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意中の男性へ
しおりを挟む気持ちの良い風の中、俺はシャーロットとアメリア皇女の三人で、アメリア皇女が作ったケーキの試食会をして過ごしていた。
「そういえば、もうすぐ剣術大会ですわね。」
「えぇ、今回は誰が優勝するでしょうか。」
「皇太子殿下やグレイ公爵令息、アメリア様のお兄様も優勝候補でしょうね。」
(へぇ....そうなのか。)
去年や一昨年はノア・カーティスの取り巻きの一人で剣術大会の日はノア・カーティスの我儘に振り回されて観戦できなかったし、優勝者が誰だったのかも大会が終わった数日後に知った。
「クレノ様は、今回の大会はやはり第二皇子殿下を応援されるのですか?」
「俺ですか?それは...まぁ....」
(恋人だし....)
だが俺が知ってるゲームの世界では第二皇子は生徒会が多忙の為、大会には毎年エントリーせず辞退し裏方に回っていた。
そして第二皇子不在の剣術大会で優勝していたのは皇太子殿下だ。
だが、今回は違う。
ただのモブの俺が物語に介入したせいか、今年は第二皇子が棄権せずに剣術大会にエントリーしている。
(ゲーム内では皇太子が今年も優勝だったけど今年は殿下が出場するし、優勝してほしいな.....)
「まぁ、普通に考えて第二皇子が優勝最有力候補でしょうね。憎たらしい事に、今年はハンカチを渡そうとする女性が多いみたいだし。」
「ハンカチ?」
「あら、クレノは知らないの?
剣術大会では出場する意中の男性に、女性が自分で刺繍したハンカチを送るの。
第二皇子は去年一昨年と出場を辞退していたから、今年こそハンカチを!って子が多いみたいね。」
「意中の男性に....」
(それ....すごく良いかも!)
第二皇子にこの間の置物のお礼もしたいし、自分が刺繍したハンカチを持っていてほしい。
(よし!そうと決まればさっそく図書室に行って、刺繍に関する本を探さないと!!)
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