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第一章 The war ain't over!
7-3 グラインド・ゴシップⅡ
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鷲塚が訪ねてきた翌日、外に出る気分になれずにいたレインの携帯電話が鳴り響いた。
「レイ、バレたみたいだ。スウェーデンの動画とゴシップが結び付けられて、出鱈目が作り出されてる」
いくつかのサイトを巡回していた佐伯は衝撃的な記事を見つけ、証拠保全の片手間に電話を掛けた。
「え……」
「あの時、すっぴんだっただろ? 画像検索から引っかかったかもしれない」
「おいおい……それで、中身は」
「ちょっと、憚られて言えない」
「まさか、また俺をジャンキーにしたいんじゃないだろうな」
「あぁ、もうお見通しだね。その通り。ただのメタラーの集まりが、やばい集団のイベントよろしく書き立てられてる」
「最悪だな……例によってスヴェンは日本語が分かるんだが」
「ひとまず、サイトの方には一般メタラーの振りをして、元の動画とレーベルのニュースのアーカイブのアドレスを添えて、事実誤認だって事は通報したんだけど」
「で、その記事、出どころというか執筆者は分るか?」
「アテにはならないかもしれないけど、カルカルと」
「カルカル……何かと話題の暴露系インフルエンサーかもしれないな」
「暴露系か……ちょっとSNSの類も調べてみる。もし、これがインフルエンサーの類だったら、別の暴露系インフルエンサーに出鱈目インフルエンサーを暴露してくれって接触するのがいいかもしれないな」
「泥仕合だな」
「まあ、まずは亀山社長に情報を回すから、どうにもならなきゃ泥仕合も考えた方がいい」
「分かった。すまないな、色々」
「こっちは大丈夫。それより、彼女さんの方、気にかけてあげて」
「あぁ、分った」
通話を切り、レインは携帯電話を投げ出した。
(結局、雑誌なんて過去の遺物、ネットの情報を止める手段なんてねぇんだよ)
「レイさん?」
それとなく通話の声を聴いたミカが台所から顔を出す。
「あ、聞こえちゃってた?」
レインは苦笑いを浮かべた。
「……何処から聞いてた?」
「何かマズい事になってるのかなとは」
「そうか……まあ、だいぶマズい事にはなってるよ……ミカちゃん、ちょっと早いんだけど、実家に戻らないか」
「え」
「パパラッチみたいなのに嗅ぎ回られてて、この先、もしかしたらこの家にも妙なのが来るかもしれない。俺も暫くはランの元実家に間借りして、そのついでに作業でもしようと思ってる」
「レイさん……」
ミカは眉根を寄せる。
「沈静化するまでどのくらいかかるか分からないから、持って帰りたい物は全部まとめて帰るんだよ」
「……分かった」
事態が深刻である事を理解し、ミカは頷いた。
「しばらく家を空ける前には、ランにでも来てもらうから、細かい事は気にせずに、自分の事だけでいい……あのあばら家、近所のスーパーでさえちょっと遠いくらいには何も無いからさ、連休中の漫画、楽しみにしておくよ」
「うん。頑張ってひねり出す……だから、レイさんも、無理はしないで」
「この件で俺に出来る事は無いし、せいぜい安全な所に引っ込んでおくよ」
肩を竦めて見せるレインにミカは何かを察して台所に戻る。
レインは音も無く溜息を吐いた。過ちのない人生など無いが、たった一度の過ちが、こうも後から厄介事を引き起こす物か、と。
(遺産もくそも、俺はアルバムには参加してないし、印税はシングルで言われたとおりに弾いた一曲分とファンクラブのあれこれ……法律と税金の問題で受け取ってるだけだってのに)
「レイ、バレたみたいだ。スウェーデンの動画とゴシップが結び付けられて、出鱈目が作り出されてる」
いくつかのサイトを巡回していた佐伯は衝撃的な記事を見つけ、証拠保全の片手間に電話を掛けた。
「え……」
「あの時、すっぴんだっただろ? 画像検索から引っかかったかもしれない」
「おいおい……それで、中身は」
「ちょっと、憚られて言えない」
「まさか、また俺をジャンキーにしたいんじゃないだろうな」
「あぁ、もうお見通しだね。その通り。ただのメタラーの集まりが、やばい集団のイベントよろしく書き立てられてる」
「最悪だな……例によってスヴェンは日本語が分かるんだが」
「ひとまず、サイトの方には一般メタラーの振りをして、元の動画とレーベルのニュースのアーカイブのアドレスを添えて、事実誤認だって事は通報したんだけど」
「で、その記事、出どころというか執筆者は分るか?」
「アテにはならないかもしれないけど、カルカルと」
「カルカル……何かと話題の暴露系インフルエンサーかもしれないな」
「暴露系か……ちょっとSNSの類も調べてみる。もし、これがインフルエンサーの類だったら、別の暴露系インフルエンサーに出鱈目インフルエンサーを暴露してくれって接触するのがいいかもしれないな」
「泥仕合だな」
「まあ、まずは亀山社長に情報を回すから、どうにもならなきゃ泥仕合も考えた方がいい」
「分かった。すまないな、色々」
「こっちは大丈夫。それより、彼女さんの方、気にかけてあげて」
「あぁ、分った」
通話を切り、レインは携帯電話を投げ出した。
(結局、雑誌なんて過去の遺物、ネットの情報を止める手段なんてねぇんだよ)
「レイさん?」
それとなく通話の声を聴いたミカが台所から顔を出す。
「あ、聞こえちゃってた?」
レインは苦笑いを浮かべた。
「……何処から聞いてた?」
「何かマズい事になってるのかなとは」
「そうか……まあ、だいぶマズい事にはなってるよ……ミカちゃん、ちょっと早いんだけど、実家に戻らないか」
「え」
「パパラッチみたいなのに嗅ぎ回られてて、この先、もしかしたらこの家にも妙なのが来るかもしれない。俺も暫くはランの元実家に間借りして、そのついでに作業でもしようと思ってる」
「レイさん……」
ミカは眉根を寄せる。
「沈静化するまでどのくらいかかるか分からないから、持って帰りたい物は全部まとめて帰るんだよ」
「……分かった」
事態が深刻である事を理解し、ミカは頷いた。
「しばらく家を空ける前には、ランにでも来てもらうから、細かい事は気にせずに、自分の事だけでいい……あのあばら家、近所のスーパーでさえちょっと遠いくらいには何も無いからさ、連休中の漫画、楽しみにしておくよ」
「うん。頑張ってひねり出す……だから、レイさんも、無理はしないで」
「この件で俺に出来る事は無いし、せいぜい安全な所に引っ込んでおくよ」
肩を竦めて見せるレインにミカは何かを察して台所に戻る。
レインは音も無く溜息を吐いた。過ちのない人生など無いが、たった一度の過ちが、こうも後から厄介事を引き起こす物か、と。
(遺産もくそも、俺はアルバムには参加してないし、印税はシングルで言われたとおりに弾いた一曲分とファンクラブのあれこれ……法律と税金の問題で受け取ってるだけだってのに)
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