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黄色い光
第4章 黄色い光
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それから何日かが経って僕はあの病院へ手術の経過を知らせるための定期健診に訪れることになっていた。
今まではとても嫌いな場所でしかなかった病院が僕とまやさんが出会ったこの思い出の場所と考えて訪れると、とても楽しみになっていた。
「あなたなににやにやしてるの?気持ち悪いわよ。」
車を運転している母の問いかけを
「うん」
と適当に受け流して僕は彼女のことを思ってにやにやを続けた。
今まで味気も色気もなかった僕の人生は嘘のように、今の僕の人生は幸せに満ち溢れていた。
生きているってこんなに素晴らしいんだ。
こんなに楽しいんだ。
こんなことを考えてしまう自分もなんだかくすぐったくって、僕のにやにやは加速していった。
病院に着いたのは午後3時過ぎで空に少しだけ雲がかかっていたが、そんなことは関係なしに僕の心は晴れ渡っていた。
今まで味気も色気もなかった僕の人生は嘘のように、今の僕の人生は幸せに満ち溢れていた。
生きているってこんなに素晴らしいんだ。
こんなに楽しいんだ。
こんなことを考えてしまう自分もなんだかくすぐったくって、僕のにやにやは加速していった。
病院に着いたのは午後3時過ぎで空に少しだけ雲がかかっていたが、そんなことは関係なしに僕の心は晴れ渡っていた。
病院の受付に診察券と保険証を提出してから親にトイレへ行ってくると言って、僕は彼女を探し回った。
まず最初に僕と彼女が初めて出会ったあの病室へ行った。
さすが人気の総合病院だそこにはもう違う人眠っていた。
次に真ん中に大きな木が立つ病院の中庭を探し回った。
でもやはり彼女はいなかった。
それからも時間も忘れて探し回っていると僕の名を呼ぶ声が聞こえた。
しかしそれはまやさんの声ではなくて、看護師さんの声だった。
「そういえば彼女はそもそも病気だっけ?」
そんな独り言を言いながら僕は診察室へと向かった。
まやさんと病院で出会ったというだけで決めつけて過ぎていたな。
そんなことを考えながら診察室のドアを入っていくと心臓が
「ドクッ。ドクッ。」
と脈を打っていた。
今日の診察で僕の手術のだいたいの結果がわかる。
とても緊張していた。
母親と病室へ入ってからもぼくの心は彼女を探していた。
検査が始まってから結果が出るまで時間があったのであの小説の続きをかんがえることにした。
まるでマヤ文明の遺跡に突然一人で置き去りにされてしまったような、恐怖と緊張と少しの興奮を覚えながら。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
あの日から僕は一層強く彼女を愛した。
とても悲しそうに強く生きる彼女を。
僕のことを生きるための光だと言ってくれる彼女を。
たとえ彼女が詐欺師で僕が騙されていたとしてもいい。
そんな風に思える恋だった。
僕を置いてはこの世界からは飛び立たせない。
彼女が次の世界へ飛び立つ時が来るのなら僕も一緒に飛び経ってしまおう。
そんな風に毎晩考えていた。
でももしものことを考えて一応保険をかけておきたい自分もいた。
そんな自分が僕は嫌だった。
でも、もし彼女がいなくなってしまうのなら何にも手元に残らないのは嫌だった。
写真をとっておいても、彼女のあの笑顔をみてしまったら涙を流して立ち直れなくなってしまうだろう。
だからやめた。
それは彼女の似顔絵を描いていても動画をとっていても同じことが言える。
彼女をもし失った後、余計に辛くなるのは僕の方だ。
いろいろ考えてやっとある考えにたどり着いた。
なかなかの名案だと思った。
この方法なら誰にも気が付かれずに彼女への愛を語れる。
もし見つかったって誰も未練がすごいとか馬鹿にしてこない。
こんな時まで世間体をきにする自分が僕はより嫌いになった。
対して仲の良い人間もいないくせに。
でも僕にはこの方法しかないように感じた。
だから僕は部屋にあったギターを取り出してあの公園に向かった。
何年ぶりに弾くのだろう?
