49 / 78
ざまぁされたらやり返す編
46話 後日談(後) イラストあり
ファイフがそんなことを思っていると、サイコパス勇者は片づけ作業に戻りつつ口を開いた。
「それにこっちだって、セイリーヌさんの罪をチャラにしちゃったわけじゃない?
自分たちだけそういうことやって、他には厳しくし過ぎるっていうのも……ね?」
そう。
セイリーヌが行ったことに関して、ユーリたちは誰にもなんの報告もしていない。
セイリーヌはガイムと繋がっていた事実などなく、もちろんスパイ活動のようなこともしていない。
そういった姿勢を貫き通すことを決めたのだった。
「……その件に関して一番抗議していたのは、当の本人でしたけどね」
微苦笑しながらセイラが言う。あのときのことを思い出すと、さすがに心が締め付けられるのだ。
周囲を欺き続けるというその行いを、誰よりも許せなかったのは、セイリーヌ自身だった。
それをすべてなかったことにするという決定を言い渡したとき、彼女は見ていて可哀そうになるくらい取り乱していた。
罪をうやむやにするのだけはやめて欲しい。そうしないと自分で自分を許せない……と、泣かれたし喚かれたし切れられたのだった。
「まあでも、スパイをちゃんと裁くってなると、スパイ罪とか、下手しぃ外患誘致とか、かなり重めの罪になっちゃうからさあ。
あの子こそガイムさんに利用されてただけだし、せっかくご家族とも一緒に暮らせることになったわけだから、さすがにそんな重罪をおっかぶせるわけにはいかないよね」
それに彼女は、大いに苦しみながらスパイ活動をしていた。
それがそのまま贖罪になると思うし、今後も『レスティンピース』を支えるという責務をこなしてもらわなければ困る。
そういった説得を根気強く続けたところ、どうにか納得して貰えたのだった。
「でも心配だなあ。セイリーヌさん真面目だから、どっかで変な気起こさないといいけど」
「その辺はヒィロさんやシークエンスさんがうまいことフォローするでしょ。
……もう、僕らが感知することじゃないよ」
最後にブレイダからワインを一口貰ってから、ユーリは執務室を見回す。
ユーリたちの私物がすっかり片付き、とても広く見える。
長年苦楽を共にしてきた、ユーリたちの職場を。
「……セイリーヌさんのことも、『アンペルマン』のことも、もうヒィロさんたちに託したんだからさ」
「そうですね」
哀愁漂うその声に、間髪入れずに答えると、セイラがユーリの前までやってくる。
そしていつものように、慈愛に満ちた笑顔を浮かべると、シンプルな言葉を口にした。
「私たちは、私たちの道を行きましょう」
「……そうだね」
ユーリは勇者の肩書を失った。
勇者クラン『アンペルマン』からも去ることになった。
が、ただそれだけのことなのだ。
勇者を辞めたからと言って、人生が終わるわけではない。
セイラたちとの関係もなにひとつ変わらない。
ユーリの冒険は、これからなのだ。
この短い問答で、セイラはそれを思い出させてくれたのだった。
聖女の温かな気遣いを感じ取っていると、マホが首をコキコキ鳴らしながら告げた。
「……さて、やることやったら、とっとと帰るぞ。ボクたちを大っ嫌いな幹部連中に見つかったら、また面倒なことになるからなぁ~」
「もお、マホちゃん! 勇者様とセイラさんがエモやってるんですから、水差さないで下さいよ!」
そう言いつつ、どさくさに紛れてカタログギフトに手を伸ばすエンリエッタにチョップしてから、マホはユーリに向けて告げる。
「別に水差してるわけじゃねえよ。本当にこのままでいいのかって話。
どうすんだよ、勇者。このまま帰っちまったら、二度と挽回するチャンスねえぞ?」
そう。
ユーリたちは、依然として幹部の面々に嫌われたままなのだ。
大暴走を止めるという大活躍はしたものの、表向きにはヒィロの手柄ということになっているし、引退式のときの傲慢な態度が払拭できたわけでもない。
ゆえに、ユーリに対するマイナスイメージもそのままなのだ。
ヒィロが頼もしくなったいま、もう悪役を演じる必要はないかもしれない。
……しかし。
「……いいんだよ。そうすることでうまいこと組織が回ってるんだから、このままでいい」
