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なんだこの可愛い生き物は~sideレイ~
なんだ......
「行っちゃやだぁ.....」
なんだ、この可愛い生き物は。
「クレノ.....」
行かないで。と私の服の袖を掴み離さない愛しい人の可愛さに心臓を痛ませながら、なんとか離してもらえるよう説得を試みる。
「水とタオルを取りに行くだけだ。すぐ戻る。」
「ダメっ.....!」
「ちょっとだけ、一瞬だけだ。」
「っ.....、やぁ.....」
「っ.....」
嫌だ嫌だと首を振り、目尻に涙を溜めながら上目遣いで見つめるクレノの姿に心臓が大きく跳ねる。
「クレノ....戻ったらずっと一緒にいるから....」
「......」
私がそう困ったように言うとクレノは眉を下げ、寂しそうにゆっくりと手を離した。
「少しだけ待っていてくれ。」
「......うん。」
なんとかクレノの説得に成功した私は執事に食事と風邪に効く薬を用意するよう命令し、水とタオルを持って急いで寝室へと戻った。
「はぁ.....はぁ......」
ベットの上で苦しそうに息を荒げているクレノに、持ってきた濡れタオルを乗せる。
そして何度かタオルを取り替えている内に、執事が食事と薬を持ってきた。
「クレノ、粥だ。食べてくれ。」
「....食欲ない......」
「少しでもいいから食べないと。」
食べないと風邪が早く治らないぞ。と私が言うとクレノは俯いてしまったが、しばらくすると顔を上げて、
「.....じゃあ、殿下が食べさせて......そしたら食べるから......」
「っ......」
「殿下......」
「.........わかった。」
(本当に、どれだけ私をドキドキさせれば気が済むのだ?
熱で頭が回らないのだろうが、体調を崩すとクレノは小さい子供のようになるのだな。
......可愛すぎるだろう、これは。)
クレノの可愛さに悶えながら、食べやすいよう冷ましながら粥をクレノの口の中へと運ぶ。
(まるで餌付けしているようだな。)
目の前に差し出された粥をもぐもぐと頬を膨らませながら食べているクレノに、愛しさが増す。
そして......
「やだ!!!」
「......」
粥を食べさせて今度は薬を飲ませようとしたところで、クレノが「飲みたくない!」と駄々をこね始めた。
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