チューニングをしながらそんなことを考えた。
彼女の言葉はたびたび歌詞のように僕に響いてきた。
だから今度は僕が僕自身が僕自身の為に彼女への歌を作ってみることにした。
今考えると神様は僕にそうさせるために僕にこんな耳を与えたのかもしれない。
すぐ彼女の声を歌のように感じる。
とは言っても曲を作るのなんて初めてだ。
何から始めればいいのかわからない。
適当なメロディーを奏でながら、ゆっくりとでも確実に、僕の心の中に眠る言葉たちを呼び起こしていった。
『初めて会った時から
君はとってもまぶしかったね
青虫みたいに幼かった僕は
その笑顔を見るのが好きだった
運命のいたずらなのか
君との距離はだんだん近くなっていって
それと同時に君を失うのが怖くなっていって
気づいた時にはもう愛してた
言葉じゃ伝えられないほどに
だから僕は蝶になって
君に向かって羽ばたき続けるよ
君がどこへ行ったって
絶対に離れない
たとえ僕の羽がもげて消え去ってしまっても
追いかけてみせるよ
だって君が好きだから』
あまりにもストレートすぎる。
彼女への想いが溢れすぎている。
もし誰かに見つかったら未練があると馬鹿にされる。
全然名案ではなかったようだ。
でも僕に後悔はない。
だってこれが僕の全力の歌だ。
彼女へのありったけの想いを全て詰め込んだ。
彼女ならどんなメロディーをこの曲につけるのだろう…
それはきっとぼくの奏でたメロディーとは全く違う。
でも紛れもなく同じ歌なはずだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
突然窓の外が光って、僕は現実の世界に戻された。
僕の心臓は
「ドクッ。ドクッ。ドクッ。」
強い鼓動を打っていた。
土砂降りの中に光ったあの光は、
僕たちの明るい未来を示す、希望の光なのか、
それとも、僕たちをただ地獄へ突き落とそうとする恐怖の雷なのかは未だ判らないが、
ただ一つ事実として言えることは、その雷が僕の迷いをより深刻にさせたということと、
今僕の名前は再び看護師さんによって、呼ばれたということだ。
診察室に入ると僕の担当医である鈴木さんはニコニコト笑っていた。
そこからもなんとなく察しはついたが、鈴木さんの口から結果を聞くまでは少し不安だったので、緊張しながらイスに座った。
すると、間髪いれずに彼の口は開かれた
「よかったね。
結果はとても順調だよ。
次の検診も状態がよかったら、もう診察には来なくていいからね。」
僕は心から安心した。
そしてこの喜びをいち早くまやさんに伝えたかった。
でも僕は、どこに行ったら彼女に会えるかを知らない。
いつも彼女が突然とやって来るだけで、僕か会いに行ったり、二人待ち合わせをしたことは一度もないからだ。
今度あったら連絡先を聞こうと心に誓い僕は家に帰った。
途中雷の音につられて心臓がまた音をたてたが、
この音をどこかでまやさんも聞いていて同じように感じているのかなと思うと、今度は少し気持ちが良かった。
今まではとても嫌いな場所でしかなかった病院が僕とまやさんが出会ったこの思い出の場所と考えて訪れると、とても楽しみになっていた。
「あなたなににやにやしてるの?気持ち悪いわよ。」
車を運転している母の問いかけを
「うん」
と適当に受け流して僕は彼女のことを思ってにやにやを続けた。
今まで味気も色気もなかった僕の人生は嘘のように、今の僕の人生は幸せに満ち溢れていた。
生きているってこんなに素晴らしいんだ。
こんなに楽しいんだ。
こんなことを考えてしまう自分もなんだかくすぐったくって、僕のにやにやは加速していった。
病院に着いたのは午後3時過ぎで空に少しだけ雲がかかっていたが、そんなことは関係なしに僕の心は晴れ渡っていた。
今まで味気も色気もなかった僕の人生は嘘のように、今の僕の人生は幸せに満ち溢れていた。
生きているってこんなに素晴らしいんだ。
こんなに楽しいんだ。
こんなことを考えてしまう自分もなんだかくすぐったくって、僕のにやにやは加速していった。
病院に着いたのは午後3時過ぎで空に少しだけ雲がかかっていたが、そんなことは関係なしに僕の心は晴れ渡っていた。
病院の受付に診察券と保険証を提出してから親にトイレへ行ってくると言って、僕は彼女を探し回った。
まず最初に僕と彼女が初めて出会ったあの病室へ行った。
さすが人気の総合病院だそこにはもう違う人眠っていた。
次に真ん中に大きな木が立つ病院の中庭を探し回った。
でもやはり彼女はいなかった。
それからも時間も忘れて探し回っていると僕の名を呼ぶ声が聞こえた。
しかしそれはまやさんの声ではなくて、看護師さんの声だった。
「そういえば彼女はそもそも病気だっけ?」
そんな独り言を言いながら僕は診察室へと向かった。
まやさんと病院で出会ったというだけで決めつけて過ぎていたな。
そんなことを考えながら診察室のドアを入っていくと心臓が
「ドクッ。ドクッ。」
と脈を打っていた。
