戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
540 / 566
魔界繁栄

某棒の怠慢

しおりを挟む
 今のところうちは俺個人の技量によるところが大きい。
 そもそも、俺しか知らない食べ物を売りにしてやっているのでそれはそうなのだが、恐らく俺がヘスティアさんの世界に戻ってからの方が長いのに、新商品も無しでは俺がまたここに来る際にこの会社が残っているかどうかは怪しいだろう。

 それをどうにか俺がこっちに来ても残っているくらいにはしたい。
 ここまで引き受けてきた孤児たちを放り出すのも無責任だし、アン・ドゥ・トロワ達には家を守ってもらわなきゃならないからな。
 主人に仕えることが喜びのメイドたちこいつらに留守番を任せるんだから、こいつらが多少贅沢をしても余裕で生きられるような収入源は確保しておくべきだろう。

「まずは、宅配サービスを確立させよう」

 思い付きだが、かなり的を射ていると考えている。
 結局、外に出ずにダラダラしていたい日だって誰にでもあるのだ。

「宅配要員の選抜はお前らに一任する」
「「「かしこまりました」」」
「街の治安の方はどうだ?」
「かなり良くなった方だと思うよー。基本的にはルールがないから好き勝手してる人が多いだけだからねー」

 リオンは魔王になる過程として、今はこの街の統治を任されている。
 そんなところまで法が整備されているのかと呆れてしまうほどの日本に比べ、魔界では至極真っ当なことですら法に明記されていなかった。
 孤児院に対する過剰な干渉などもそれにあたる。
 普通に考えて、孤児院の女の子を誘拐して手を出そうとした挙句、その子を人質として土地をせしめようとしたなんて誰がどう考えてもアウトだろう。

「なら、子供たちに頼んでも大丈夫かな。一応、初めの方は見張りをつけてもいいだろうから、頼むぞ」

 宅配サービスは「届ける」という一過程が加わっただけで、人員も余剰人員を用いれば問題はない。
 配送料として多少値段はあげるにしろ、徒歩での配送になるので交通費はかからない。
 競合会社もいないから一定期間は値段を変動させて様子を見れるだろうからな。
 そのあたりも柔軟にいこう。

「で、俺は多少時間かけて色々と思い出そうと思う。ある程度レシピと言えるような形にはするから、試作は頼む」

 無駄に貯めた知識から料理に関する事項を思い出して、新商品になり得るものを作っておこう。
 ただ、出せるレベルになったらすぐに出すのではなく、俺がいなくなった後でも段階的に新商品を展開できるようにしておくという話だ。
 だから、万が一にも外部に漏れるようなことがあってはならない。

「レシピは、お前ら3人にだけ伝える。試作部屋も近々用意するから、そこを利用してやってみてくれ」

 今のところ、考えられるのはこのくらいか?


「で、お前は何をしてる」
「!? 痛い痛いっ! やめるのじゃ! 謝るからやめるのじゃー!」

 ぐうたらしていた某杖オーシリアの頬をつねってストレス発散。
 なんだこいつは所有物の癖にここまで偉そうなのか。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...