始龍の賢者〜生まれた直後に森に捨てられたけど、最強種のドラゴンに拾われ溺愛されて最強になった~

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

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第26話 これで全クラスの女を抱けるな!

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「痛い目をみせてやるってそういうことか……面倒だな……」

 翌日、俺たちが学校へ行くと、そこにはクラス分けが発表されていた。
 クラスはAクラスからFクラスまであって、入試で見せた実力順に並んでいる――はずだった。
 しかし、俺の名前はFクラスにあったのだった。

「ドマスのせいか……」

 俺を目の敵にして難癖つけてきた、あのドマスとかいう王族。
 あいつたしか叔父が教頭だとか言ってたな。
 嫌がらせのつもりか、なにか手回しをして、俺をFクラスに追いやったわけだ。
 俺の成績を考えれば、当然Aクラスにならなければおかしいもんな。
 ちなみに、ライゼ、ティナ、カンナはもちろんAクラス。
 そしてあのドマスとかいう野郎もAクラスだった。

「あいつ本当にAクラスなのか……? それも不正なんじゃないだろうな……?」

 ライゼと同じクラスになるために、あいつならやりかねない。
 俺をライゼから引き離すために、Fクラスに追いやるくらいだ。
 そのくらい、教頭パワーを使えばたやすいことだろう。

「そんな……レルギア様がFクラスだなんて、これはなにかの間違いです。抗議しましょう!」
「いや、いいんだライゼ。どうせ言ったって変わらない。俺は別に、実力でもすぐにAクラスに追いつくさ」
「さすがですレルギア様。男らしくてかっこいいですね……! 惚れ直しました」

 クラスは、一年ごとの変更以外にも、流動的に変化する。
 成績が認められれば学期の途中でも、上のクラスに上がることができる。
 反対に、落第生だと判断されれば、容赦なく下のクラスに転落だ。
 そうやって生徒たちに実力を競わせることで、向上心を煽る作戦だ。

「まあいいや。Fクラスから徐々に上がっていけば、全クラスの女と知り合いになれる! 全クラスの女を抱けるな!」
「結局レルギア殿はそれか……まあ、レルギア殿の魅力ならほんとうにそこまでやってしまいかねないところが恐ろしい……」

 それよりも、俺のことなんかよりライゼたちの卒業のほうが大事だ。
 俺は最悪、途中で学校をやめてもいいわけだしな。
 ライゼたちに魔法を教えたりして、ちょっとでもいい成績をとらせてはやく卒業させたいからな。
 そのためにも、俺はやっぱり同じクラスになりたい。

「ま、任せておけよ。すぐにAクラスに追いついてやるぜ」
「かっこいいです、レルギア様!」



◆◆◆



 俺のクラス、Fクラスの担任はやる気のない教師だった。

「はい、俺は剣術担当のハリヤマ・ハリネズミだ。魔法はぜんぜん教えられないからよろしくな」

 Fクラスには、魔法が苦手な教師がお似合いだとでもいうのか。
 とはいっても彼も貴族学院の教師であることに変わりはない。
 きっと剣の腕のほうは一流なのだろう。
 俺たちは教室を出て、演習ホールにやって来た。

「それじゃあおまえらの実力をみたいから一人づつ前に出てこい。相手してやる」

 担任教師のハリヤマは、Fクラス全員に向けてそう言った。

「ようし、俺がいってやるぜ。俺は魔法はまだ勉強してないが、剣術なら村一番の実力者だったんだ。大人にも負けたことねえぜ」

 太った小汚い生徒が、前に出た。
 いかにもなガキ大将といった手合いの人物で、こういった輩は決まって自分の実力を誇示したがる。
 おそらくコイツは平民だろうな。
 Fクラスはほとんどが平民だった。
 貴族向けの学校とは言っても、腕のたつものや、勉学のできるもの、その他さまざまな事情により、平民の生徒も多数通っていた。

