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魔界奔走
父親召喚
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この手だけは使いたくなかったんだが……。
「おい、アンリさん。見てるんだろ。あとは任せる」
「何言って……」
リオンが疑問を口にする前に虚空からアンリさんが現れる。
「パパぁ!?」
「いつからだ」
「おかしいと思った時というなら、最初からだ。俺とリオンを家に引き戻したときのタイミングが良すぎただろ。あれが出来るならリオンがいなくなってすぐにでもできたはずだ。それがあのタイミングだったのは俺が現れたからだ。だろ?」
「そうかぁ……。その時点かぁ……」
頭をガリガリとかきながらアンリさんは言う。
「あともう1つ。アンリさんがこっちを覗いてる時は空中に穴をあけて見ているような感覚だろ? こっちからも見えるなら、それは俺にはわかる」
感情からしてアンリさんだというのは予想がついたから放置してたけどな。
「ってか、あれだけ怒っててよく我慢したな」
「まぁな」
アンリさんが手をパッと振ると、血が少しだけ宙に舞う。
どうやら我慢するために手のひらを握りしめすぎて血が出ているようだ。
「そこまで我慢するなら助けてあげれば良かっただろ」
「これはバンフリオンちゃ……」
「パパ?」
「……バンフリオンの旅だ。頼られたならまだしも、俺が手を出すのは間違っている」
一応、親としても思うところはあったということか。
「お前のことの判断材料にもなったしな」
「俺の?」
「今までは『どこのとも知れん馬の骨』だったが、晴れて『ある程度信用できる馬の骨』に昇格だ。良かったな」
馬の骨なのは変わらないんだな。
「で、俺に何を頼みたいんだ?」
「この後の処理だ。俺に領地をどう治めるかなんてわからないからな。リオンもこういうことにはまだ疎いだろう。メイドたちの知識は頼りになるかもしれないが、それでも俺では役不足だ。だからこそ、アンリさんに任せる。新しい人を領主にするもよし、アンリさんの直轄地にするもよしだ。とにかく、俺には無理だ」
「ふん、任されてやろう。確かに、お前にそこまでを求めるのは間違ってるな。むしろ、あいつを始末してくれたことにはお礼を言わんとかもな」
「なら、お礼なんていいからメイドたちをどうにかしてやってくれ。こいつらは、俺のものだ。あいつに毒されたままなんて我慢ならない」
そう言ってゲス男から回収しておいた薬物っぽい小瓶をアンリさんに渡す。
「解析は任せろ。だが、すぐには出来んと思うぞ?」
「それはしょうがないな。まぁ、大丈夫だろ。こいつらもたった今頑張るって言ったばかりだからな」
そこで俺は気付く。
「……なんでリオンには効いてないんだ?」
「んーとね、たぶん、効いてはいるんだよねー」
「にしては普通だな?」
「……そうだねー。なんでだろうー?」
まじまじと見ると、確かに頬はちょっと上気してるし、薬の影響を受けているのかもだ。
だが、それでも普段通りなのはリオンの精神力が優れているからか。
とにかく、良かった。
「おい、アンリさん。見てるんだろ。あとは任せる」
「何言って……」
リオンが疑問を口にする前に虚空からアンリさんが現れる。
「パパぁ!?」
「いつからだ」
「おかしいと思った時というなら、最初からだ。俺とリオンを家に引き戻したときのタイミングが良すぎただろ。あれが出来るならリオンがいなくなってすぐにでもできたはずだ。それがあのタイミングだったのは俺が現れたからだ。だろ?」
「そうかぁ……。その時点かぁ……」
頭をガリガリとかきながらアンリさんは言う。
「あともう1つ。アンリさんがこっちを覗いてる時は空中に穴をあけて見ているような感覚だろ? こっちからも見えるなら、それは俺にはわかる」
感情からしてアンリさんだというのは予想がついたから放置してたけどな。
「ってか、あれだけ怒っててよく我慢したな」
「まぁな」
アンリさんが手をパッと振ると、血が少しだけ宙に舞う。
どうやら我慢するために手のひらを握りしめすぎて血が出ているようだ。
「そこまで我慢するなら助けてあげれば良かっただろ」
「これはバンフリオンちゃ……」
「パパ?」
「……バンフリオンの旅だ。頼られたならまだしも、俺が手を出すのは間違っている」
一応、親としても思うところはあったということか。
「お前のことの判断材料にもなったしな」
「俺の?」
「今までは『どこのとも知れん馬の骨』だったが、晴れて『ある程度信用できる馬の骨』に昇格だ。良かったな」
馬の骨なのは変わらないんだな。
「で、俺に何を頼みたいんだ?」
「この後の処理だ。俺に領地をどう治めるかなんてわからないからな。リオンもこういうことにはまだ疎いだろう。メイドたちの知識は頼りになるかもしれないが、それでも俺では役不足だ。だからこそ、アンリさんに任せる。新しい人を領主にするもよし、アンリさんの直轄地にするもよしだ。とにかく、俺には無理だ」
「ふん、任されてやろう。確かに、お前にそこまでを求めるのは間違ってるな。むしろ、あいつを始末してくれたことにはお礼を言わんとかもな」
「なら、お礼なんていいからメイドたちをどうにかしてやってくれ。こいつらは、俺のものだ。あいつに毒されたままなんて我慢ならない」
そう言ってゲス男から回収しておいた薬物っぽい小瓶をアンリさんに渡す。
「解析は任せろ。だが、すぐには出来んと思うぞ?」
「それはしょうがないな。まぁ、大丈夫だろ。こいつらもたった今頑張るって言ったばかりだからな」
そこで俺は気付く。
「……なんでリオンには効いてないんだ?」
「んーとね、たぶん、効いてはいるんだよねー」
「にしては普通だな?」
「……そうだねー。なんでだろうー?」
まじまじと見ると、確かに頬はちょっと上気してるし、薬の影響を受けているのかもだ。
だが、それでも普段通りなのはリオンの精神力が優れているからか。
とにかく、良かった。
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