冷たい彼と熱い私のルーティーン

希花 紀歩

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変化

季節は進んですっかり暖かくなり、春野さんは私が手を温めなくても静脈認証が出来るようになったようで、私が出勤すると既に席にいた。

そして私の残業も減ってきていた。最初に送ってもらった日、彼に言われたことを自分でもよく考えて、電話は毎回出ないようにしたし、無理な仕事を頼まれた時はもう少し期限が延ばせないかとか、他の仕事を誰かにやってもらえないかと上司に相談するようになったからだ。

そうしたら他の事務員の人も電話に出るようになったし、私一人に仕事が集中することもなくなった。

もう一つ変わったことがある。春野さんの電話応答が優しくなったのだ。専門用語を使わず丁寧に説明してから、『これはよく起こることですから、今説明したことをメモっておいて頂けると助かります。』とつけ加えていた。その効果か電話も減ったように思える。


仕事は楽になったのに、なんだか寂しいというか、満たされない日々が続いていた。
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