【完全版製作記念連載再開】金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師

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ハーレム編

64話  Luxury party night in house of the Yarichin hero

 そしてその日の夜。

「「うっっっっっっっっっしゃらあああああああああああああいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」」

 ナイトプールと化したユーリ宅の中庭では、ド派手でラグジュアリーなパーリーナイトが開かれていた。
 夜のプールサイドにはネオンの光がほとばしり、水面に七色の揺らめきを生んでいる。その幻想的な光景はまるで、楽園の一夜限りのショーのように眩しく揺れていた。


「プールだああああ! 久々過ぎてテンション上がりますぅ~~~!」

 エンリエッタは長い金髪のツインテールを跳ねさせながら、歓声とともに勢いよくプールへと飛び込む。しなやかな身体に絡みついた水滴が、肌のラインを大胆に際立たせ、ナイトライトの光を反射して妖しく輝いた。


「あたしも救助活動とかモンスター退治以外で水に浸かるの何年振りだろっ! あ~、命の危険も食料の心配もしないで浸かる水! 気持ちいいわぁ~!!」

 それを追ってファイフも笑い声とともに水へ飛び込んだ。褐色の肌は水面から浮かび上がる度に美しい弧を描き、健康的な身体が水と光に煌めいていた。


「若い子たちは元気があっていいなぁ。ねえねえ坊ちゃん、私と向こうのバレルサウナに行って、絶対にバレちゃいけないことしません? 若い子たちにはできないこと、いっぱいしてあげるよ♡」

そう言って水面から上がって来たのはブレイダだ。濡れた肌は星明かりで艶やかに光り、豊かな胸元は揺れる湯滴をまとって誘惑するように形を見せつけてくる。片手で髪をかき上げながら微笑むその仕草に、水音さえ甘く溶けるようだった。

「めっちゃ整いそうだね、それ! でもほら、僕ってドメインフリーのイケメンだからさ、誰か一人に独占させるわけにはいかないんだよね~。共有財産だと思って楽しんで」

プールサイドのチェアは、このパーティの王座だった。そこにひとり、唯一の男であるユーリが座っていた。白いシャツの袖をラフにまくり、緩く組んだ足の間にはカクテルグラス。氷の音を聞きながら、プールの喧騒を斜めに眺めるその表情には、完全に「見られていること」を知覚している余裕があった。

「……あ、コラ。誰ですか? プールの写真をパブスタにアップしたの。すぐ消してください」

 ユーリの横で寝そべるセイラが、眉をすっと寄せながらケータイを手にそう言った。彼女はユーリの身体にぴったりと抱き着いており、濡れた髪が頬に張り付く。
その身体を包むのはピンク色の大胆な水着だ。肌に密着した薄布が滑らかなシルエットを惜しげもなく際立たせ、濡れた谷間がきらりと光る。
 セイラの声に反応したエンリエッタは、悪びれる様子もなく声を返した。

「わたしでーす! でも大丈夫です! それアカウント共有の鍵アカなんで! ここにいる人しか見れない設定になってまぁ~す!」

 その直後、プールを背に入れ違いグッジョブをしているファイフとエンリエッタの画像がアップされる。他にもまあまあ込み入った動画や画像がハイライトに並んでいるのを見て、セイラはこめかみをぐりぐりと揉んだ。

「……もう、ほどほどにしてくださいね」

 咎めるように言ってから、セイラはケータイを持ったまま手を伸ばし、自分の顔とユーリが映るアングルを調整すると、


「では勇者様。聖女と勇者様のラブラブ映え映えツーショットもアップしておきましょう」
「セイラさんって、二秒くらい前の記憶失うことあるよね? 
でも、いいねぇ~。やっぱめっちゃ可愛いよセイラさん! 加工フィルター使って撮った写真よりも、実物のほうが全然メロいもん」
「え、ええぇ~~♡ それはほめ過ぎですよぉ♡」
「いやマジマジ。だからちょっとこう、カメラのアングルを下にしてさ……そうそう、谷間も映るように撮ろうよ」
「もおおぉぉぉぉ~~~~♡ ……特別ですよ♡」

 と、破戒聖女とヤリチン勇者がいちゃついていると、炭火の良い匂いが漂ってきた。


「わ♡ いいなぁ~、ラブラブ映え映ええちえち! ねえ勇者、この肉焼き終わったら、カリナとも撮ってよ! にひひぃ。可愛い元殺し屋の一番可愛いところと、ツーショット撮らしてやんよ♡」


「皆さん、お料理が焼き上がりましたので、存分に味わってくださいまし。……まあ、多少冷めても美味しいので、先に勇者様を味わっても良いのですが♡」

 プールサイドに設置した簡易キッチンでは、ハンナとカリナがテーブルいっぱいに広がった高級肉や海鮮を焼いている。
 開いたホタテやこんがりと焼かれたロブスター、そしてサシの入ったステーキが、夜気の中でふわりと香りを放ち、二人の周囲だけ、焚火のような温もりを帯びていた。

