【完全版製作記念連載再開】金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師

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ざまぁされたらやり返す編

30話 大暴走VS大暴れ イラストあり

 ユーリ・ザッカ―フィールド。
 言わずと知れた国内最強の勇者である。
 そして彼が率いる勇者パーティ『アンペルマン』も、国内最強と呼ばれている。
 ユーリの実力が突出しているから、ではなく、純粋なパーティとしての戦力で、そう呼ばれているのだ。

 その話を初めて聞いた者たちは、そこでひとつの疑問を覚える。
 なぜそうであるのか、と。
 三十人以上のメンバーを有している勇者パーティなどザラにあるし、ひとつのパーティに二人以上の勇者を擁しているところもある。

 そんな群雄割拠の中、たった六人の勇者パーティが、最強の座に座り続けているのだ。
 なぜそうであるのか。
 その答えは、極めてシンプルなものだった。





「なん、だよ……! なんなんだよ、これ……!?」

 エレブマウンテン山頂。
 迫りくるモンスターの群れを往なしつつ、ヘルデンは震える声でそう呟いた。
 モンスターの脅威にではない。
 望遠魔法で見える、麓の様子に、である。

「え~と、炎魔法【フレイムリーパー】、氷魔法【アイシングプリズン】、風魔法【リッパーツイスター】、土魔法【レイジングアース】。あともういっちょ隕石魔法【メテオバンデッド】」
「ちょ、ちょっとマホちゃん、魔法乱発し過ぎじゃないですか!? しかも全部Sランク!さすがにオーバーキル過ぎますて!」
「え~、だってあいつら、絶対ぇ風呂キャン界隈だろ? あんま近づけたくねえんだよ」
「お風呂入ってる界隈のモンスターなんて聞いたことないんですよ! これ以上地形変えるのやめてください! 直すの大変なんですから!!」

 早い段階で結界魔法を展開できたのもあって、周囲にいるモンスターへの対応は、どうにか間に合いつつあった。あとはもう少し数を削れば、隙を見てこの場から逃げ出すことができるだろう。
 ゆえに、それは大きな問題ではない。
 問題なのは……。

「んと、ん~とぉ……あ、思い出した! チェインオブアーツ・【メタル……】。メタルゥ……あれ、なんだっけ?」
神哭至源流かんなぎしげんりゅう、脚・四の型【産土葎うぶすなのむぐら】」

 ゴバアアアァァァァァァァッ!!

「わあ! すごいねファイフさ~ん。いっきに100匹くらいやっつけちゃったぁ~」
「あっはっはぁ! ブレイダさんは相変わらず、技の名前適当だね! ……まあその適当なヤツで、100匹くらいぶった斬られてるけど」
「え~、これでも前よりだいぶマシになったんだよ! ちょっと前までさっきのやつとか、【ハッシュタグ】だったし」

 十万の軍勢は、カムロン平原を九割がた埋め尽くしていた。
 あと十数分……いや、数分もすれば、敵兵ごとナーセの街を呑み込める場所まで侵攻していた。
 ──そう。

 侵攻して、のだ。
 ユーリたちが来る前までは、確かにそうだった。
 そのはずが……!

「いやでもボク、地形変えるのとか気にしねえ界隈だからさ。あ、ほら、増幅魔法切れかかってんぞ。とっとと掛け直してくれや」
「もおおぉぉ! 絶対戻すの手伝ってくださいよね! 増幅魔法【ドープネス】、加速魔法【フリングブリング】!!」

「おっほぉ♡ キマるぜぇ~! 並のバフより百倍キマるぅッ!!」

「あ、じゃあさぁ、ファイフさんさぁ、一緒に技の名前考えてよ。こないだ新しくできた、あのほら、シャンディ通りのケーキ屋さん連れてってあげるから」


「おお、あのシフォンケーキ美味しいとこの二号店でしょ! パブスタで見たから知ってる~! いいね~。ケーキ食べながら考えよ、敵をぶっ殺す技の名前♡」

 マホとエンリエッタの魔法で、モンスターは焼き払われ、氷漬けにされ、生き埋めにされ、風に呑まれ、ゴリゴリとその総量を削られ続けていく。
 その暴威から逃れたモンスターも、ファイフによって粉々にされ、あるいはブレイダに切り刻まれていった。

 視界を埋め尽くしていたモンスターたちは、蟻が象に踏みつぶされるがごとく蹴散らされ、その侵攻は草原の半ばあたりまで押し戻されたのだった。
 というか、

「……冗談じゃねえぞ。一国を滅ぼす、どころじゃねえよ」

 苦虫を噛み潰したようにヘルデンが言う。
 ユーリたちがその気になれば、一晩で一国が亡ぶ。
 吟遊詩人の有名な謳い文句である。
 が、それは嘘である、と。
 この惨状を見た者なら、はっきりとそう言い切ることができるだろう。
 彼らは……。

「あんな連中が野放しになったにら、世界終わんだろ……!」





 勇者パーティ『アンペルマン』。
 そのパーティメンバーは、ひとりで千人分の働きをする。
 それが、最強で在り続けている理由である。

 リーダーであるユーリの個体戦力は、その十倍とも二十倍とも言われている。
 吟遊詩人の詩に然り、彼らがその気になれば、間違いなく国の一つや二つは滅びる。
 ヘルデンの言に然り、世界をも脅かす暴威にもなりえるだろう。
 そんな強大な『軍事力』をまとめ上げる、勇者ユーリはというと……。

「──うわうわ! ヒィロさん、めっっっちゃ可愛い! すっげーいいよ、こんな写真映えするんだね! 目線ちょうだい目線! あ~もうヤバい! 撮影まで待てないかも知んない!」

 AV女優を褒めちぎるかのようなテンションで、ケータイでヒィロを撮影していた。
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