戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
507 / 566
お留守番

87日目 黒幕

しおりを挟む
「緊急対策会議を開きます」

私が思い出してすぐ、プリンセちゃんを呼びました。
無論、備えるためです。

「考えすぎかもしれませんが、思い出したことがあるので共有しとこうかなと思います」

プリンセちゃんにリブレさんと会ってからの事のあらましを伝えます。
言っていて思いましたが、よくあの状況で皆さんはリブレさんの眼のことを信じましたね。
いや、信じていない人たちの方が多かったのですが、王様の受け入れ方が中々でした。
しかも、あの時点ではリブレさんは二つ名ダブル持ちではありませんから、二つ名による特殊技能という可能性もないですからね。
よほどご自身の見る目に自信があったのでしょう。

しかし、あの頃の王様は威厳の塊のような感じでしたが、いまやただの知り合いのちょっとえらいおじさんくらいのイメージになってしまっています。
それもこれもリブレさんの王様への対応に引っ張られてしまっているというのはありますが、お后様に威厳がありすぎるのも要因の一つのような気がします。
王様に反論できても、お后様にはできる気がしませんからね。
お后様は生まれながらの王族ではないというのが疑わしい限りの情報です。

とりあえず、プリンセちゃんに事のあらましを伝えましょうか。

「リブレさんと会ってからすぐの話なんですけど」
「……うん」

リブレさんは操られていたどっかの大臣さんを見破っていました。
あれがなければ、ランガルはドルガバとの戦争を待つことなく窮地に追いやられていたでしょう。

今思いましたが、実は私がリブレさんと出会ってからプリンセちゃんと会うまでにはあまり時間は経っていないんですよね。
リブレさんにとってランガルに来てから最初に行動を共にしたのが私だったというだけで。
つまり、油断はならないということです。

「……じゃあ、今はちょっとおかしな長にみんなが嫌々ついていっているってこと?」
「そうなるかもしれません。プリンセちゃんに声をかけてきたっていうエルフも煮え切らない態度だったんですよね?」
「……そうだね」

しかし、おかしいとは思っていても行動できないのがエルフの悪いとこですね。
明らかに私に対する執着の仕方はおかしいですし、私たちを倒す見通しもないでしょうに。
それでも長に従うというのは思考放棄に異なりません。

「ただ、得体の知れない相手だというのは間違いないですから、一応キラさんにも伝えておこうと思うのですが、どうでしょう?」
「……しょうがないよね。……キラさん、強いし……」

大抵のことは自分達で対処するつもりですが、保険としてキラさんに声をかけておくのは間違っていないでしょう。
頼めば助けてくれますしね。
まさか今回も正面から突っ込んでくるとは思えませんから、リブレさんにならって数個罠を用意しておくくらいのことはしてもいいかもですね。
しかし、リブレさんのように相手を貶める術に秀でてないですから、ちょっと難しいですね。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...