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春が来た。
まだ時折雪が降ることはあるが、降り積もって凍り、大地を覆ってしまうことはなくなった。草原はやわらかな緑色に覆われはじめている。
俺達は草を求めて、王の居留地を出、春の放牧地へと向かうことにした。
春は家畜の出産シーズンでもある。特に早い時期から産み始めるのが、羊と山羊だ。今みたいな移動中だろうと夜中だろうと、関係なく産気づく。だから、いつも以上に家畜の見張りに気が抜けない。
俺は、突然横になった羊を見つけて、様子を見るために、群れをかきわけて近付いた。
羊は苦しそうに、ウエエエ、ウエエエと鳴いている。
馬を下りて、様子を見守る。
何度も力む母羊の産道から、ようやく膜に包まれた仔羊の鼻面と前脚が出てきた。ここまでくれば心配ない。次の母羊の呼吸で、するーっと仔羊の全身が出てきた。
ふうふうと大きく息をしていた母羊が立ち上がって、ぐるりとこちらを向き、仔羊の全身を舐めてやりはじめる。
しばらく二匹を見守り、母羊が仔羊の匂いをよく覚えたらしいのを見て取ってから、仔羊を布でくるんで抱き上げた。背負っていた空の革袋を下ろして、そこに入れる。
「心配するな、こいつは馬車に乗せて連れて行ってやる。後でちゃんと会わせてやるからな。おまえは安心して皆についていけ。ほら、行け」
ぽんと背中を叩いてやると、母羊はしばらくこちらをじっと見た後、他の羊に混じって歩き始めた。
仔羊はすぐには歩けないし、まだまだ寒いこの時期に、外に放っておけば、凍えて死んでしまう。だから夜も定期的に見回っては、生まれた仔を回収している。おかげで少々寝不足だ。眠い。
腕の中の仔羊が、ぷるぷる震えながら高い声でメエと鳴いた。
とても可愛いくて、自然と笑顔になってしまう。
……そう。どんなに大変だろうと、新しい命を抱き上げるのは、何ものにも代えがたい喜びなのだ。
仔羊を連れて後方の馬車へ向かうと、途中でスレイと行き会った。向こうは二つ抱えている。
「これはもうすぐ馬車がいっぱいになってしまうな」
スレイが苦笑して、そんなことを言った。
「思った以上だ」
そう答えて、俺はこれからのことが気になり、苦笑も出てこず、群れを見まわした。
これほどの大集団を養っていくのは、初めてのことだ。
腹心達が結婚して生家から独立するにあたって譲られた家畜に、王族の俺の家畜、それに、奴僕の身分に落とされたスレイの両親の家畜が息子に下げ渡された分と、いきなりいっぺんに増えてしまった。
家畜は多ければ多いほどいいというわけではない。自分たちが生きて行くのにじゅうぶんな数がいればいいだけで、それ以上は管理が大変なだけだ。
今年の秋は、残すのにいい個体を見定めて、いつもより多く整理しなければならないだろう。
財産を取り上げられたルツとレイナは、今、親父様に仕えている。
結局、彼らがやったのは、犯罪を犯した娘と義理の娘に、親の権限で始末をつけたというだけで、公主へ危害を加えようとしたわけではなかったからだ。
あれだけの忠義者だ。あれこれ考えずに、ただ王に侍ればいい側仕えの方が、心安らかに過ごせるのではないだろうか。……俺を王位に就けようなんていう、無茶なことを叶えようとしなくてもいいのだから。
ついでに言えば、腹心の中では、スレイだけが独り身ということになってしまった。共に家畜の面倒を見る妻や子もいなければ、親兄弟姉妹も、奴僕もいない。特に、家の中のことをしてくれる女性がいないのが痛い。
だが、あんなことがあったばかりで、先のことを考えて結婚相手を早く見繕えとも言えない。それで、ここしばらくは、叔母上同様、俺の所で生活を共にしている。
もちろん寝るための天幕は別だが(うちはこれでも新婚だからな!)、食事や家畜の乳の加工は一緒だ。服も叔母上が(公主の作ったものは俺の物だ!)面倒を見てくれている。
「おや、どうしたのかな」
同じ物を見つけて、先にスレイが呟いた。俺は喉に物が詰まったみたいになって、声が出なかった。
公主の乗る馬車が止まっている。俺はスレイに仔羊を押しつけて、馬を急がせた。
