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会場前
しおりを挟む卒業当日。
卒業式はスムーズに進み、いよいよ卒業パーティーの時間。プレゼントされた礼服を身に纏い、会場前で足を止める。
「クレノ!」
俺を呼びながら、シャーロットが豪華なドレスを着て俺に近付く。
「シャーロット!今日はいつも以上に綺麗だね。ドレスもすごく似合ってるよ。」
ふんわりシフォンの輝く黄色のドレスは、シャーロットにとても似合っている。
「ありがとう。クレノもその服、とても似合ってるわね。」
「そ、そうかな?」
俺が着たらこの服の良さを消してしまうのではないかと心配していたので、そう言われて少なからず安心した。
「クレノ様!」
「アメリア様!」
シャーロットに続き、皇女が手を振りながらジルベルトと一緒にこちらへ向かってくる。
「今日のクレノ様は、一段と素敵ですね。」
「ありがとうございます。アメリア様も、すごくお綺麗です。」
マーメイドラインの青色のドレスは、皇女にとても似合っている。シャーロットが太陽の女神なら、皇女は月の女神というところだろうか。
「....」
俺が皇女を褒めたからかジルベルトが無言で睨んでくるが、気にせず今度はシャーロットと話す。
「シャーロットは結局アメリア様達と一緒に行くのか?」
「え?そ、それは...」
「コイツは俺と二人で行くんだよ。」
突然、シャーロットの隣に現れたのは...
「行くぞ。」
あの、デリク・グレイだった。
「ちょ...引っ張らないでよ!」
「うるせぇ。」
(今、俺の事睨まなかったか?)
デリクの様子に何も気付いてなさそうなシャーロットを見つめながら、俺達は苦笑いを浮かべる。
「私達も行きましょうか、お兄様。」
「あぁ。...あいつも来たみたいだしな。」
「え?」
「クレノ。」
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