戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
163 / 566
レイン捜索作戦

過去の出来事は文字に残そう

しおりを挟む
「まず、前にむすめルーリアのお供としてエルフの館に行った際に気になる場所があったとのことじゃが?」
「あぁ、見るからに怪しかった」

部屋と部屋の間にある不自然な空白部分だな。
無駄に大きかったし、スルー・アイも通らなかった。
魔法的な防御がされていることから考えても十中八九あそこにはなんかあるんだろうな。

「では、まずそこは調べたほうが良いじゃろうな。前にも話した通り、エルフには幻想級ファンタズマルをどうにかできたような過去があるのかもしれん。それを引き継いでいくために口伝で残しているということはなかろう。文献のような形で残っているのではないかの?」
「あぁ、俺もそう思うよ。そんな大事なことを途切れてしまうようなリスクのもとにはおかないだろうからな」

口伝というのは当人が漏らさない限り情報が漏れるということはない。
とはいえ、その伝承を引き継いだ者が次の世代に伝える前に死んだりでもすればそこで途絶えてしまうという結果になってしまう。
そういったリスクを減らすためにも文字におこしておくのはとても有用な手段といえるだろう。
で、そんな文献が存在するとすればあの謎の空間は最も怪しい場所の1つだといえる。
何かを隠してるっていうのがわかりやすすぎて罠の可能性すらあるというのが非常に困りものなのだが。


「じゃあ、そこは問答無用で調べなきゃだな。他に何か心当たりはあるか?」
「……これもお主が言っておったようじゃがなにやら地下に空間があったようじゃな?」
「そうだな。なんのためのものまでかはわからなかったけど」

空間自体があったのは確かだ。

「ふむ。となるとそこも調査対象に加えておく必要があるじゃろう」

地下は調べるにしても全くとっかかりがない。
慎重に行った方がいいだろうな。


「他には?」
「うーむ、わしらとしてもエルフのことは知っておることが少ないからのう……。現に今もお主の持ち帰った情報しか利用できていないしのう。あとは臨機応変に対応してもらうしかないような気がするのじゃが……」

無茶苦茶言ってやがるなこいつ。

「あ、あたしから1ついい?」

沈黙を守っていたハンネが口を開いたので、俺とオーシリアは一瞬で警戒心を最大にする。

「そんな警戒しなくても何もしないって。少なくとも今はね。あ、これなんだけど」

ハンネが懐から取り出したものを円卓の上をすべらせてこちらによこす。
ステッド・ファストにぶつかって止まったそれは小さな箱のようなものだった。

「なんだこれ?」
「それは中に入っているレンズを通して映したものを記録できるものだよ」
「超すげぇ!!」

カメラみたいなもんか! 現代のカメラは大きなやつから改良を重ねてやっとあの大きさになっているというのにハンネは一足飛びにいきなりこれを作ったわけか。
シンプルに天才だな。

「なんかあたしが男湯を覗けるやつ作ろうとしてたら出来ちゃったんだよねー」

ん? 動機がくそすぎないか?
スルー・アイを持ってる俺が言うのもなんだけども。
しかもなんのために覗こうとしてたんだよ……。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...