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幼少期編
1話 相棒 <前編>
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これは
世界の片隅にいた、
心の脆い少年と
心優しい少女が
出会い、失う
ありふれた物語
喧騒のなさそうなのどかな道で
騒音撒き散らしている輩がいた。
普段ならどうでもいいしかかわり合いになんかなるつもりもなかった。
そもそも関わったらどうなるかなんて分かりきっているのだ。
「雄士!飯食おうぜ!!」
「…お前もっと静かに喋ることをいい加減覚えろ…」
昼下がり、各々好きなように散らばり持参した弁当箱の中身をつまんだりお店に行ってパン買ってきたりをしている中、クラスの視線を一気に集めながら赤い風呂敷に包んだ弁当箱持って金髪の阿呆が今日もやってきた。
「こまけぇこたぁ気にすんなって!
それよりお前今日飯何持ってきたんだよ?」
細かくねぇわうっさ過ぎて頭痛なるんだわなんなら誰にも注目されずに 過ごすっていう学校生活の目標ぶち壊してんじゃねぇぞおぉ?
「まだ買ってねぇよ」
「なーんだよまた買い弁かぁ?
健康に良くねぇぞ自分で作れよ!」
「召使いに作らせてるてめぇには言われたかねぇよ!!」
「俺は食べる係だからな!」
「どんな係だよっ!!」
この 天野 龍鬼 という阿呆は毎日俺に絡んできて暇なのか?
いや昼飯時だから暇なのは間違いねぇけどさぁ…
「しょおいやぽまえしゃっきのてしゅと寝てたけど点数勝負を諦めたわけじゃねぇよなぁ?」
「もの口に入れながら喋んな半分ぐらい何言ってるかわかんねぇよ。
お前ごときにゃ寝てても勝てるわ。」
「んだとぉ?おめぇこの龍鬼様舐めてんなぁ?」
「舐められたお前が悪い。そもそもお前に負けたこと1度もねぇしな!」
「おっしゃ点数勝負なんてやめて実力で思い知らせてやるぜ!!!
さっさと飯食って運動場でやるぞ!!!」
「はっ!上等だコラ。
お前は俺に実力でも勝てねぇこと思い知らせてやるわっ!!」
今日の飯はコッペパンだな。
本来だったら昼飯食い終わったあと暇な時間遊べる運動上なんだけど悪いな、今日は雄士と決着つけなくちゃいけなくなっちまったからどいてくれな。
「言い残すことはねぇな、雄士?」
「もう勝ったつもりか?俺の力、舐められたもんだな。」
「舐めてないぜ。
その上で俺の方が強い」
「いいや俺のが強い」
「俺はその上をゆく」
「違うな俺のが上だ」
言い争いしてる間に雄士の準備が終わったようだ。
「行っくぜぇ!」
駆け出して、雄士に体制を整えさせる前に畳み掛ける。
あいつの力は厄介だからな。
「体制が整う前に畳み掛けるだァ?
あめーわ!もう準備する前から既に身体能力強化はできてんだよ!」
既に構えたみぞおち狙いの拳は呆気なく左手に防がれた、即座に距離はとったけどどうすっかなぁ…
あいつの持ってる謎の力…対抗手段がないんだよなぁ…身体能力強化とか読心術とか…まぁ白い光が出てた時点で何となく使ってるのは察してたけど…
時間切れ待つしかないかぁ…
「させるわけないだろっ!!」
後に某サイヤ人バリの瞬間移動してきたので間合いとって…顔面狙いの素人パンチ…強化されてるから当たると痛いし速いから当たりそうになるけどギリ見えてるから上体逸らしてよけーの…
さらに間合いとってと
「はん!身体能力強化されても当たんなきゃ意味ねーぜ!」
煽っとこ
「うっせわ。
これでもくらいなっ!!!」
雄士から出た白い光が細長い針みたいな形に変形した。
え?まさかあれ飛ばしてくるの?実体あんの?
