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近所を探すぼく

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 吉太郎のにおいを探し回る。

 いつも親切な角のお店のおじいさんには「猫は好かん!あっちいけ、しっしっ」って言われた。

 花屋のお姉さんは忙しい中、にこって笑ってくれた。交番の怖いおまわりさんは、表情をでろでろにくずして「にこー!」ってしてくれた。
 近所がまるで違って見える。

 ひとまずさっきの行き止まりに戻ろう。そう思って赤信号で待ってた時。向こう側の歩道を吉太郎が走って行った。
 「にゃ!」
 見逃すわけにはいかない。
 ぼくはとび出した。
 
 パー!

 車のクラクション。
 そうだ、赤信号だった。

 迫る車。
 どうしよう体が動かない。

 ひかれる!
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