「わーい! ありがとう、カリちゃむ、ハンナさん! じゃあ味わわれる前に体力つけとこ~っと!」

 ユーリの声を皮切りに、一同はキッチンスペースへと群がって行った。
 煌びやかなナイトプールを背に、高級食材に舌鼓を打ち、高級酒を堪能する男女八人の図である。

「…………」
 
その様子を見ながら、マホは半分出かかった笑いを唇の端で抑えながら、やがて小さく息をつき、ぽつりと呟いた。


「まあなんつーか……案の定だけどさ。ほんっとに品がねえよな、お前がやるこういうのって」
「あっはっは~! 下品も品の内だよ! それに、いままで頑張って来たんだから、これくらいハメ外さないとね~!」
「……ったく。昼頃までのしおらしさはどこ行ったんだか」
「僕は切り替えられるタイプのイケメンなので!」

 そう言って、キロ単価10万の肉を食らい、1本100万越えのシャンパンをガバガバと飲みながら、美女たちの肩を抱くユーリ。『よく分からない業種で儲けている薄着の金持ち』と『それに群がるいただき女子たち』を彷彿とさせる姿だった。
 本当に、先ほどまでのしおらしさはどこに行ったのかと呆れるマホだったが、

(まあ、こいつなり『そうしよう』としてんだろうな)

 そう。
 ユーリは良くも悪くも真面目な性格なのだ。
 勇者をすると決めたその日から、人々の笑顔を守るため、血反吐を吐きながら愚直に研鑽を重ねてきた彼だ。
 そんな彼が、いまは女の子七人を擁し、ハーレムを作ることに決めた。
 一度決めた以上、その道に向けて突き進むのがユーリなのである。
 その非常識な環境に順応するため、非常識な振る舞いをしている──ハーレムの主として相応しくあるため、色々と模索をしている最中なのだろう。

 ……ともあれ。

「あ~……楽しっ。マジで金持ちになって良かったぁ~」

 ふかふかのデッキチェアに座り、右手に骨付き肉、左手に高級ワイン、そして両脇に酔眼となったセイラとブレイダを挟みながら、ユーリはそんなことをのたまっている。
 この世のすべての下品な金持ちを煮詰めたようなその姿に、マホはこめかみをトントンと叩いてから、

「……なんつーか、こう……志を持った後と、志を持つ前の行動がさ、あんまり変わってねえんだよな、お前の場合。根がヤリチン過ぎて、成長の足跡が追いづれぇんだよな」
「なにしてんの、マホちゃん? お肉冷めちゃうよー!」
「……はいよ」

 マホは禅問答じみた思考を閉じると、世にも珍しいタイプの主人公の元へと向かって行った。





※※以下筆者後書き※※


 ……分かる。
 分かるでぇ。若いの。
 お前さんの言いたいことは、よぉ分かる。
 俺も昔はヤンチャしてたクチでのぉ。
 お前さんくらいの年の頃には、そう思ってたもんやで。

「アニメ第二期の一話目から水着回とか日和ってる」とか「映画の冒頭のお色気シーンいる? ファンサってそういうこと?」とか、そんなことをガーガー喚き散らかしたもんや。

 でものぉ、若いの。
 察しってくれんかのぉ、若いの。
 新しい何かを始めるっちゅーことは、怖いことなんや。

 あの半沢直樹ですら、初回は上戸彩の胸チラと壇蜜様の足に頼っとった。
 ONE PIECEのアニメ第一話も、プロデューサーの英断でナミを先出しするっちゅう演出に切り替えた。

 怖いときとか不安なときっちゅうのは、お色気に頼るのが世の常なんや。
 水着とおっぱいに頼って何が悪いっちゅうんじゃい!?

 ……おお、そうかぁ。
 納得できへんか。

 まあ、せやろなあ。
 このサイトでR18版を投稿しとったら、知らん間にファンタジー部門4位とかにランクインしよって、そのせいで運営に目ぇつけられて、削除をブチ食らった俺が。
 そのドン底から死に物狂いで這いあがった俺が。
 かつては嶋野のエロい狂犬と恐れられていたこの俺が。

 こんな日和ってしもうたら、納得できへんよなぁ。
 そうかぁ。
 せやったら分からせたるわ。

 俺の牙がまだ抜けてないっちゅうことを。
 保身なんざクソ喰らえやと思ってるっちゅうことをよ。

 ええか、よぉ見とけ。
 これから書くことを見ても、俺が日和ってるなんて言えるかのぉッ!?



 ※こちらの作品に登場する人物・団体・設定は、すべて架空のものです。
 また、登場人物はいずれも 18歳以上であることを前提 に描写されています。
 読者の皆さまが安心して楽しめるよう、表現には十分配慮しております。


 
 はい、改めましてご無沙汰しております。夕凪五月雨影法師です。
 諸事情がありまして、連載を再開することにいたしました!
 詳しいことは近況ボードに書いてあるのですが、拙作の完全版を製作をすることになったので、その記念という形で連載を再開させていただいた次第です。
 
 こちらのサイトでは、規約やプライバシーポリシーを絶対遵守し、公序良俗の範疇と性表現には十分な配慮を行い、いままで通りの健全なえちえちをお届けしてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 アルファポリスさん。
 いえ、アルファポリス様。
 削除だけは。どうか削除だけは……!!

 色々ふざけてしまいましたが、またこのプラットフォームで、お世話になった皆様と触れ合う機会が作れたことを、本当に嬉しく思っております。完結後もちょいちょい読んでくれてる人がいて、本当に嬉しい…!

 今後とも、夕凪五月雨影法師をよろしくお願いいたします!!
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