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俺は着せ替え人形
しおりを挟む煌びやかで豪華な部屋。たくさんの装飾が施された高価そうな服。キラキラと輝きを放ってるアクセサリー。
そして....
「あら、この服もよく似合ってるわぁ!」
「......」
現在、着せ替え人形と化してる俺。
もうかれこれ二時間以上、着せ替え人形状態で正直疲れた。
「でも、こっちの水色もいいわねぇ....クレノくん!今度はこっちを着てみて?」
「あの....もうなんでもい「ん??」
「......ナンデモアリマセン。」
「そう?じゃあ、お着替えしてきてねー」
「.....」
結局何も言えずに十四着目となる服を渡され、メイドさんに試着室へと案内される。
(うぅ....服なんてもうなんでも良いから、解放してほしい.....)
俺のその願いが神様に伝わったのか、十七着目にしてようやく皇后陛下が俺に着替えさせるのを止めてくれた。
「うーん....どれも似合ってるから迷うわねぇ......
クレノくんはどれが良かったかしら?」
「十二着目に着た紺色のやつが一番好きでした。」
俺は一番装飾が少なく、着た中では一番地味であろう紺色の服を選んだ。
「華やかさが足りないと思うんだけど.....
まぁ、クレノくんが気に入ったのならこれにしましょうか!
それとアクセサリーはどうしましょか?」
「えぇっと.....」
そう聞かれ、俺はアクセサリーが置いてある場所に目を移す。
「.....あ......」
そしてその中にある、エメラルドグリーンに輝く一つのネックレスが目に入った。
(これ....殿下の瞳と同じ色だ......)
「.....このネックレスがとても好きです......」
「じゃあ、それにしましょうか。」
「はい。」
「.....レイの瞳と同じ色だから選んだのね?」
「っ!!」
皇后陛下には、俺の考えている事なんてお見通しのようだ。
「じゃあ早速、着替えて夫に会いに行きましょか。」
そう言われた瞬間、先ほどまで和らいでいた緊張がまた一気に押し寄せてきた。
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