「どうした!? 公主に何かあったか!?」
馬車にはもともと、叔母上と子を産んだばかりのホラムの妻も乗っていたが、今はリャノやウォリ、ナタルの妻もいて、公主を取り囲んでいる。
公主は口のあたりに手をやり、うずくまっていた。
「あ、エウル様がいらっしゃった」
「じゃあ、私達は戻ります」
女達がにこやかに会釈して馬車を出て行く。赤ん坊を抱いたミミルもだ。最後に叔母上までが出てきて、「ちょっと出掛けてくるね」と降りてしまった。……どうやら重大なことが起こったわけではないらしい。
少し安心して馬車に乗り込み、公主に這い寄った。
「耀華公主」
呼ぶと、公主が顔を上げた。大きな目は少しうるんでいるようだ。それに、色白な公主ではあるが、顔色もいつもより白い気がする。……その目が、うろ、として逸らされた。
どうしたんだ、それはどういう意味だ。いつも嬉しそうににっこりしてくれるのに、呼ぶまでこちらを見もしなければ、目があったら逸らすなんて。
俺は、そろそろと彼女の手を取って両手で包み込んでみた。……よし、振り払われない。怒っているとか愛想を尽かされたとかではないらしい。……と思うが、一応、聞いておこう。
「何かまた俺は『馬鹿』なことをしてしまったか?」
ぱっと驚いたように公主が顔をはね上げて、横にふるふると振る。
「違う。違うよ。あのね、その……」
公主の視線が下がり、すっかり下を向いてしまった。空いた方の手が動いて自分の腹にあて、少しだけ首を傾げる。
「……さっき、目眩がして、気持ち悪くなって」
「えっ、それはたいへんだ。具合悪いのか、だったら、」
「そうじゃなくて! 聞いて! ……子ができたんじゃないかって。……ここにいるんじゃないかって」
「叔母上がそう言ったのか?」
公主はこくりと頷いた。
「そうか。……そうか!」
思ってもみないほどの喜びがつきあげてくる。俺は笑い声をあげて、公主を膝の上に抱き上げた。彼女の手の上から、俺も手をあててみる。
「それなら、ここに居るんだ! 俺達の子が!」
「……エウル、嬉しい?」
「ああ、嬉しい!」
反射的に答えて、公主がそれほど笑ってないことに気付いた。
「公主は、子供が欲しくなかったか?」
「ううん、そうじゃなくて。……びっくりして。……ここに赤ちゃんが居るんだと思ったら、……ちょっと怖くなってきて」
「そうか。……うん。そうだな」
育ちきらずに死ぬ子は多い。考えたくないが、お産で命を落とすことだって少なくない。
それでも。
「大丈夫だ。公主は蒼天が俺に与えてくれた定めの伴侶だ。俺達が夫婦になったのは、蒼天の思し召しだ。夫婦になるのは子を育てるためだ。だから、俺達の間に子が生まれるのも、蒼天の思し召しだ。心配ない。絶対に元気な子が生まれてくる」
「……うん」
「赤ん坊はかわいいぞ。ホラムとミミルの子もかわいいだろう?」
公主は赤ん坊を抱っこさせてもらって、かわいい、かわいいと目を細めていたはずだ。
「うん」
公主がようやくはにかんだように笑んで、俺の首に抱きついてきた。
「私も嬉しくなってきたよ」
「それはよかった」
人の気配に振り返ると、叔母上が馬車の前を通り過ぎるところところだった。目があったのに、何事もなかったかのように幌の向こうへと消えていく。たぶん、あの向こうに皆がいて、報告を待っているんだろう。
俺は公主を抱えて立ち上がり、出入り口に向かった。
降りる前に、もう一つ大事なことを思いついて立ち止まり、伝える。
「心細くなったら、我慢せずに言ってくれ。いつも、公主を置いていくのが心配で、出掛けたくない俺を抱きしめて、行く気になるまでキスしてくれるだろう? 俺も、公主が心細くなくなるまで、そうするから」
「うん。ありがとう」
腕の中、ほんの少し屈めば触れあえる距離で、ふわりと花開くように笑まれて、心がジンと痺れる。
ああ、なんて愛しいのだろう。
俺は幸せすぎて泣きたいような気持ちを噛みしめながら、花びらのような妻の唇に、心を持って行かれるままに口づけた。
終
まだ時折雪が降ることはあるが、降り積もって凍り、大地を覆ってしまうことはなくなった。草原はやわらかな緑色に覆われはじめている。
