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帰郷編
71話 #お兄ちゃんとデートなうに使っていいけどBANされるよ
が、そんな心配は無用になるほど、その後のデートは普通に楽しかった。
いや、めちゃくちゃ楽しかった。
■■■
最初の目的地はバッティングセンター。
「うっわ! お兄ちゃんすごーい!」
エマリーの歓声が響く中、120kmのストレートを、ユーリは立て続けにホームランボードへ叩き込み、景品のぬいぐるみを片手にドヤ顔を決めた。
「お人形、欲しかったやつ。お兄ちゃん、ありがとう」
「いいよぉ~。ありがとうが言えて偉いねえ」
「ホームラン出てるところ見るのも初めてなのに、それを三回連続って……凄いですよ、兄さん!」
むふふ、と鼻を鳴らしてユーリは自慢げに胸を張る。
「こういうのはね、バッティングっていうより的当てゲーに近いの。ファイフさんが得意で、コツ教えてもらったんだ」
「へえ。ファイフさん、格闘技以外も得意なんですね」
「エマもやるー! お兄ちゃん教えて!」
その後、ユーリの指導でしばらくバッティングを楽しんだ後、一同はボーリングに向かった。
「ねえお兄ちゃん! ボーリング勝負しよっ!」
「お、いいよ。罰ゲーム何にする?」
「負けた方が勝った方の言うことなんでも聞くの!」
「お~イカついねぇ。いいよ、やるよ。エマちゃんvs僕でいいの?」
「ううん! スーエマシェスカvsお兄ちゃん!」
「さ、3対1? まあ、いいよ」
ユーリは立て続けに二本ストライクを出した。
「……つよつよ」
「ねーハンデちょうだい! お兄ちゃん左手で投げて!」
「むふふぅ。いいよぉ」
左手でもストライクを出すユーリ。
「さすが遊び慣れてますね……!」
「ん~~~~ッ!! お兄ちゃん目隠して投げて!」
「め、目隠し!? それもう競技違っ…まあ、いいよ……」
流石に自信なさそうに投げるユーリだったが、それでもストライク。
「もおおおぉぉ! お兄ちゃんボール投げないで!」
「それだとボーリングじゃなくなっちゃうよ!」
結果はユーリの圧勝。悔しそうにするエマリーだったが、ユーリはその頭に手を置いて、
「罰ゲームなんかなくても、お兄ちゃんはいつでもみんなの言うこと聞いてあげるよ」
「ほんと!? じゃあエマ、アイス食べたい!」
「スーも。チョコとバニラ両方のやつ」
「私もアイス……を、食べてる兄さんを写真で撮りたいです」
「あはは。はいはい。じゃあ売店……え、なに? 写真? ま、まあ、いいけど」
その後も一同はラウンドGOの中を遊び回っていった。
「わ~い! 記念撮影なんかして貰えるんだ!」
「うん。デイライトストライクゲームでストライク撮ると、記念に取って貰えるんだよ。みんなで写真撮れるの嬉しいなぁ」
「エマお兄ちゃんの隣!」
「スーも」
「……」
ちょっと遠慮気味のシェスカに、ユーリはニコッと笑う。
「……じゃ、シェスカちゃんは僕の前……と、見せかけて肩車!」
「ふぇッ! ちょ、や、やめてくださいよ! 恥ずかしいですよ!」
「今だけ今だけ。ほら、もう写真撮るよ」
「い、嫌です! いや、らぁッ……あァ、当たって……あッ♡だ、ダメ…らめぇ…えェ♡」
パシャ。
「よく撮れてるー!」
「……いや、でもなんで、シェスカちゃん顔隠してるの?」
「……人に見せられる顔してなかったと思うので」
■■■
UFOキャッチャーのコーナーにて。
「ねーお兄ちゃん! イエローロックのぬいぐるみ取って!」
「スーが先! 向こうのでかかわ取って欲しい!」
「はいはい、順番でね。喧嘩しないの」
その横でシェスカがケータイを耳に当てる。
「……もしもし、ママ? うん、兄さん、UFOキャッチャーでね、もう15万くらい使ってるの。うん……うん……分かった。すぐやめさせ…え、なに? に、人間を? 辞めさせてって……ママ、何言ってるの?」
■■■
「エスケープアクションゲーム? これ僕知らないや。どういうルールなの?」
「画面に映し出される壁の穴と同じポーズを取って、こっちに向かってくる壁からすり抜けるんです」
「ああ、分かりやすく言うと、アレ、ジェラドーンのやってたやつの逆パターン的な?」
「それあんまり分かりやすくないかもです」
「あ、ほらくるよ!」
ウィーン…
「……おお。あはは、こんなんでいいのか……って、あれ? スーちゃんは?」
「か、壁に思いっきり当たって、連れ去られていきました」
「スーちゃんんんんんんんッ!」
■■■
「おー、マジックドローンレース、またスーちゃんの勝ちだ!」
「むふー。スーこういうの得意」
「スーはねえ、打倒エリちゃん目指してゲーム頑張ってるんだよね!」
「えー、はは。こういうの強いよ、エリちゃんは」
「スー、もう一回やる」
「いいよー! ……で、シェスカちゃんはさっきから何やってるのかな? ケータイつけたドローンを、僕の周りでずっと飛ばしてさ……」
「気にしないでください。私こういうの得意なので」
「どのジャンルのなにが得意ってことなの!?」
■■■
楽しいデートだった。
スールとエマリーは元より、シェスカもおかしな感情を忘るれるくらい──写真は撮りまくったが──その場を楽しむことができたのだった。
楽しいデートだった。
楽しいデートのはずだった。
……が、
(ん……んん?)
