戦力より戦略。

haruhi8128

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幻想級迎撃

見物もほどほどに

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残り3人。
されど3人。
俺の姑息な手を抜けてきた3人だ。
地力が違う。

どうしよう。

「頑張ってくださーい」

レインの声に顔をあげると、キラ、ケイン、エルメもそれぞれ別の屋根から見物していた。
お前らもか!

「律儀に別々の屋根にいるなよ!」
「そういうルールだから、仕方ないじゃないか」

それはそうなんだけどな!
そうか。
こいつら俺が負けるまで働かなくていいから応援に来てるわけか。

「わはははは! そろそろ負けてくれても構わんぞ! あとは俺がやってやるからな!」

約1名違う奴がいるけど。
こいつだけは戦いたいから俺の負けを願っているっぽい。

こいつらに腹を立ててる場合じゃない。
バインドの効果も長くは続かないから、し直さないと。

「チェーン・バインド」

先ほどかけておいたバインドを強化する。
どんな魔法にも効果時間はあるが、バインドは長い方だ。
ただし、かけられている側の抵抗によってその時間は左右される。
エイグに至ってはもうほとんど解除されている。

だが、今回は8人にかけるのではなく、3人だけでいい。
エイグに重点的に発動し、抑えることに全力を注ぐ。
前回勝っているとはいえ、複数人だときつい。
よって、こいつは最後。
他の奴を迅速に終わらせる。

「ふっ」

突きに必要なのは一瞬の速さ。
極端な話、相手ののどにつくまでカタツムリみたいなスピードでも、最後の一瞬だけ速ければダメージを与えられる。
というか、最初からスピード出してたらコントロールできずに外しちゃうから俺は出来ないだけなのだが。
つまり、俺の攻撃は相手の動きを止めていることが前提になるのだ。

先ほどのおよそ2倍の量のバインドに襲われた虎族のひととらと兵士さんは何も出来ずに捕まり、余裕をもって俺が攻撃できた。

しかし、振り返るとエイグは既に半分ほどのバインドを解いていた。
体に土の層を作っておいて、それを解除すれば抜けられることに気づいたらしい。
自分も動きにくくなるが、俺に動けなくされるよりはましということか。
凄い機転だ。

「たあぁぁーー!」

エイグの方に向かおうとすると、空から声が降ってきた。
いや、いるのはわかってたけど、このタイミングか。
鷹族の2人が空でずっと様子を伺っていたのだ。
そのうちの1人が突っ込んできた。
エイグのために時間を稼ごうということらしいが。

「ほい」

ステッド・ファストで閉じ込める。
1人ずつになってくれるのが1番ありがたい。
突っ込んできた方と上にまだいた方をそれぞれ囲んで、無力化する。

改めてエイグの方を向くと、俺の頭上に大きな土の塊が出来たところだった。

「やべ」
「落ちろ!」

ズズウゥン!

俺を生き埋めにする勢いでかなりの質量が落ちてきた。
俺は退かずに、逆にエイグの方に突っ込む。
俺とエイグの距離はそれなりに近かったから、自分には当たらないようにコントロールしているはずの土はこっちにはない!

「な!」

エイグは慌てて後ろに飛びのくが、空中に斜めの足場を作って俺はそれを追いかけ、エイグの背中に壁を作って止める。


「降参してくれるよな?」
「……はい……」

首筋に刃を当てて、どうにか無力化した。
なぜ、気絶させなかったのか。

「とりあえす、あの土をどけてやってくれ」
「あ!」

助けに来てくれた鷹族の人と、一緒に戦っていた人たちが巻き込まれて生き埋めになっていたからだ。
南無参。
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