うわぁーほんとに飛んできたァ…
「あっひぃそんなのありかよ…っ!!」
何とか軌道は見えてるから避けれるけど運動場に穴空いてんだけど…どうなってんのこれは…
身体能力強化してもあいつに攻撃当たんないし最近できるようになった実体化攻撃も避けられんのか…やっぱバケモンだな。発生させてから着弾まで1秒かかってねぇぞアレ。
「…」
「…」
お互い喋るほどの余裕は無くなってきたな…流石に身体能力強化切れるとあいつの攻撃は避けられないし早めに勝負を決めたいところ。
実体化は能力そのものを飛ばしてるからあんまり乱発はできないしどうしたもんか
しかもいつもながらギャラリーが増えてきてる…これじゃ下手な遠距離攻撃して巻き込む可能性まででてきた…
今この周辺には壊れたものを解除時に解除前まで戻す結界が貼られてるってか貼ったんだけどそれの維持にも能力がさかれてる。
しかも結界とは名ばかりの防御性のないものだから普通に外に攻撃飛んでくからギャラリーは邪魔でしかないんで離れてくれ頼むから。
それも含めてこうなると近接、一撃必殺で決めるしかないか。
「次で決めてやるっ!!!」
「次で決めてやらぁ!!!」
お互い考えることは同じなようだ
能力を集中する…足を強化して一気に近づいて殴るタイミングで足の強化も切る…全ての強化は左拳に…考えられる最高の威力であいつをぶっ飛ばす。…行こう…!!!
「「うぉっりゃァァァァァァァ!!!!!」」
拳が当たる刹那、聞きなれた鐘の音が鳴り響く。
ああ、今日も俺たちは午後の授業は欠席のようだ。
「2人揃って毎日毎日この時間に保健室に来るなんて飽きないねぇ…どうせ今日も決着つかなかったんでしょ?」
「次は勝つ」
「いや俺が勝つぜ」
「ハイハイどっちでもいいからさっさと決着つけてください。先生だって忙しいんだから。毎日来られたらたまったもんじゃないよ。」
「いや先生いつも暇してんじゃん。」
「そうだぜ。
なんかいつもアイドルのポスター見てだらしない笑み浮かべてんじゃん。」
「ちょ、なんでそれ知ってるんですかぁ!?」
いやそいつ適当に言っただけだと思うぞ先生。
「コ、コホン。
とにかくあんまり大事になるようなことはしないでください。
特に天野君は近々祭りの準備があるでしょう?」
「そうだぜ!うちの神社の祭り、
天野熱田神宮にて年に一度の八岐祭りがあるんだぜ!」
なんでこいつがドヤ顔なのかはさておいて今この学校は祭りの話でいっぱいだよなぁ…みんな楽しみにしてるってことだ。
実際のとこ俺も楽しみだしな。
八岐祭り当日
俺は神社の中にある屋台巡りをしていた。
隣にはあの阿呆は居ない。
山車準備でもしてるのだろう。
「あんまり時間もないしもっとちゃっちゃと巡っていかなかんなぁ」
この祭りの日、この神社は何故か午後10時までに人を全員外に追い出してしまうのだ。
それを理由を今年こそ知ってやる。
午後9時半辺りに本殿裏に隠れられそうなとこを見つけてあるからそれまでに屋台巡りをしなきゃならんのです。
「おっあの射的なかなかいい景品置いてんなぁ?(悪い笑顔)」
大概ああいう景品には姑息な手段で取れないようになってるのだ。超強力磁石とかな。
しかもそれを隠すように落とせなかった時点で景品を元の位置に戻してバレないようにしているのだ。
心読めばそんなんすぐわかるんですよええ()
というわけでアレ落としマース。
そっちがその気ならこっちも能力使って…
パァン!!
「…は?」
落ちた、え?落ちましたけどあの景品????
さっきイキって落ちないようになってるっていうたけど前言撤回。
あれちゃんと落ちる屋台もあるんだなぁ…
あの赤い髪の女子が取ったのか。
なおのこと信じられんけどまぁいいやほかの屋台に行こー
「…」
え?いやどういう状況なんこれ?
あの龍鬼が、死ぬ…?
