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体育祭当日
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体育着に着替え、赤色のはちまきを頭に巻き教室を出た。
「暑い....快晴なのは嬉しいけど、どうしてこんなに蒸し暑いんだよ.....」
そう文句を言いながら外に出れば、沢山の生徒達が赤、白、青、黄色、緑のはちまきを組ごとに身につけ集まっていた。
(やっぱり全学科が揃うと多いな......)
人の多さに多少たじろぎながらも、俺は自分の組の方向へ足を進める。
この学園は五つの学科に分かれており、通常俺のいる普通科やシャーロットがいる社交科などは三年で卒業になる。
だが騎士科だけは別だ。
他の四学科より一年多く学ばなくてはいけない。
それに加え、騎士団から毎年出される卒業試験に合格しなければ卒業する事はできず留年となる。
なんでも基礎体力や剣術を磨くのに三年では足りないと言って、この学園の騎士科に所属していた現在の騎士団長が学園長に直談判し、それが承認され四年になったのだとか。
しかも騎士団から出される卒業試験に合格するのは大体三割程度で、七割は留年するそうだ。
その為在学人数が年々増えていき、現在では千人を超えている。
約千人という大人数。一日では競技の半分も終わらせる事ができず、この学園の体育祭は毎年三日間に渡って行われていた。
(三日間か....去年も一昨年も疲れ果てて筋肉痛が続いたな......
三日目なんて、力尽きたのか道端で倒れてた奴もいたし....)
今年もそうなるだろうなと思いながら、俺は人混みを掻き分けやっと自分の組に合流できた。
「....あ!こんな所に居たのねクレノ!探したじゃない!!」
そう聞こえ、俺は声がした方向へと顔を向ける。
そこにはいつもは下ろしている髪を、赤いはちまきで一つに結んでいるシャーロットが立っていた。
「シャーロット!シャーロットも同じ赤組だったんだ!」
「えぇ。同じ赤組としてよろしくね。」
「うん!それで殿下は?殿下も赤組かな?」
「第二皇子は白組よ。一週間前に組表張り出されてたじゃない。見てないの?」
「み....見てない.....」
(そっか....殿下は違う組なのか......)
第二皇子が違う組だと分かり、少し残念に思う。
「第二皇子が別の組なのはどうでもいいの!
それより問題なのは、この組にアイツらもいる事よ!」
「アイツら?」
俺がそう聞き返すと、シャーロットがある方向を指した。
そして俺はシャーロットが指した方向を見て、アイツらとは一体誰の事なのかをすぐに理解した。
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