今日の診察で僕の手術のだいたいの結果がわかる。
とても緊張していた。
母親と病室へ入ってからもぼくの心は彼女を探していた。
検査が始まってから結果が出るまで時間があったのであの小説の続きをかんがえることにした。
まるでマヤ文明の遺跡に突然一人で置き去りにされてしまったような、恐怖と緊張と少しの興奮を覚えながら。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
あの日から僕は一層強く彼女を愛した。
とても悲しそうに強く生きる彼女を。
僕のことを生きるための光だと言ってくれる彼女を。
たとえ彼女が詐欺師で僕が騙されていたとしてもいい。
そんな風に思える恋だった。
僕を置いてはこの世界からは飛び立たせない。
彼女が次の世界へ飛び立つ時が来るのなら僕も一緒に飛び経ってしまおう。
そんな風に毎晩考えていた。
でももしものことを考えて一応保険をかけておきたい自分もいた。
そんな自分が僕は嫌だった。
でも、もし彼女がいなくなってしまうのなら何にも手元に残らないのは嫌だった。
写真をとっておいても、彼女のあの笑顔をみてしまったら涙を流して立ち直れなくなってしまうだろう。
だからやめた。
それは彼女の似顔絵を描いていても動画をとっていても同じことが言える。
彼女をもし失った後、余計に辛くなるのは僕の方だ。
いろいろ考えてやっとある考えにたどり着いた。
なかなかの名案だと思った。
この方法なら誰にも気が付かれずに彼女への愛を語れる。
もし見つかったって誰も未練がすごいとか馬鹿にしてこない。
こんな時まで世間体をきにする自分が僕はより嫌いになった。
対して仲の良い人間もいないくせに。
でも僕にはこの方法しかないように感じた。
だから僕は部屋にあったギターを取り出してあの公園に向かった。
何年ぶりに弾くのだろう?
チューニングをしながらそんなことを考えた。
彼女の言葉はたびたび歌詞のように僕に響いてきた。
だから今度は僕が僕自身が僕自身の為に彼女への歌を作ってみることにした。
今考えると神様は僕にそうさせるために僕にこんな耳を与えたのかもしれない。
すぐ彼女の声を歌のように感じる。
とは言っても曲を作るのなんて初めてだ。
何から始めればいいのかわからない。
適当なメロディーを奏でながら、ゆっくりとでも確実に、僕の心の中に眠る言葉たちを呼び起こしていった。
『初めて会った時から
君はとってもまぶしかったね
青虫みたいに幼かった僕は
その笑顔を見るのが好きだった
運命のいたずらなのか
君との距離はだんだん近くなっていって
それと同時に君を失うのが怖くなっていって
気づいた時にはもう愛してた
言葉じゃ伝えられないほどに
だから僕は蝶になって
君に向かって羽ばたき続けるよ
君がどこへ行ったって
絶対に離れない
たとえ僕の羽がもげて消え去ってしまっても
追いかけてみせるよ
だって君が好きだから』
あまりにもストレートすぎる。
彼女への想いが溢れすぎている。
もし誰かに見つかったら未練があると馬鹿にされる。
全然名案ではなかったようだ。
でも僕に後悔はない。
だってこれが僕の全力の歌だ。
彼女へのありったけの想いを全て詰め込んだ。
彼女ならどんなメロディーをこの曲につけるのだろう…
それはきっとぼくの奏でたメロディーとは全く違う。
でも紛れもなく同じ歌なはずだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
突然窓の外が光って、僕は現実の世界に戻された。
僕の心臓は
「ドクッ。ドクッ。ドクッ。」
強い鼓動を打っていた。
土砂降りの中に光ったあの光は、
僕たちの明るい未来を示す、希望の光なのか、
それとも、僕たちをただ地獄へ突き落とそうとする恐怖の雷なのかは未だ判らないが、
ただ一つ事実として言えることは、その雷が僕の迷いをより深刻にさせたということと、
今僕の名前は再び看護師さんによって、呼ばれたということだ。
診察室に入ると僕の担当医である鈴木さんはニコニコト笑っていた。
そこからもなんとなく察しはついたが、鈴木さんの口から結果を聞くまでは少し不安だったので、緊張しながらイスに座った。
すると、間髪いれずに彼の口は開かれた
「よかったね。
結果はとても順調だよ。
次の検診も状態がよかったら、もう診察には来なくていいからね。」
僕は心から安心した。
そしてこの喜びをいち早くまやさんに伝えたかった。
でも僕は、どこに行ったら彼女に会えるかを知らない。
いつも彼女が突然とやって来るだけで、僕か会いに行ったり、二人待ち合わせをしたことは一度もないからだ。
今度あったら連絡先を聞こうと心に誓い僕は家に帰った。
途中雷の音につられて心臓がまた音をたてたが、
この音をどこかでまやさんも聞いていて同じように感じているのかなと思うと、今度は少し気持ちが良かった。
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