午後10時、無事潜入成功。
「さてさてさぁて、何コソコソやってんのか見学してやるわ」
ちょうど本殿の方で数人の人が慌ただしく道具を運んでいるのがここから良く見える。
「んでもまじで何すんだ?運んでるものの検討がつかねぇわ…」
見たことない道具ばっか運んでて検討がつかん。
しっかし暇だ…いつ始まんだよ
「おーいこっちの灯篭ひとつ足りんぞ!」
「時間ないぞ!さっさと運べぇ」
…まだまだかかりそうだな
午後11時半、さすがに眠いし帰ろうかと思い始めた頃の話。
ようやく進展があった
どうやら準備が整ったようだ
ちなみに家には帰る必要は無い。どうせ親は俺の事なんてどうでもいいだろうし。
小学生が夜中に歩いてようが知ったことないしむしろそのまま消えて欲しいらしいので。
そんなことはさておき、一体何が始まるのかと思ったら本殿に続く屋敷の方からあの阿呆と親父さんの勝利さんがでてきた。
デュ○マの主人公一家みたいな名前してるけどその名を恥じない強さの人だ。阿呆と一緒に戦っても勝ったことないもん。
そんなこんなでなんか本殿で儀式みたいなのが始まった…
伝説継承の儀式。
それは天野家に古くから伝わるこの神社の神を鎮めるために代々受け継いできた必ずしなければならない儀式。
古事記に書かれた伝説の悪神八岐大蛇をこの地で封じるため、10歳の時にこの神社の御神体であり、封印の鍵になる天叢雲剣を先代継承者のオヤジから受け継ぐ、それが今日この日だ。
「龍鬼、これまでの訓練、特訓の成果を引き出すんだ。
そして、勝て。勝って帰ってこい。」
「大袈裟だな、10歳で受け継げるってことは10歳でも勝てるってことだぜオヤジ。らしくないこと言うなよ気持ちわるいぜ!」
「…そうだな、油断だけはするんじゃないぞ。」
「くどいぜ、ぱーと勝って来るから焼肉の準備だけしといてくれりゃいいんだよ。」
「10歳で引き継いでその日のうちに封印するのが史上初ならそれを出来れば俺が歴代最強だぜ?誇ることだろ。」
この刀を握ることが出来るのは天野家と大元の所持者の天皇家のみ。なんでも神の血がどうとかで一般人だと触れようとするだけでどこからともかく発火して死ぬらしい。
その昔ここの雇われが触ろうとして燃え死んだそうな。
それ以外にも色々制限があって封印の役目は天野家の10歳以上になった者しかできない。らしい!
「儀式を始める。龍鬼、注連縄を。」
「わかってるよ。おらよォ!」
ボロボロの注連縄が今、断ち切られた
世界の片隅にいた、
心の脆い少年と
心優しい少女が
出会い、失う
ありふれた物語
喧騒のなさそうなのどかな道で
騒音撒き散らしている輩がいた。
普段ならどうでもいいしかかわり合いになんかなるつもりもなかった。
そもそも関わったらどうなるかなんて分かりきっているのだ。
「雄士!飯食おうぜ!!」
「…お前もっと静かに喋ることをいい加減覚えろ…」
昼下がり、各々好きなように散らばり持参した弁当箱の中身をつまんだりお店に行ってパン買ってきたりをしている中、クラスの視線を一気に集めながら赤い風呂敷に包んだ弁当箱持って金髪の阿呆が今日もやってきた。
「こまけぇこたぁ気にすんなって!
それよりお前今日飯何持ってきたんだよ?」
細かくねぇわうっさ過ぎて頭痛なるんだわなんなら誰にも注目されずに 過ごすっていう学校生活の目標ぶち壊してんじゃねぇぞおぉ?
「まだ買ってねぇよ」
「なーんだよまた買い弁かぁ?
健康に良くねぇぞ自分で作れよ!」
「召使いに作らせてるてめぇには言われたかねぇよ!!」
「俺は食べる係だからな!」
「どんな係だよっ!!」
この 天野 龍鬼 という阿呆は毎日俺に絡んできて暇なのか?
いや昼飯時だから暇なのは間違いねぇけどさぁ…
「しょおいやぽまえしゃっきのてしゅと寝てたけど点数勝負を諦めたわけじゃねぇよなぁ?」
「もの口に入れながら喋んな半分ぐらい何言ってるかわかんねぇよ。
お前ごときにゃ寝てても勝てるわ。」
「んだとぉ?おめぇこの龍鬼様舐めてんなぁ?」
「舐められたお前が悪い。そもそもお前に負けたこと1度もねぇしな!」
「おっしゃ点数勝負なんてやめて実力で思い知らせてやるぜ!!!
