俺はモブなので。

バニラアイス

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チョコケーキかチーズケーキか

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「クレノを離せ。」

「殿下こそ離しください。」


第二皇子もシャーロットも俺を離す気がないらしく、硬直状態が続いている。

(もうお茶なんていいから帰りたい....

別にお茶なんていつでもできるし、あとでも良いんじゃ....なんて言ったら、絶対に怒られるだろうな。)

しばらく終わりそうにないこの状況に、ついため息が漏れてしまった。


「ねぇ、クレノ。クレノは私と一緒にお茶がしたいわよね?」

「え?えっと....」

「何を言っている。私とに決まっているだろう。」

「あの....」


(二人共怖い!どっちか選べって顔やめて!!)

どちらかは選ばないといけない雰囲気なのだが、選ばなかった方にあとで文句を言われそうでなかなか選べない。
どうしようかと頭を抱えている俺を見て、第二皇子が口を開いた。


「クレノ。この間クレノが話していたケーキ屋のチョコケーキを今日は用意しているぞ。」

「え!チョコケーキ!!?」

(しかもこの間のって....まさかあの開店直後即完売しちゃう一日五十個限定のチョコケーキの事?!!
一時間前に並んで買えるか分からないようなケーキなのに....俺ですらまだ一度しか買えた事がないあのチョコケーキを?!

た....食べたい.....)

「じゃ....じゃあ、俺は殿下の方に....」

俺がそう言うと、第二皇子は勝ち誇ったようにシャーロットを見てニヤリと笑みを浮かべた。


「.....っ!クレノ!!私はあの有名なメルティアンのチーズケーキを用意しているわ!!」

「メルティアンって...あの貴族御用達の!!?」
 
メルティアンは貴族向けの洋菓子店。
完全予約制で、現在三ヶ月先まで予約が埋まってるという。しかもその店のチーズケーキはこの国で一番美味しいと噂されてるケーキで、値段が通常の何倍もするのでなかなか手を出す事ができず、まだ一度も食べた事がなかった。

「チーズケーキか....いいなぁ....」

俺がそう小さな声で言うと、聞こえていたのか今度はシャーロットが第二皇子に向けてニヤリと笑った。


「っ....!クレノ!どちらを選ぶんだ!!」

先ほどまで睨み合っていた二人が俺に視線を向ける。

「えっと....」

(ど、どうしよう、選べない....だってどっちも食べたいし........そうだ!!)

しばらく悩んだ末、俺はある結論に至った。


「殿下、シャーロット。」

俺はチョコケーキもチーズケーキも食べたい。

だから答えはこれだ。


「三人でお茶しようか。」

    
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