66 / 87
第66話 魔女の家2
しおりを挟むくじらに食われた。
そっから先は記憶がない。
俺は、意識を失っていたのか……?
次に目を覚ますと、知らない天井だった。
「知らない天井だ……」
俺はわざわざ声に出していた。
一度は人生で言ってみたいセリフTOP5に入るからな。
ちょうど言えてよかった。
まさかこのセリフを言うことになるなんてな……。
「おや、目が覚めたようだね」
目覚めた俺たちの目の前に現れたのは――魔女だった。
それはもう、魔女と形容する以外のなにものでもない、そう言った格好をしていた。
いかにもな魔女の帽子に、杖、そして後ろの棚にならべられている怪しげな薬の数々。
壁は一面本棚で埋め尽くされ、いかにもな魔女の家といった感じの部屋だった。
「あんたが……魔女……?」
「そうだよ。僕が君たちの探していた魔女で間違いないよ」
そう言った魔女は、なんと僕っ子だった。
ちょっとした萌えポイントだ。
魔女さんは女性らしい美しい肢体に、真っ白な髪を長く伸ばしている美少女だった。
でも、魔女とかいうくらいだからいったいいくつなのか想像もつかない。
見ためはひかるんと同じくらい、17くらいに見えるが、魔女とかいうくらいだしな。
こう見えて、300歳くらいのとんでもないばあさんかもしれない。
「なにか、失礼なことを考えていないかい?」
俺は首を横にぶんぶんと振った。
「ていうかここは、どこなんだ……?」
俺の記憶では、最後にくじらに食われたところまでしか思い出せない。
「ぼくの家だよ。とはいっても、場所はちょっと特殊でね」
「特殊……って、まさか……」
「そう、鯨の腹の中さ」
すると、くじらがぼぉーっと鳴いた。
家の中が揺れ、振動が響いてくる。
たしかに、ここは鯨の体内のようだ。
「なんでまたそんなところに住んでいるんだ……?」
「魔女は秘匿主義でね。なるべく人に探されたくないんだ」
「その割には……情報屋で山の場所知れたけど……」
「ま、あの山を登ってこれる人物になら、会ってもいいとは思ってるからね。それに、もし会いたくない人物だった場合、そのまま鯨に消化してもらえばいいからね」
「うえ……」
涼しい顔して、恐ろしいことを言うな、この人は。
あやうく、俺たちがこの人に気に入られなかったら、そのままお陀仏だったかもしれないわけか。
「……っは! そうだ、よもぎ……! おもちは……!? だいふく、いなり……!」
そういえば、周りにやつらの姿がない。
俺はあわててあたりを見渡す。
ってか、そういえばダンカメも知らないうちにどっかに行ってるな。
「安心して、彼らは別の部屋で遊んでいるよ。帰りにはちゃんと戻してあげるから」
「そうか……よかった……」
ほっと胸を撫でおろす。
「あ、ダンカメは……?」
「ダンカメ? ああ、あれのことだね。あれは便利なものだねぇ。ちょっと借りてるよ。うちのプライベートを映されても困るしね」
魔女のそんないいかたに、俺は疑問を持った。
なんで、ダンカメがなんなのかを魔女が知っているんだ……?
魔女は異世界の人間だ。
だったら、電化製品やカメラなんか知らないはずだろ……?
なのに、なんで映されても困るなんて言葉が出てくるんだ……?
「あんた、まさかこの世界の人間じゃないのか……!?」
考えられる可能性としては、魔女もまた地球人だということ。
俺たちと同じく、地球から、ダンジョンを攻略して異世界にやってきた人物だということ。
可能性としては、ありえる。
俺たちよりも先に、ひそかにダンジョンをクリアし、異世界にわたっていた人物がいても、おかしくはない。
そして、彼女はそのまま魔女とあがめられる存在になったのだとしたら――。
そんなストーリーは、しょうしょうできすぎだろうか。
============
『あとがき』
どうも、最近あまり書けてません
精神的にスランプです
なので毎日更新なるべく頑張るけど、昨日みたいに遅くなったり、止まるかもしれません
それでもゆっくり応援してくれたらうれしいです
みんと
160
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
追放された凡人魔導士ですが、実は世界最強の隠しステ持ちでした〜気づかないうちに英雄扱いされて、美少女たちに囲まれていました〜
にゃ-さん
ファンタジー
「お前は凡人だ。パーティから追放だ」
勇者パーティの役立たずと蔑まれ、辺境へと追放された下級魔導士エイル。
自分でも平凡だと信じて疑わなかった彼は、辺境でのんびり暮らそうと決意する。
だが、偶然鑑定を受けたことで判明する。
「……え?俺のステータス、バグってないか?」
魔力無限、全属性適性、成長率無限大。
常識外れどころか、世界の理そのものを揺るがす「世界最強の隠しステ」を抱えた、規格外のチートだった。
自覚がないまま災厄級の魔物をワンパンし、滅亡寸前の国を片手間で救い、さらには救われた美少女たちから慕われ、いつの間にかハーレム状態に。
一方、エイルを追放した勇者たちは、守ってもらっていた無自覚チートを失い、あっという間に泥沼へと転落していく。
「俺、本当に凡人なんだけどなあ……」
本人だけが自分を凡人だと思い込んでいる、無自覚最強魔導士の、追放から始まる自由気ままな英雄譚。
ざまぁ上等、主人公最強&ハーレム要素たっぷりでお届けします。
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる