日本神話の紹介

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日本神話の紹介その一 国産み

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1.国生み

天地のはじめは混沌としたものでした。高天原(神の住む天界)にはアメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビをはじめとした神達が現れるのですが、全て独神(ひとりがみ)で神は次々と自然発生するかの如く生まれてきます。アメノミナカヌシから数えて5代目までは「別天神」とよばれる特別な神です。

更に何代かを経てイザナギとイザナミという夫婦神がうまれます。この夫婦神はアメノミナカヌシ達に命じられて地の国に降り立ち、「まぐわい」によって国土から五穀までこの世のありとあらゆるもの全てを産み落とします。土地から木からとにかくなんでもです。

そして彼らの生んだものは全てが神なのです。まさに多神教そのものです。イザナミは最後に「火の神」を生み、女陰を焼かれ病を得てやがて死ぬのですが、その間にも更に、神を生み続けるのです。遺体は出雲と比婆山に葬られます。


2.イザナギの黄泉の国からの生還

妻に先立たれたイザナギはイザナミを取り戻そうと黄泉の国に向かいますが、イザナミは既に黄泉の国の食物を食べており帰る事はできないとイザナギに告げます。

彼女が生き返るためには、夫にその姿を見られずに黄泉比良坂を上らねばなりませんが、待ちきれない夫は約束を破り妻の姿を見てしまいます。そこにあったのは、全身崩れ落ち、蛆を纏ってゾンビになった妻の姿でした。夫は驚き逃げ出します。

それに気づいた妻は「みぃたぁなぁ」とばかり、夫に襲い掛かりますが、夫は手にしていた剣で妻に切り返します。なんとかイザナギは逃げ切って坂を上りましたがすぐ後ろからイザナミが追いかけてきます。イザナギは大きな岩でなんとかイザナミの追撃を食い止め、黄泉の国に蓋をします。ここでイザナミは黄泉の国に留まり黄泉の国の大神となります。

3.三貴子の誕生

黄泉の国から生還したイザナギは筑紫の国で身を清めます。ここで左目を洗うと、アマテラスが、右目を洗うとツクヨミが、鼻を洗うとスサノオが生まれます。イザナギはアマテラスに高天原を治めさせ、ツクヨミには夜の国を、スサノオには海原を与えますが、スサノオだけが命をきかず泣き出します。すると海も川も干上がり山の草木が枯れ果て、世の中に悪しき神が広がりました。イザナギが何故泣くのか問いただすと、スサノオは亡き母イザナミのいる黄泉の国に行きたいと答えます。それを聞いたイザナギはスサノオを追放します。

4.アマテラスの岩戸隠れ

追放されたスサノオはアマテラスのいる高天原を訪れますが、ここでもアマテラスに「何をしに来たのか」と追い返されそうになりますが、スサノオは邪な気持ちではないといいはりアマテラスと「うけひ」という賭けをします。この賭けに勝ったスサノオは高天原にいる事をゆるされます。しかし高天原でスサノオは乱暴狼藉を繰り返します。これを恐れたアマテラスは岩戸の中に隠れます。(この顛末については有名な昔話なので省略します。)その後スサノオは捕まり、高天原からも追放されます。

5.スサノオのやまたのおろち退治

高天原を追放されたスサノオは出雲の国に降臨します。ここから彼は今までの悪行とはうってかわり、出雲の祖神として悪の象徴「やまたのおろち」の退治、稲作の伝播の象徴「稲田姫」との結婚など善心をもった神に生まれ変わります。
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