クレハンの涙

藤枝ゆみ太

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【クレハンの涙】第二章

111話

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 写真は広場で撮られたもののようで、地面にはどう見ても生きてはいない人々が寝かされ、並べられている。

 驚く程多いその人数にフェグは泣きたくなった。

 体を駆け巡るのは、胸の中がざわめくような、こみ上げる焦燥感のような……そんなものばかり。

「何なのだろうな……この気持ちは……」

 こんな惨い光景など記憶にさえ無いのに、いつかどこかで似たようなものを目にした気がしてならなかった。

 フェグはたまらず顔を背けると、ベッドで寝こけるラビの隣に横になり、その幸せそうな寝顔をずっと見つめ続けた。

 睡魔で意識が遠のくその時まで。




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