異世界活動日記

けほけほ

文字の大きさ
2 / 10

2月4日

しおりを挟む
俺の名前は齋藤竜二と申します。
都内で一人暮らしをしている27歳です。

小説紹介と前書きを読んで頂いたとは思いますが、家の外が異世界になってしまったので「俺が生きていた」と言う記録を残すために執筆させてもらう事にしました。

一人称はどうするか迷いましたが、なるべく普段通りの自分を残したかったのでこのようになってます。

ーーーー
2019.2.4(月)  曇り

今朝の出来事です。

転職活動を終え、本日から新しい職場に勤務する事になり意気揚々と出勤しようとした所

玄関から1歩出るとそこには大草原が広がっていました。玄関から見えた風景はいつも通りであったにも関わらずです。
後ろを見ると草原の中にポツンと、まるでどこで○ドアのように自宅の玄関が置いてありました。

寝ぼけてるのかな?
そんな感覚で1度家に入って見ましたが、やはり外に出ると大草原……。

とりあえずTwit○erにでも上げようとした所、どうやら電気製品などは家と異世界の狭間……ここでは境界とでも呼ぶ事にしましょう。

電気製品などは境界に弾かれてしまうようで、自宅の玄関に落ちていました。
どういう物理法則なのか分かりませんがポケットに入れていてもその物だけ置いて行かれるようです。
手に持ったまま手だけを外に出した所、手が境界を超えた時点でスマホだけが地面に落ちてしまいました。

つまり画像を載せる事が出来ないので、このままTwit○erに書いた所で
「嘘松!!」やら「まじ?wwwやべぇじゃんwwwww画像見せてwwwwww」と煽られるだけでしょう。

前述で電気製品「など」と書きましたが、判断基準は不明ですが恐らく便利な物……若しくは必要最低限の物以外が弾かれるのだと思います。

弾かれた物はポケットに入っていた物では、ライター・スマートフォン・ペン・硬貨
硬貨に関しては、どうせなら財布ごと落ちてくれればいいのに中身だけ玄関に散らばっていました

手に持っていた物で、書類やモバイルバッテリーや印鑑などが入ったカバンが中身ごと弾かれました。
他にも少し試して見ましたが、服一式・靴・タバコ位しか持って行けず、逆に異世界からは草1本持って来る事は出来ませんでした。
恐らくですが何も持ってくる事が出来ないのだと思います。
モンスターに襲われた時なんかはダッシュで家に帰れば何とかなりそうなのでその点は少しだけ安心出来ました。

ある程度確かめた所で会社に「家の玄関が異世界に通じてしまって家から出る事が出来ない」と言う旨を伝える為に電話した所
会った事も無い上司から
「何ふざけた事言ってんだ!!お前いい歳して遊びで中途入社したのか!??」
とマジギレされてしまいました。
まぁ俺でも新入社員がいきなりこんな事言ったらマジギレするでしょう。
明日以降どうなるか全く分かりませんし、上手い言い訳も思い付かなったので本当の事を言うしか無かったので仕方ないのかなと思います。

警察にも電話してみました
「こっちは遊びでやってるんじゃ無いんだ!イタズラ電話で逮捕された例もあるんだぞ!!」
との事でした。
親も信じてくれなかったので八方塞がりです。

少し草原を歩いてみました。
オーガとかが出たら詰むので少し作戦を考えたのですが
服を1枚余分に持っていってヤバそうなのが居たら顔にかけてダッシュで逃げる作戦をとる事にしました。

だいぶ歩いた所で、スライムらしき青いジェル状で直径1メートル程の半球体でぶにょぶにょと蠢く物を見付けました。

最近はスライムが強いみたいな小説も多いので無視しようかと思ったのですが……。
やっぱり異世界冒険への憧れは少なからずあり、危険だと言う事は分かっていますが戦って見ることにしました。勿論安全に、ヤバそうなら即逃げで。

少し離れた所から石を投げてみたら、どうやら物理攻撃も効くようでした。
何か反応があった訳では無いのですが、なんと言うか……効いた事が理解出来たんです。不思議な感覚でした。

手当たり次第に石を投げてみましたが、ゆっくりこちらに向かってくるものの
石が吸収されたりする事はありません。
トランポリンにスーパーボールでも投げ込んでいるように跳ねてどこかへ飛んでいってしまうのです。

近くの石も無くなったので次の作戦です。
持って来た服の袖部分を掴んだままスライムにぶつけ、溶けない事を確認。
服だけ溶かすスライムだったら誰が得するんだってシーンが出来上がってしまいますから。

それからその服でスライムを包み込み、ひたすら服の上から殴る事5分程
実際はそんなに経ってないのかもしれませんが、体感時間ではその位ずっと殴ってるような感覚でした。
とうとうスライムが溶け、これも感覚的に「倒した」と言う事が分かりました。
スライムを包んでいた服はネチョネチョになり、てもみ洗いが必要そうです……。

未知の生物に布越しとは言え触れた訳ですが体には影響は無く、むしろ何だか体が少し軽くなった感覚がしました。

体力の衰えを感じていた俺としては不思議なのですが、
初めての戦闘を終えた割に疲れなどは無く、むしろ精神的な疲労感の方が大きいと感じました。
帰りの事や洗い物を考えるとまだ探索するのは厳しそうなので、今日はスライムを倒した所で帰る事にしました。

この日記を書いている事から分かるように、帰りは特に何にも出会わず無事に帰って来れました。

後の事は明日の俺に任せるとして、今日は寝る事にします。
明日の朝、目が覚めたらこの悪夢が終わってますように。



あ、服は境界通ったら着ている物も持って行った物も洗濯後みたいに綺麗になりました。
恐らく異世界での汚れも、異世界の物として扱われるのでしょう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私は逃げ出すことにした

頭フェアリータイプ
ファンタジー
天涯孤独の身の上の少女は嫌いな男から逃げ出した。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と側室母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

処理中です...