俺達は草を求めて、王の居留地を出、春の放牧地へと向かうことにした。
春は家畜の出産シーズンでもある。特に早い時期から産み始めるのが、羊と山羊だ。今みたいな移動中だろうと夜中だろうと、関係なく産気づく。だから、いつも以上に家畜の見張りに気が抜けない。
俺は、突然横になった羊を見つけて、様子を見るために、群れをかきわけて近付いた。
羊は苦しそうに、ウエエエ、ウエエエと鳴いている。
馬を下りて、様子を見守る。
何度も力む母羊の産道から、ようやく膜に包まれた仔羊の鼻面と前脚が出てきた。ここまでくれば心配ない。次の母羊の呼吸で、するーっと仔羊の全身が出てきた。
ふうふうと大きく息をしていた母羊が立ち上がって、ぐるりとこちらを向き、仔羊の全身を舐めてやりはじめる。
しばらく二匹を見守り、母羊が仔羊の匂いをよく覚えたらしいのを見て取ってから、仔羊を布でくるんで抱き上げた。背負っていた空の革袋を下ろして、そこに入れる。
「心配するな、こいつは馬車に乗せて連れて行ってやる。後でちゃんと会わせてやるからな。おまえは安心して皆についていけ。ほら、行け」
ぽんと背中を叩いてやると、母羊はしばらくこちらをじっと見た後、他の羊に混じって歩き始めた。
仔羊はすぐには歩けないし、まだまだ寒いこの時期に、外に放っておけば、凍えて死んでしまう。だから夜も定期的に見回っては、生まれた仔を回収している。おかげで少々寝不足だ。眠い。
腕の中の仔羊が、ぷるぷる震えながら高い声でメエと鳴いた。
とても可愛いくて、自然と笑顔になってしまう。
……そう。どんなに大変だろうと、新しい命を抱き上げるのは、何ものにも代えがたい喜びなのだ。
仔羊を連れて後方の馬車へ向かうと、途中でスレイと行き会った。向こうは二つ抱えている。
「これはもうすぐ馬車がいっぱいになってしまうな」
スレイが苦笑して、そんなことを言った。
「思った以上だ」
そう答えて、俺はこれからのことが気になり、苦笑も出てこず、群れを見まわした。
これほどの大集団を養っていくのは、初めてのことだ。
腹心達が結婚して生家から独立するにあたって譲られた家畜に、王族の俺の家畜、それに、奴僕の身分に落とされたスレイの両親の家畜が息子に下げ渡された分と、いきなりいっぺんに増えてしまった。
家畜は多ければ多いほどいいというわけではない。自分たちが生きて行くのにじゅうぶんな数がいればいいだけで、それ以上は管理が大変なだけだ。
今年の秋は、残すのにいい個体を見定めて、いつもより多く整理しなければならないだろう。
財産を取り上げられたルツとレイナは、今、親父様に仕えている。
結局、彼らがやったのは、犯罪を犯した娘と義理の娘に、親の権限で始末をつけたというだけで、公主へ危害を加えようとしたわけではなかったからだ。
あれだけの忠義者だ。あれこれ考えずに、ただ王に侍ればいい側仕えの方が、心安らかに過ごせるのではないだろうか。……俺を王位に就けようなんていう、無茶なことを叶えようとしなくてもいいのだから。
ついでに言えば、腹心の中では、スレイだけが独り身ということになってしまった。共に家畜の面倒を見る妻や子もいなければ、親兄弟姉妹も、奴僕もいない。特に、家の中のことをしてくれる女性がいないのが痛い。
だが、あんなことがあったばかりで、先のことを考えて結婚相手を早く見繕えとも言えない。それで、ここしばらくは、叔母上同様、俺の所で生活を共にしている。
もちろん寝るための天幕は別だが(うちはこれでも新婚だからな!)、食事や家畜の乳の加工は一緒だ。服も叔母上が(公主の作ったものは俺の物だ!)面倒を見てくれている。
「おや、どうしたのかな」
同じ物を見つけて、先にスレイが呟いた。俺は喉に物が詰まったみたいになって、声が出なかった。
公主の乗る馬車が止まっている。俺はスレイに仔羊を押しつけて、馬を急がせた。
「どうした!? 公主に何かあったか!?」
馬車にはもともと、叔母上と子を産んだばかりのホラムの妻も乗っていたが、今はリャノやウォリ、ナタルの妻もいて、公主を取り囲んでいる。
公主は口のあたりに手をやり、うずくまっていた。
「あ、エウル様がいらっしゃった」
「じゃあ、私達は戻ります」