後半になって違和感を覚えたのは、ユーリの方だった。
いや、めちゃくちゃ楽しかった。
■■■
最初の目的地はバッティングセンター。
「うっわ! お兄ちゃんすごーい!」
エマリーの歓声が響く中、120kmのストレートを、ユーリは立て続けにホームランボードへ叩き込み、景品のぬいぐるみを片手にドヤ顔を決めた。
「お人形、欲しかったやつ。お兄ちゃん、ありがとう」
「いいよぉ~。ありがとうが言えて偉いねえ」
「ホームラン出てるところ見るのも初めてなのに、それを三回連続って……凄いですよ、兄さん!」
むふふ、と鼻を鳴らしてユーリは自慢げに胸を張る。
「こういうのはね、バッティングっていうより的当てゲーに近いの。ファイフさんが得意で、コツ教えてもらったんだ」
「へえ。ファイフさん、格闘技以外も得意なんですね」
「エマもやるー! お兄ちゃん教えて!」
その後、ユーリの指導でしばらくバッティングを楽しんだ後、一同はボーリングに向かった。
「ねえお兄ちゃん! ボーリング勝負しよっ!」
「お、いいよ。罰ゲーム何にする?」
「負けた方が勝った方の言うことなんでも聞くの!」
「お~イカついねぇ。いいよ、やるよ。エマちゃんvs僕でいいの?」
「ううん! スーエマシェスカvsお兄ちゃん!」
「さ、3対1? まあ、いいよ」
ユーリは立て続けに二本ストライクを出した。
「……つよつよ」
「ねーハンデちょうだい! お兄ちゃん左手で投げて!」
「むふふぅ。いいよぉ」
左手でもストライクを出すユーリ。
「さすが遊び慣れてますね……!」
「ん~~~~ッ!! お兄ちゃん目隠して投げて!」
「め、目隠し!? それもう競技違っ…まあ、いいよ……」
流石に自信なさそうに投げるユーリだったが、それでもストライク。
「もおおおぉぉ! お兄ちゃんボール投げないで!」
「それだとボーリングじゃなくなっちゃうよ!」
結果はユーリの圧勝。悔しそうにするエマリーだったが、ユーリはその頭に手を置いて、
「罰ゲームなんかなくても、お兄ちゃんはいつでもみんなの言うこと聞いてあげるよ」
「ほんと!? じゃあエマ、アイス食べたい!」
「スーも。チョコとバニラ両方のやつ」
「私もアイス……を、食べてる兄さんを写真で撮りたいです」
「あはは。はいはい。じゃあ売店……え、なに? 写真? ま、まあ、いいけど」
その後も一同はラウンドGOの中を遊び回っていった。
「わ~い! 記念撮影なんかして貰えるんだ!」
「うん。デイライトストライクゲームでストライク撮ると、記念に取って貰えるんだよ。みんなで写真撮れるの嬉しいなぁ」
「エマお兄ちゃんの隣!」
「スーも」
「……」
ちょっと遠慮気味のシェスカに、ユーリはニコッと笑う。
「……じゃ、シェスカちゃんは僕の前……と、見せかけて肩車!」
「ふぇッ! ちょ、や、やめてくださいよ! 恥ずかしいですよ!」
「今だけ今だけ。ほら、もう写真撮るよ」
「い、嫌です! いや、らぁッ……あァ、当たって……あッ♡だ、ダメ…らめぇ…えェ♡」
パシャ。
「よく撮れてるー!」
「……いや、でもなんで、シェスカちゃん顔隠してるの?」
「……人に見せられる顔してなかったと思うので」
■■■
UFOキャッチャーのコーナーにて。
「ねーお兄ちゃん! イエローロックのぬいぐるみ取って!」
「スーが先! 向こうのでかかわ取って欲しい!」
「はいはい、順番でね。喧嘩しないの」
その横でシェスカがケータイを耳に当てる。
「……もしもし、ママ? うん、兄さん、UFOキャッチャーでね、もう15万くらい使ってるの。うん……うん……分かった。すぐやめさせ…え、なに? に、人間を? 辞めさせてって……ママ、何言ってるの?」
■■■
「エスケープアクションゲーム? これ僕知らないや。どういうルールなの?」
「画面に映し出される壁の穴と同じポーズを取って、こっちに向かってくる壁からすり抜けるんです」
「ああ、分かりやすく言うと、アレ、ジェラドーンのやってたやつの逆パターン的な?」
「それあんまり分かりやすくないかもです」
「あ、ほらくるよ!」
ウィーン…
「……おお。あはは、こんなんでいいのか……って、あれ? スーちゃんは?」
「か、壁に思いっきり当たって、連れ去られていきました」
「スーちゃんんんんんんんッ!」
■■■
「おー、マジックドローンレース、またスーちゃんの勝ちだ!」
「むふー。スーこういうの得意」
「スーはねえ、打倒エリちゃん目指してゲーム頑張ってるんだよね!」
「えー、はは。こういうの強いよ、エリちゃんは」
「スー、もう一回やる」
「いいよー! ……で、シェスカちゃんはさっきから何やってるのかな? ケータイつけたドローンを、僕の周りでずっと飛ばしてさ……」
「気にしないでください。私こういうの得意なので」
「どのジャンルのなにが得意ってことなの!?」
■■■
楽しいデートだった。
スールとエマリーは元より、シェスカもおかしな感情を忘るれるくらい──写真は撮りまくったが──その場を楽しむことができたのだった。
楽しいデートだった。
楽しいデートのはずだった。
……が、
(ん……んん?)
後半になって違和感を覚えたのは、ユーリの方だった。
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