俺はモブなので。

その後

一週間後、カグラは一度入れば死ぬまで出てこられない地獄のような場所だと噂の孤島へと送られた。

もう二度会う事はないだろう。

そして真白...皇太子の方は廃嫡、国外追放処分で明朝馬車で隣国へと向かう予定になっている。

だが皇太子に関してはこれでも減刑された方だ。本当は廃嫡後、カグラと同じ孤島へ送られる予定だったのを俺とレイが必死に皇帝陛下へ皇太子への刑を軽くしてほしいと願い、国外追放という形になった。

一方俺は、その一週間はレイと共に皇宮で過ごし現在は皇帝陛下へ謁見中だ。


「レイ。シンがいなくなった今、私の跡を継げる人間はお前だけになった。...それがどういう事か分かるな？」

皇帝陛下の威圧感に襲われ、身体が自然と震え出す。

真白が皇太子を廃嫡になった今、次期皇帝はレイになる。そうなったら俺は...

「私は言った。結婚させてもなんの利益もない子爵家の次男と王子を結婚させる事はできないと。」

「！！！」

そんな話を二人でしてたのか...

「...分かっています。ですから、私は王位継承権を放棄させていただきます。」

「え！？」

レイの爆弾発言に、つい声が出てしまった。


「何？後継者はお前しかいないのだぞ。王位継承権から外す事はできな「私が皇帝になります。」

急に皇帝陛下の言葉を遮る声が後ろから聞こえ、振り向くと...


「ハンス...さん？」

いつもの見慣れたコック服姿とは違い、着飾り堂々と謁見の間へ足を進めるハンスさんの姿があった。