包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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 女の人と暮らしたことは過去にもあった。モテるわけではなく金目当て。仕事目当てのモデルさんもいた。

 若いときは女の人よりも仕事を重視していたとはいえ、よのぎさんは比べなくても別格だ。心地いい。話すことが面倒じゃない。むしろ、笑う顔だけ見ていたい。

 食器を洗うことはしてくれる。きちんと手袋を忘れない。皮膚はつながっている。
「今日、買い物に行ったら記者の人につけられていたみたいで」
 よのぎさんが不安そうな顔をする。

「うちの会社にはなんの連絡もないよ。ネットニュースになったときは確認の電話があったけど。幸せそうな夫婦の写真が撮れれば気が済むのかな? 新卒の由愛(ゆめ)ちゃんは、おっと、僕は苗字のほうがいいと思って垣沼さんと呼んでいたんだけどみんながそう呼ぶから。まあ、それはどうでもよくて、彼女は君と同じ年だから絶対にこんなおじさんイヤだって言うくせに顔見たら君の話ばかりさ」

「僻みもあるんでしょうね、先生が有名だから」
「それを言うならよのぎさんのほうが」
 世界中のコレクションに出ていたと記憶している。

 よのぎさんといると食後にノンカフェインのお茶を飲む。蒸らす時間まで愛しい。
「私はその社員さんが羨ましい。ずっと一緒に先生とお仕事して、あなたの役に立って、呼び名まで名前で」
「名前? そうだね。結婚したから僕も名前で呼んで欲しいな」
「いいわ。七さん。やだ、恥ずかしい。えへへ」
「よのぎさん、ずっと一緒に生きようね。なるべく長生きするから」
 涙目になって、
「七さん、大好き」
 と言った。唱えるように幾度も。
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