さっさと飯食って運動場でやるぞ!!!」
「はっ!上等だコラ。
お前は俺に実力でも勝てねぇこと思い知らせてやるわっ!!」
今日の飯はコッペパンだな。
本来だったら昼飯食い終わったあと暇な時間遊べる運動上なんだけど悪いな、今日は雄士と決着つけなくちゃいけなくなっちまったからどいてくれな。
「言い残すことはねぇな、雄士?」
「もう勝ったつもりか?俺の力、舐められたもんだな。」
「舐めてないぜ。
その上で俺の方が強い」
「いいや俺のが強い」
「俺はその上をゆく」
「違うな俺のが上だ」
言い争いしてる間に雄士の準備が終わったようだ。
「行っくぜぇ!」
駆け出して、雄士に体制を整えさせる前に畳み掛ける。
あいつの力は厄介だからな。
「体制が整う前に畳み掛けるだァ?
あめーわ!もう準備する前から既に身体能力強化はできてんだよ!」
既に構えたみぞおち狙いの拳は呆気なく左手に防がれた、即座に距離はとったけどどうすっかなぁ…
あいつの持ってる謎の力…対抗手段がないんだよなぁ…身体能力強化とか読心術とか…まぁ白い光が出てた時点で何となく使ってるのは察してたけど…
時間切れ待つしかないかぁ…
「させるわけないだろっ!!」
後に某サイヤ人バリの瞬間移動してきたので間合いとって…顔面狙いの素人パンチ…強化されてるから当たると痛いし速いから当たりそうになるけどギリ見えてるから上体逸らしてよけーの…
さらに間合いとってと
「はん!身体能力強化されても当たんなきゃ意味ねーぜ!」
煽っとこ
「うっせわ。
これでもくらいなっ!!!」
雄士から出た白い光が細長い針みたいな形に変形した。
え?まさかあれ飛ばしてくるの?実体あんの?
うわぁーほんとに飛んできたァ…
「あっひぃそんなのありかよ…っ!!」
何とか軌道は見えてるから避けれるけど運動場に穴空いてんだけど…どうなってんのこれは…
身体能力強化してもあいつに攻撃当たんないし最近できるようになった実体化攻撃も避けられんのか…やっぱバケモンだな。発生させてから着弾まで1秒かかってねぇぞアレ。
「…」
「…」
お互い喋るほどの余裕は無くなってきたな…流石に身体能力強化切れるとあいつの攻撃は避けられないし早めに勝負を決めたいところ。
実体化は能力そのものを飛ばしてるからあんまり乱発はできないしどうしたもんか
しかもいつもながらギャラリーが増えてきてる…これじゃ下手な遠距離攻撃して巻き込む可能性まででてきた…
今この周辺には壊れたものを解除時に解除前まで戻す結界が貼られてるってか貼ったんだけどそれの維持にも能力がさかれてる。
しかも結界とは名ばかりの防御性のないものだから普通に外に攻撃飛んでくからギャラリーは邪魔でしかないんで離れてくれ頼むから。
それも含めてこうなると近接、一撃必殺で決めるしかないか。
「次で決めてやるっ!!!」
「次で決めてやらぁ!!!」
お互い考えることは同じなようだ
能力を集中する…足を強化して一気に近づいて殴るタイミングで足の強化も切る…全ての強化は左拳に…考えられる最高の威力であいつをぶっ飛ばす。…行こう…!!!
