺は貴族か何かなのだろう。取り敢えず、この世界について知るために図書室へ向かった。家に図書室がある時点でかなりのお金持ちだ。俺はありったけの知識を頭に叩き込んだ。




　資料を読んでわかったことは沢山あった。一つは自分のこと。俺の名は、アルフォンス･ジル･グレイリット。貴族グレイリット家の四男らしい。上には三人の兄がいる。

　家族構成は、父、グレリオ･ラージ･グレイリット。本妻、貴族の娘のレシティア･ラージ･グレイリットとその息子、長男のロイフォント･ラージ･グレイリット。一人目の妾、貴族の娘のイリス･ミンク･グレイリットとその双子の息子、ライフォンス･ミンク･グレイリットとレイフォント･ミンク･グレイリット。この世界では、妾の息子は妾の名字のままらしい。何と分りやすい。

　この世界の俺と兄達は歳が離れていて、俺は10歳、レイとライは15歳だ。20歳のロイとは10歳差だが。

　そして、俺の母は、魔導師ルナ･ジル･グレイリット。30歳という若さで亡くなった。

　この世界で魔導師の数はそう多くは無く、珍しい職業らしい。その中でも、俺の母ルナは、強くて美しい魔導師で、世界で３本の指に入る程有名なのだと言う。

　そんな母、ルナ･ジル･グレイリットは、”天神族てんじんぞく”だという。母が天神族という事は、俺も天神族の血を引いているという事だ。てか天神族ってなに。後で調べてみるか。


「……ル？……アル！」

「わ、ロイ兄さん。」


　俺に声を掛けてきたのは、長男のロイフォントだった。くそ、イケメンだな。資料を読むのに夢中になっていて、気が付かなかった。びっくりしたわ。まぁ、この大量の資料を読み耽っていた俺も悪かっただろうが。


「珍しいね、アルが図書室で時間を忘れるなんて。さぁ、夕食の時間だ。皆が待っているよ？片付けは俺も手伝うから。」

「すいません。ありがとうございます。」


　せっせと資料を片付ける。この世界の事は、まだ人摘み程度だ。これから人に聞いたり、学んだりしなければいけないな。取り敢えず、俺から見て、兄達の印象はかなり良い。俺のことをどう思っているのかは知らないが。


「遅れてすいません。」


　俺が食卓につくと、食事をしながら家族の会話が始まった。なんとも賑やかである。いやしかし、うちの家族はやけに美人でかっこよくてイケメン揃いだな。血筋か？


「そうだアル、図書室で何をしていたんだい？」


　ロイの急な問い掛けに、俺は手を前に出して、ストップをかける。まだ口の中に咀嚼したものが残っていたからだ。咀嚼したものを飲み込み、水を一口含んで飲んだ。


「……ん、今日読んだ本が中々面白かったのですが、本の中に疑問を持つものがありまして、調べていたのです。」

「おお、偉いじゃないか。アルが興味を示すとは、珍しい事もある。」

「ちょっと、お父さん。」


　そんなに無関心人間だったのか、俺。まぁ、本なんて建前で、資料を読みたかっただけなのだが。因みに、グレーの髪に白髪ができて、鼻の下に髭を生やした優しい雰囲気の紳士なおじさんが、俺達の父である。中々のイケおじ感。マニアの間では堪らないだろうな。


……俺も歳をとるとこうなんのか……？