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美晴 1
しおりを挟む春うららの昼休み。日直の私は職員室からクラス全員分のノートを運んでいた。40冊のノートなんて大した事はないと思っていたけど、意外と重い。本日の日直の片割れは体調不良にて早退してしまった。まだ寒暖の差があるからか保健室はなかなか混んでるらしい。
40冊のノートって、案外持つ機会って無いな~。葉桜を見てもやっぱりこの重さは和まないな~。
そんな風にぼんやり考えながら歩いていたら、開いた窓から思わぬ強い風が吹き込み、その拍子にノートを何冊か落としてしまった。
何と風でスカートが予想よりも捲れ上がったのだ。
普通に慌ててしまい、それでも片手で押さえてスカートは無事だったが、不安定になったノートは落ちてしまった。
あちゃー、やっちゃったー。……うん、ノート折れてない、良かった…
そうして一冊ずつ、付いてもいないホコリを何となく払いながら拾っていると、最後の一冊が誰かに拾われた。
わあラッキー! 今をトキメクサッカー部のエースじゃーん!
なーんて言っても同じ学年の隣のクラスだけど。
去年インターハイに初出場した我が校一番人気のサッカー部は、今やマネージャー(男子)すらも人気者だ。まあ同じ学年とはいえ、話した事はないけども。
「ありがとうございます」
そう片手を差し出して最後の一冊を受け取ろうとしたら、彼は私の抱えるノートたちにそれを重ねた。あれま。
そしてにっこりと、
「どういたしまして。水玉ピンクちゃん」
…………ぎゃああああっっ!!?
「そんな漫画みたいな事が!?」
そう言いながら大爆笑しているのは、私の放課後の憩いの美術部の面々である。先輩である三年生から、やっと緊張が解れてきた一年生まで。何なら顧問まで笑ってる。
「よりにもよってハーフパンツを履いてない日にスカートが捲れるとか!」
「神風!神風だ!」
「しかも『水玉ピンクちゃん』とか! センスひどい!」
「ちょっとソレ、どっちをディスってんの!? まさかの私!? 下着くらい好きな柄でも良いよね!?」
「先輩のドット好きが思わぬ事件になりましたね」
「ドット関係無いし!」
「いや~、笑った笑った! 今週はコレで過ごせるわ~。ありがと荒井。」
「じゃあ笑いを提供したので美術の点数オマケよろしくお願いします」
「不可!」
「身を削ったのに!」
「いやいや私が男性教師ならセクハラだからね。女子しかいなくて良かったね~」
「はいはい。じゃあそろそろ部活始めるよ~!」
部長が締めると皆がそれぞれに動き出す。
美術の点数については冗談なので、さくさくと自分の水彩画の準備をする。
特に何に出品するわけでもなく、好きな事をさせてもらえるのがいい。
友達は漫画を描くし、先輩は油絵や、彫刻をする。一年生は七宝焼きが面白いらしい。上手くいくと綺麗だよね!
そうして今日も終了時間まで過ごした。
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