俺はモブなので。

バニラアイス

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なんで俺だけ

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「またお前か、クレノ・シア。」

「それはこちらのセリフですよ、ジルベルト皇子。」

「まだアメリアの周りをうろついているらしいな。」

「うろついてなんかいませんが?

友人として楽しく散歩したり、お茶を飲んだりしているだけです。」

どうも俺とジルベルト・クロンディアは何もかもが合わないようで、あの日以来こうやって出くわすたびに喧嘩するようになった。


「あら、お兄様?」

「!!アメリア。」

「クレノ様とご一緒でしたの?」

「いや、たまたまだ。アメリアは一人か?」

「はい。このプリントを先生の所まで届けないといけなくて.....」

両手に抱えている結構な量のプリントを見せながら疲れたようにため息をつくアメリア皇女に、ジルベルト・クロンディアは「持とう。」と言ってそのプリントの束を奪った。


「お兄様!大丈夫ですからお返しください!」

「ダメだ。ほら、行くぞ。」

「あっ.....!お待ちください、お兄様!」

アメリア皇女の言葉を無視して進んで行ってしまうジルベルト・クロンディアを、アメリア皇女が慌てて追いかける。

そして俺は、その姿を眺めながら思った。


どうしてジルベルト・クロンディアは、俺に敵意むき出しなのだろうか.....と。


しかもそれが.....
 

「大丈夫か?私も手伝おう。」

「勉強か、私が教えようか?」

「私も訓練に付き合おう。いつでも声を掛けてくれ。」

俺にだけときたもんだ。


妹のアメリア皇女との態度の差ならまだ分かる。
だが誰がどう見ても明らかに、俺と他の人とでのジルベルト・クロンディアの態度が全然違う。

(どうして俺だけなんだよ.....俺、何かしたか?

次、出くわした時にでも理由を聞いてみるか。)

そう決心した俺は数日後、ジルベルト・クロンディアに俺を嫌う理由を聞いてみた。

    
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