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全部覚えてる
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翌日、第二皇子とのすべての行為を覚えて俺は目が覚めた瞬間、心の中で大きく叫んだ。
『我慢しないで......俺、殿下になら何されても良い....』
(どうしてあんな事を言ったんだよ、俺は!!!)
もう本当に恥ずかしすぎて死にそうだ。
「クレノ、起きたのか。」
「で、殿下......」
扉を開け、朝食を持った第二皇子が俺の元へ歩いて来る。
第二皇子の顔を見た瞬間、昨日の出来事を鮮明に思い出し、俺は頬を赤くする。
そしてそんな俺のおでこに、第二皇子は自分の掌を当てた。
「....どうやら、熱は下がったようだな。」
「は、はい!殿下のおかげです!ありがとうございました!」
「なら良かった。」
俺がお礼を言うと、第二皇子は頭を優しく撫でてくれる。
「....昨日のクレノは、とても可愛かった。」
「!!!?」
唐突にそう言われ、ドキドキと鼓動が早くなる。
「で、殿下っ.....」
「ん?もう名前では呼んでくれないのか?」
「え?!そ、それは....その....」
「名前で呼んでくれ。.......昨日のように。」
「....っ.....む、無理です!
あの時は、その、勢いで!今は無理なんです!!」
俺が必死に言うと、第二皇子は揶揄うように笑った。
「可愛いな、クレノは。」
そう言ってゆっくりと顔を近付けてくる。
そしてどんどん近付いてくる第二皇子に、咄嗟に目を瞑った。
チュッ___
「!?」
額に柔らかい感触がした俺は、驚いて顔を上げる。
「クレノ。」
そして何をされたのか理解し、恥ずかしさで俯いた俺の名を第二皇子が呼ぶ。
「昨日は体調の優れないクレノに、理性が保てずあんな事をしてしまって本当にすまなかった。」
「え!?いや、それは俺が悪いです!
意識がはっきりしていなかったとはいえ、殿下に我慢しないでと言ったのは俺ですし.....」
「....だが、した事を後悔はしていない。」
「え?」
「クレノ。」
「な、なんですか.....?」
「先に言っておく。
私は昨日以上の事を、これから先クレノにしたいと思っている。」
「え??」
「これからゆっくりと慣らしていくから、そのつもりでいるように。」
そんな爆弾発言を聞いた俺は恥ずかしさのあまり布団へと潜り込んだ。
そして布団の中から第二皇子が笑う声が聞こえ、(揶揄われた....)と思いながら昨日以上の事を妄想して悶えたのだった。
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