「ほう、イキのいい奴がいるな」
「先生、新入生に負けて恥をかくことになりますよ!」
「それはどうかな……?」

 太った生徒は、訓練用の木刀を構えて一直線に教師めがけて突っ込んだ。
 だがその数秒後には彼は宙を舞っている。

「は?」

 その場にいた誰もが、いや、俺以外の生徒は何が起こったのか全く分からなかった。
 あのハリヤマとかいう教師、なかなかやるな。
 さすがは剣術を専門に教えているだけはあるか。
 まあ、俺にとっては止まっているのも同じくらいの遅さだったが……。
 人間にしてはってところだ。

「ふん、口ほどにもないな……。次、他にはだれかいないのか? 全員でかかってきてもいいぞ?」

 ハリヤマがそう口にしたとたん、俺以外のほとんどの生徒がハリヤマに向かっていった。

「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」

「そりゃっ!」

 だが生徒たちの猛攻もむなしく、みな一様に投げ飛ばされていく。

「おい、あの教師、容赦ねえ……。バケモンだ……」

 みんなリタイアして、床にへたり込んでいる。
 中には意識を失って保健室へ運ばれる生徒もいた。

「おい、お前はかかってこないのか……?」

 唯一まだ攻撃を仕掛けてこない俺を見て、教師は言った。

「いや、俺がやっても結果は見えている・・・・・・・・からな。やめておこう」
「おいおい弱気だな。んなこと言わずにかかってこい!」
「じゃあ、俺が勝ったらこの剣術の授業を免除してくれないか?」
「は……?」

 俺にとってはこんな剣術の授業、意味がないからな。
 こんなのは茶番と一緒だ。
 そもそも剣なんかまったく必要とすらしないのが俺だ。
 それよりも、女を誘ったり、図書館でドラゴンについて調べる時間がほしいしな。
 こいつに勝って授業を免除してもらえれば、Aクラスに行くのにもつながるだろう。

「俺は一刻も早くAクラスに追いつきたいんだ。そのためには退屈な剣術の授業などやっている暇はない。一切な」
「はっ! 言うねぇ……。まあ勝てたらいいだろ。まあもし本当にそんなことになったら、それこそ俺が教えることなんかないわけだしなぁ……。だがな、勝てたらの話だ。そういうからには剣に少しは覚えがあるみたいだが、俺をそこらの伊達の剣士とみくびってもらっちゃあ困るぜ?」

 ハリヤマの目つきがかわる。
 俺の発言に、明らかに怒っているようだ。

「ふん……相対しても俺の実力がわからないのか……。そりゃあ並みの剣士ではないな……。ポンコツ剣士ってとこだ……」
「なんだと……!?」
「じゃあ行くぞ!」
「おう、来い!」

 次の瞬間、ハリヤマは宙に舞っていた。

「は?」

 俺は剣を抜きさえしなかった。
 剣を腰に刺したまま、剣を抜くイメージだけでハリヤマを威圧し、吹き飛ばしたのだ。
 ただ殺意を飛ばすだけで相手を殺すことができる俺にとって、このくらい造作もないことだった。

「どういう……ことだよ……」

 そのまま地面にぶつかりハリヤマは意識を失った。

「あらら……やりすぎちゃったか……。でもあれくらいで気を失われてもなぁ……。手加減したつもりなんだけど……」

 ハリヤマを一蹴した俺を見て、クラスがざわつき始めた。

「おいおいなんだよアイツ。なんであんなやつがFクラスなんだ……?」

 くそ、嫌に目立ってしまったな。
 やれやれ、変に目立つのは面倒だ。
 まあ、女にちやほやされるのはいい気分だがな。
 女生徒たちがよってたかって俺をもみくちゃにする。

「ねぇレルギアくんって、どこで剣を習ったの?」
「うーん? 強いて言うなら独学だな。剣については特に習ってはいない」
「えぇー! すごーい! 私にも剣を教えて!」
「まあ、またこんどね……」

 そして男子生徒たちからの視線が痛い。
 まあ、有象無象の男どもに興味はない。
 手始めに、さっき俺を持ち上げてきた女を後で誘い出し、休み時間に抱いてやった。
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