前任が嫌われていた方が、後任は組織運営をしやすくなる。
今更ユーリが出しゃばったとて、良いことなどひとつもないのだ。
そんな思いを汲んだのか、マホは木箱をカートに乗せながら、
「あ、そ。ボクは別にどっちでもいいんだけどな。あとで『やっぱこのままじゃやだやだ!』っつって、誰かさんがギャン泣きしなけりゃよ」
「心配してくれてありがとう。でも本当に平気だよ。
……あ、でもどうしようかな。セフ友だった幹部の子たちだけは、誤解解いときたいかも。関係きれちゃうから」
「だってよ。どうする、セイラ?」
「そちらの関係を切った上で、勇者様のもちょん切るのがよろしいかと」
「誤解だよセイラさん。セフ友ってあれだよ? セーフティ友達の略だよ? 一緒にセーフティな日を楽しむだけで、いかがわしいことなんてなにひとつしてないんだよ?」
「いかがわしいこと無くして安全日という言葉は誕生しなかったと思うのですが」
と、結局は冗談──セイラは割と目がマジだったが──を交わしつつ、一同は木箱をカートに乗せ、後片付けを完全に終えた。
……終えてしまった。
「……じゃ、行こうか」
「そうですね」
セイラとそんな会話を交わしつつ、ユーリは執務室のドアを開ける。
──すると、
「……え?」
そこには、『アンペルマン』の幹部全員が、勢揃いしていたのだった。
「えっと……えっーと、え、なに、なに? なにこれ、どういうこと?」
と、セイラやマホの顔を見ながらと訊ねるが、彼女らもユーリと同じように驚きながら首を振っているのみだ。
その反応を確認してから、ユーリは引き攣った顔を正面に戻し、
「えと……どうしたのかな、みんな……? なんか、怖い顔してるけど、ひょっとして、お礼参り、的な……?
は、はは、は! や、やめよう? やめようよそんなの! いまどき流行んないよ! だ、だからお願い! ちょん切るのだけは! ちょん切るのだけは勘弁して……!」
と、ユーリが情けないことを言いながら後ずさると、一同は大きく息を吸い込み、
「「「「「「「長きに渡るご尽力、本当にご苦労様でございました!!!!」」」」」」
──全員が一斉に、頭を下げたのだった。
「それにこっちだって、セイリーヌさんの罪をチャラにしちゃったわけじゃない?
自分たちだけそういうことやって、他には厳しくし過ぎるっていうのも……ね?」
そう。
セイリーヌが行ったことに関して、ユーリたちは誰にもなんの報告もしていない。
セイリーヌはガイムと繋がっていた事実などなく、もちろんスパイ活動のようなこともしていない。
そういった姿勢を貫き通すことを決めたのだった。
「……その件に関して一番抗議していたのは、当の本人でしたけどね」
微苦笑しながらセイラが言う。あのときのことを思い出すと、さすがに心が締め付けられるのだ。
周囲を欺き続けるというその行いを、誰よりも許せなかったのは、セイリーヌ自身だった。
それをすべてなかったことにするという決定を言い渡したとき、彼女は見ていて可哀そうになるくらい取り乱していた。
罪をうやむやにするのだけはやめて欲しい。そうしないと自分で自分を許せない……と、泣かれたし喚かれたし切れられたのだった。
「まあでも、スパイをちゃんと裁くってなると、スパイ罪とか、下手しぃ外患誘致とか、かなり重めの罪になっちゃうからさあ。
あの子こそガイムさんに利用されてただけだし、せっかくご家族とも一緒に暮らせることになったわけだから、さすがにそんな重罪をおっかぶせるわけにはいかないよね」
それに彼女は、大いに苦しみながらスパイ活動をしていた。
それがそのまま贖罪になると思うし、今後も『レスティンピース』を支えるという責務をこなしてもらわなければ困る。
そういった説得を根気強く続けたところ、どうにか納得して貰えたのだった。
「でも心配だなあ。セイリーヌさん真面目だから、どっかで変な気起こさないといいけど」
「その辺はヒィロさんやシークエンスさんがうまいことフォローするでしょ。
……もう、僕らが感知することじゃないよ」
最後にブレイダからワインを一口貰ってから、ユーリは執務室を見回す。
ユーリたちの私物がすっかり片付き、とても広く見える。
長年苦楽を共にしてきた、ユーリたちの職場を。
