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お留守番
104日目 思考停止
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「やぁ、レイン君。我らの下に戻ってくる気はないかね」
「お断りです。今までもそうでしたし、これからも変わりません。お引き取り下さい」
「中々言うじゃないか。以前までの君なら考えられないほどの強気な発言だね」
「余計なお世話です。それで、あなたは誰です?」
「……どうしてそう思ったのかな?」
「あなたが言わせようとしていたから言ってあげただけですよ。敢えて言うなら、それこそ以前と長の話し方が違いますからね」
煽るような話し方してましたし。
もっと理知的な方でしたし。
でも、ここでそれ言っちゃっても良かったんですか?
エルフの皆さんも流石に長だから従ってついてきてるだけでしょうし。
「皆さんはこの会話を聞いてもどうも思わないんですか?」
「「……」」
雁首並べて今まで生かしてもらった恩も忘れてやってきた皆さんは黙りこくってますね。
「え、まさかその人が違う人に操られていても従うつもりですか?」
「……我々には長の言葉に従うしかないのだ」
渋々といった感じで言ってきますけど、何を言っているんですか?
「そういうことを言う人がいると思って私がこうあり続けてるんですけど!?」
どんなことにしろ例外を生むのは難しいことです。
どんな人も例外になりたくはないでしょうし、外れかけたら戻ろうとするでしょう。
しかし、前例があれば割と気は楽になるというものです。
だからエルフの人が、自分も外に出てみようかなとか思った時に私という前例があるようにと細々とせず、堂々としていたつもりです。
まぁ、その意識はリブレさんに言われてから気づきましたけど。
「本当に、それでいいと思ってるんですか!?」
本当に!?
信じられないんですけど。
長が操られているなら、長の洗脳を解こうと頑張るものじゃないんですか?
洗脳されていても長は長だから従おうとか言うのはまじで意味がわからないです。
「はぁ……」
もう、いいです。
「わかりました。相手をしてあげましょう」
「ただ、今回は生きて帰れると思わないでください」
一気に闇魔法を纏います。
「ほう、流石、二つ名を貰うだけはありますね。中々なものです。この体の素養など比べ物になりませんね」
「あなたもどこのだれか知りませんが、覚悟してくださいね」
「いいのですか? エルフの長の体ですよ?」
「知らないですね。今さら自分の体の責任も持てない人なんて長じゃないです」
普通に考えて、種族の長にもなる人が恐らく二つ名の能力なのでしょうが、操られるなんてことはあり得ません。
「どうせ、ある程度隙が無いと操れないんでしょう?」
何の制約もなく操れるとなればそれこそ王様になればいいだけです。
「ま、そりゃそうだわな」
「なら、隙をさらしたのが悪いです」
ちょっと前まで若干操られていたという恨みがありますからね。
それごとぶつけてしまいましょう。
「お断りです。今までもそうでしたし、これからも変わりません。お引き取り下さい」
「中々言うじゃないか。以前までの君なら考えられないほどの強気な発言だね」
「余計なお世話です。それで、あなたは誰です?」
「……どうしてそう思ったのかな?」
「あなたが言わせようとしていたから言ってあげただけですよ。敢えて言うなら、それこそ以前と長の話し方が違いますからね」
煽るような話し方してましたし。
もっと理知的な方でしたし。
でも、ここでそれ言っちゃっても良かったんですか?
エルフの皆さんも流石に長だから従ってついてきてるだけでしょうし。
「皆さんはこの会話を聞いてもどうも思わないんですか?」
「「……」」
雁首並べて今まで生かしてもらった恩も忘れてやってきた皆さんは黙りこくってますね。
「え、まさかその人が違う人に操られていても従うつもりですか?」
「……我々には長の言葉に従うしかないのだ」
渋々といった感じで言ってきますけど、何を言っているんですか?
「そういうことを言う人がいると思って私がこうあり続けてるんですけど!?」
どんなことにしろ例外を生むのは難しいことです。
どんな人も例外になりたくはないでしょうし、外れかけたら戻ろうとするでしょう。
しかし、前例があれば割と気は楽になるというものです。
だからエルフの人が、自分も外に出てみようかなとか思った時に私という前例があるようにと細々とせず、堂々としていたつもりです。
まぁ、その意識はリブレさんに言われてから気づきましたけど。
「本当に、それでいいと思ってるんですか!?」
本当に!?
信じられないんですけど。
長が操られているなら、長の洗脳を解こうと頑張るものじゃないんですか?
洗脳されていても長は長だから従おうとか言うのはまじで意味がわからないです。
「はぁ……」
もう、いいです。
「わかりました。相手をしてあげましょう」
「ただ、今回は生きて帰れると思わないでください」
一気に闇魔法を纏います。
「ほう、流石、二つ名を貰うだけはありますね。中々なものです。この体の素養など比べ物になりませんね」
「あなたもどこのだれか知りませんが、覚悟してくださいね」
「いいのですか? エルフの長の体ですよ?」
「知らないですね。今さら自分の体の責任も持てない人なんて長じゃないです」
普通に考えて、種族の長にもなる人が恐らく二つ名の能力なのでしょうが、操られるなんてことはあり得ません。
「どうせ、ある程度隙が無いと操れないんでしょう?」
何の制約もなく操れるとなればそれこそ王様になればいいだけです。
「ま、そりゃそうだわな」
「なら、隙をさらしたのが悪いです」
ちょっと前まで若干操られていたという恨みがありますからね。
それごとぶつけてしまいましょう。
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