「「うぉっりゃァァァァァァァ!!!!!」」
拳が当たる刹那、聞きなれた鐘の音が鳴り響く。
ああ、今日も俺たちは午後の授業は欠席のようだ。
「2人揃って毎日毎日この時間に保健室に来るなんて飽きないねぇ…どうせ今日も決着つかなかったんでしょ?」
「次は勝つ」
「いや俺が勝つぜ」
「ハイハイどっちでもいいからさっさと決着つけてください。先生だって忙しいんだから。毎日来られたらたまったもんじゃないよ。」
「いや先生いつも暇してんじゃん。」
「そうだぜ。
なんかいつもアイドルのポスター見てだらしない笑み浮かべてんじゃん。」
「ちょ、なんでそれ知ってるんですかぁ!?」
いやそいつ適当に言っただけだと思うぞ先生。
「コ、コホン。
とにかくあんまり大事になるようなことはしないでください。
特に天野君は近々祭りの準備があるでしょう?」
「そうだぜ!うちの神社の祭り、
天野熱田神宮にて年に一度の八岐祭りがあるんだぜ!」
なんでこいつがドヤ顔なのかはさておいて今この学校は祭りの話でいっぱいだよなぁ…みんな楽しみにしてるってことだ。
実際のとこ俺も楽しみだしな。
八岐祭り当日
俺は神社の中にある屋台巡りをしていた。
隣にはあの阿呆は居ない。
山車準備でもしてるのだろう。
「あんまり時間もないしもっとちゃっちゃと巡っていかなかんなぁ」
この祭りの日、この神社は何故か午後10時までに人を全員外に追い出してしまうのだ。
それを理由を今年こそ知ってやる。
午後9時半辺りに本殿裏に隠れられそうなとこを見つけてあるからそれまでに屋台巡りをしなきゃならんのです。
「おっあの射的なかなかいい景品置いてんなぁ?(悪い笑顔)」
大概ああいう景品には姑息な手段で取れないようになってるのだ。超強力磁石とかな。
しかもそれを隠すように落とせなかった時点で景品を元の位置に戻してバレないようにしているのだ。
心読めばそんなんすぐわかるんですよええ()
というわけでアレ落としマース。
そっちがその気ならこっちも能力使って…
パァン!!
「…は?」
落ちた、え?落ちましたけどあの景品????
さっきイキって落ちないようになってるっていうたけど前言撤回。
あれちゃんと落ちる屋台もあるんだなぁ…
あの赤い髪の女子が取ったのか。
なおのこと信じられんけどまぁいいやほかの屋台に行こー
「…」
え?いやどういう状況なんこれ?
あの龍鬼が、死ぬ…?
午後10時、無事潜入成功。
「さてさてさぁて、何コソコソやってんのか見学してやるわ」
ちょうど本殿の方で数人の人が慌ただしく道具を運んでいるのがここから良く見える。
「んでもまじで何すんだ?運んでるものの検討がつかねぇわ…」
見たことない道具ばっか運んでて検討がつかん。
しっかし暇だ…いつ始まんだよ
「おーいこっちの灯篭ひとつ足りんぞ!」
「時間ないぞ!さっさと運べぇ」
…まだまだかかりそうだな
午後11時半、さすがに眠いし帰ろうかと思い始めた頃の話。
ようやく進展があった
どうやら準備が整ったようだ
ちなみに家には帰る必要は無い。どうせ親は俺の事なんてどうでもいいだろうし。
小学生が夜中に歩いてようが知ったことないしむしろそのまま消えて欲しいらしいので。
そんなことはさておき、一体何が始まるのかと思ったら本殿に続く屋敷の方からあの阿呆と親父さんの勝利さんがでてきた。
デュ○マの主人公一家みたいな名前してるけどその名を恥じない強さの人だ。阿呆と一緒に戦っても勝ったことないもん。
そんなこんなでなんか本殿で儀式みたいなのが始まった…
伝説継承の儀式。
それは天野家に古くから伝わるこの神社の神を鎮めるために代々受け継いできた必ずしなければならない儀式。
古事記に書かれた伝説の悪神八岐大蛇をこの地で封じるため、10歳の時にこの神社の御神体であり、封印の鍵になる天叢雲剣を先代継承者のオヤジから受け継ぐ、それが今日この日だ。
「龍鬼、これまでの訓練、特訓の成果を引き出すんだ。
そして、勝て。勝って帰ってこい。」
「大袈裟だな、10歳で受け継げるってことは10歳でも勝てるってことだぜオヤジ。らしくないこと言うなよ気持ちわるいぜ!」
「…そうだな、油断だけはするんじゃないぞ。」
「くどいぜ、ぱーと勝って来るから焼肉の準備だけしといてくれりゃいいんだよ。」
「10歳で引き継いでその日のうちに封印するのが史上初ならそれを出来れば俺が歴代最強だぜ?誇ることだろ。」
この刀を握ることが出来るのは天野家と大元の所持者の天皇家のみ。なんでも神の血がどうとかで一般人だと触れようとするだけでどこからともかく発火して死ぬらしい。
その昔ここの雇われが触ろうとして燃え死んだそうな。
それ以外にも色々制限があって封印の役目は天野家の10歳以上になった者しかできない。らしい!
「儀式を始める。龍鬼、注連縄を。」
「わかってるよ。おらよォ!」
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