女達がにこやかに会釈して馬車を出て行く。赤ん坊を抱いたミミルもだ。最後に叔母上までが出てきて、「ちょっと出掛けてくるね」と降りてしまった。……どうやら重大なことが起こったわけではないらしい。
少し安心して馬車に乗り込み、公主に這い寄った。
「耀華公主」
呼ぶと、公主が顔を上げた。大きな目は少しうるんでいるようだ。それに、色白な公主ではあるが、顔色もいつもより白い気がする。……その目が、うろ、として逸らされた。
どうしたんだ、それはどういう意味だ。いつも嬉しそうににっこりしてくれるのに、呼ぶまでこちらを見もしなければ、目があったら逸らすなんて。
俺は、そろそろと彼女の手を取って両手で包み込んでみた。……よし、振り払われない。怒っているとか愛想を尽かされたとかではないらしい。……と思うが、一応、聞いておこう。
「何かまた俺は『馬鹿』なことをしてしまったか?」
ぱっと驚いたように公主が顔をはね上げて、横にふるふると振る。
「違う。違うよ。あのね、その……」
公主の視線が下がり、すっかり下を向いてしまった。空いた方の手が動いて自分の腹にあて、少しだけ首を傾げる。
「……さっき、目眩がして、気持ち悪くなって」
「えっ、それはたいへんだ。具合悪いのか、だったら、」
「そうじゃなくて! 聞いて! ……子ができたんじゃないかって。……ここにいるんじゃないかって」
「叔母上がそう言ったのか?」
公主はこくりと頷いた。
「そうか。……そうか!」
思ってもみないほどの喜びがつきあげてくる。俺は笑い声をあげて、公主を膝の上に抱き上げた。彼女の手の上から、俺も手をあててみる。
「それなら、ここに居るんだ! 俺達の子が!」
「……エウル、嬉しい?」
「ああ、嬉しい!」
反射的に答えて、公主がそれほど笑ってないことに気付いた。
「公主は、子供が欲しくなかったか?」
「ううん、そうじゃなくて。……びっくりして。……ここに赤ちゃんが居るんだと思ったら、……ちょっと怖くなってきて」
「そうか。……うん。そうだな」
育ちきらずに死ぬ子は多い。考えたくないが、お産で命を落とすことだって少なくない。
それでも。
「大丈夫だ。公主は蒼天が俺に与えてくれた定めの伴侶だ。俺達が夫婦になったのは、蒼天の思し召しだ。夫婦になるのは子を育てるためだ。だから、俺達の間に子が生まれるのも、蒼天の思し召しだ。心配ない。絶対に元気な子が生まれてくる」
「……うん」
「赤ん坊はかわいいぞ。ホラムとミミルの子もかわいいだろう?」
公主は赤ん坊を抱っこさせてもらって、かわいい、かわいいと目を細めていたはずだ。
「うん」
公主がようやくはにかんだように笑んで、俺の首に抱きついてきた。
「私も嬉しくなってきたよ」
「それはよかった」
人の気配に振り返ると、叔母上が馬車の前を通り過ぎるところところだった。目があったのに、何事もなかったかのように幌の向こうへと消えていく。たぶん、あの向こうに皆がいて、報告を待っているんだろう。
俺は公主を抱えて立ち上がり、出入り口に向かった。
降りる前に、もう一つ大事なことを思いついて立ち止まり、伝える。
「心細くなったら、我慢せずに言ってくれ。いつも、公主を置いていくのが心配で、出掛けたくない俺を抱きしめて、行く気になるまでキスしてくれるだろう? 俺も、公主が心細くなくなるまで、そうするから」
「うん。ありがとう」
腕の中、ほんの少し屈めば触れあえる距離で、ふわりと花開くように笑まれて、心がジンと痺れる。
ああ、なんて愛しいのだろう。
俺は幸せすぎて泣きたいような気持ちを噛みしめながら、花びらのような妻の唇に、心を持って行かれるままに口づけた。
終
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ありがとうございます。
こちらまで読みに来ていただいて、ありがとうございます!
何も悪くなくても酷い目にあって、堪えるしかない時ってありますよね。そういう人にいつか幸せになってほしいなと思ったのが、書き始めた動機でした。
一生懸命な二人を気に入っていただけて、本当にとても嬉しいです。
感想をどうもありがとうございました!