「……セイリーヌさんのことも、『アンペルマン』のことも、もうヒィロさんたちに託したんだからさ」
「そうですね」
哀愁漂うその声に、間髪入れずに答えると、セイラがユーリの前までやってくる。
そしていつものように、慈愛に満ちた笑顔を浮かべると、シンプルな言葉を口にした。
「私たちは、私たちの道を行きましょう」
「……そうだね」
ユーリは勇者の肩書を失った。
勇者クラン『アンペルマン』からも去ることになった。
が、ただそれだけのことなのだ。
勇者を辞めたからと言って、人生が終わるわけではない。
セイラたちとの関係もなにひとつ変わらない。
ユーリの冒険は、これからなのだ。
この短い問答で、セイラはそれを思い出させてくれたのだった。
聖女の温かな気遣いを感じ取っていると、マホが首をコキコキ鳴らしながら告げた。
「……さて、やることやったら、とっとと帰るぞ。ボクたちを大っ嫌いな幹部連中に見つかったら、また面倒なことになるからなぁ~」
「もお、マホちゃん! 勇者様とセイラさんがエモやってるんですから、水差さないで下さいよ!」
そう言いつつ、どさくさに紛れてカタログギフトに手を伸ばすエンリエッタにチョップしてから、マホはユーリに向けて告げる。
「別に水差してるわけじゃねえよ。本当にこのままでいいのかって話。
どうすんだよ、勇者。このまま帰っちまったら、二度と挽回するチャンスねえぞ?」
そう。
ユーリたちは、依然として幹部の面々に嫌われたままなのだ。
大暴走を止めるという大活躍はしたものの、表向きにはヒィロの手柄ということになっているし、引退式のときの傲慢な態度が払拭できたわけでもない。
ゆえに、ユーリに対するマイナスイメージもそのままなのだ。
ヒィロが頼もしくなったいま、もう悪役を演じる必要はないかもしれない。
……しかし。
「……いいんだよ。そうすることでうまいこと組織が回ってるんだから、このままでいい」
前任が嫌われていた方が、後任は組織運営をしやすくなる。
今更ユーリが出しゃばったとて、良いことなどひとつもないのだ。
そんな思いを汲んだのか、マホは木箱をカートに乗せながら、
「あ、そ。ボクは別にどっちでもいいんだけどな。あとで『やっぱこのままじゃやだやだ!』っつって、誰かさんがギャン泣きしなけりゃよ」
「心配してくれてありがとう。でも本当に平気だよ。
……あ、でもどうしようかな。セフ友だった幹部の子たちだけは、誤解解いときたいかも。関係きれちゃうから」
「だってよ。どうする、セイラ?」
「そちらの関係を切った上で、勇者様のもちょん切るのがよろしいかと」
「誤解だよセイラさん。セフ友ってあれだよ? セーフティ友達の略だよ? 一緒にセーフティな日を楽しむだけで、いかがわしいことなんてなにひとつしてないんだよ?」
「いかがわしいこと無くして安全日という言葉は誕生しなかったと思うのですが」
と、結局は冗談──セイラは割と目がマジだったが──を交わしつつ、一同は木箱をカートに乗せ、後片付けを完全に終えた。
……終えてしまった。
「……じゃ、行こうか」
「そうですね」
セイラとそんな会話を交わしつつ、ユーリは執務室のドアを開ける。
──すると、
「……え?」
そこには、『アンペルマン』の幹部全員が、勢揃いしていたのだった。
「えっと……えっーと、え、なに、なに? なにこれ、どういうこと?」
と、セイラやマホの顔を見ながらと訊ねるが、彼女らもユーリと同じように驚きながら首を振っているのみだ。
その反応を確認してから、ユーリは引き攣った顔を正面に戻し、
「えと……どうしたのかな、みんな……? なんか、怖い顔してるけど、ひょっとして、お礼参り、的な……?
は、はは、は! や、やめよう? やめようよそんなの! いまどき流行んないよ! だ、だからお願い! ちょん切るのだけは! ちょん切るのだけは勘弁して……!」
と、ユーリが情けないことを言いながら後ずさると、一同は大きく息を吸い込み、
「「「「「「「長きに渡るご尽力、本当にご苦労様でございました!!!!」」」」」」
──全員が一斉に、頭を下げたのだった。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
