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終章-ひねくれ師匠と本当の私
147.少女、言の葉を綴る。
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ランバールはそれだけを言い残し行ってしまう。言葉を継げずに見送っていたオズワルドの横でシャルロッテが楽しそうに笑う。
「あーあ、泣かせたー。仕方ない、またからかってやるか」
よっと腰掛けていた台から降りた彼女は資料を抱えなおし、出て行く直前で振り向いた。
「ねぇ、オズちゃん、あなただってもう幸せになっていいはずよ。それでもまだ自分が赦せない? 律し続ける?」
優しく諭すような響きが辛かった。視線をそちらに向けないまま遠くのポータルを見つめる。
「あのね、人はみんなカッコ悪い生き物よ。なんの汚点もない人生を送れる人なんてほんの一握り。もしくはそれを把握できないおバカさん」
自分は前者ではない、そしてもちろん認識できないほど馬鹿でもない。嫌と言うほど罪の意識に苛まれたままだ。……全て円満に解決したかのように見える今でも。
その時、シャルロッテがこちらに引き返してくるのを感じた。彼女はそのまま目の前に立つとこちらの胸にトンと指を突き立てる。
「つらい過去を上手く消化して笑えるのが、強い人。ニチカちゃんはそれを乗り越えた、男のあなたが負けててどうするの?」
「……」
それでも応えることが出来なかった。プッと吹き出す音がしてふいに頭に手を乗せられる。小さな子でも励ますように豪快にわしゃわしゃとかき乱しながらシャルロッテは、いや、ロッカは続けた。
「ほんと、自分のことになると臆病なんだから。人を好きになる前に、まず自分の事を好きになりなさい」
なぜかリッカの気配を感じる。
彼女『達』は柔らかく微笑んだ。見なくとも言葉だけでわかるほどに暖かい声の響きだった。
「『大丈夫、気付いてないかもしれないけどあなたいい顔するようになったわ。お姉ちゃんはあなたの幸せを願ってるからね。これかもずっと』」
――頑張って
ぬくもりが離れシャルロッテが去っていく。
男は最後まで顔を上げることができなかった。
***
相も変わらず美麗な美しさを誇る天空の回廊を早足で進みながら、オズワルドは苛立っていた。
ユーナもシャルロッテもランバールもいったい自分に何を言いたいのか。何をさせたいのか。何が頑張れだ。男を見せろだ。もうアイツは俺を必要とはしていない。そんな事は分かりきっているのに。
(俺に何の相談もなしに天界に残るという決断をしたと言う事は、つまりはそういうことなんだろ?)
もう導いてやる『師匠』は必要ないのだ。ニチカは何も持たない迷い子ではない。
だから空気を読んで黙って去ろうと言うのに、周りはせっつくようにけし掛ける。
(どうして俺がこんな気分にさせられなきゃいけないんだ、あぁ苛々する)
なぜ今回に限って、こうも心が引き裂かれんばかりに痛むのか。
人の心に執着などしたくなかった。これまでも去りゆく者は追わなかった。自分に人としての魅力がないのは分かっていたから。
うんざりだ。それもこれも全部――あの弟子のせいだ。
背中を押した彼らが聞いたら白目を剥いて気絶しそうな結論を出し、オズワルドはやや乱暴にテラスへの扉を開けた。
文句を言ってやる。俺をこんなわけの分からない感情に引きずり込みやがって。
「おいニチカ!」
苛立ちをぶつけようと思った相手は確かにそこに居た。
吸い込まれそうな青い世界に突き出たテラスで、少女はこちらに背を向けていた。
緩やかな風が彼女の髪をもてあそぶように吹き抜ける。
珍しく雲のない日で、どこまでも続く空が遠近感を狂わせた。
その不思議な光景にオズワルドは二の句を継げなくなり、扉をあけた体勢のまま動きを止める。
「昔――」
「?」
外の世界を向いたまま少女が話し出した。
「真夜中に帰ってきたお母さんが、私に絵本を読み聞かせしてくれた事が一度だけあったの」
一体何を言い出すのだろう。自分を捨てた酷い母親のことをまだ忘れられないのか? そんな話やめろと言いかけるがその前に少女は口を開いた。
「すっごい酔ってお酒臭かったんだけど、ニコニコしながら私の為に朗読してくれた。頭を撫でてくれた。一晩だけだったけど一緒に眠ってくれたの」
そこに悲壮感はなく、ただ懐かしいと、そんな響きが含まれていた。
「小さいときの話だし、もしかしたらこれも私が作った都合のいい妄想かもしれない。でもその思い出だけあれば、お母さんのこと忘れないで生きていける。たとえ向こうが私を忘れていても、それだけで……」
彼女は振り向かなかった。
泣いているのかとそっと様子を伺うが、少しだけ見える口角は上がっていた。
少しだけ時間が流れる。
いや、一瞬の事だったのか。男には計りかねた。
「ユーナ様がね、私が望めば元の世界に帰すことも出来るって」
初めて聞く話にギクリと身体が強ばるのを感じる。嫌な汗が吹き出し鼓動が加速していく。
「……帰るのか?」
「ううん、今さらだし」
何でも無いことのように言われて少しだけ拍子抜けする。ほっとしている自分に気付きまた苛立ちが募る。
それにも気付かずニチカは「ん~っ」と伸びをしたかと思うと軽く言った。
「一度壊しちゃった記憶とか記録は修復不可能なんだって。私があっちの世界に帰ったところで誰も覚えてないし、出生記録もないから生きてくのは少しだけ難しい。日本ってそういうの結構厳しいしさ」
ようやく振り向いたニチカは苦笑するように眉を寄せていた。
「私、この世界で生きていくよ。フェイクラヴァーの問題もまだまだ残ってるしね」
おどけたようにアハハと笑うニチカに緊張がほどける。
ならいい、たとえその傍に俺が居なくてもお前ならやっていける。
苛立ちがスッと消えていく。今なら素直に言えるかもしれない。
お前は天界で、俺は地上で。いつかまた縁があるなら会えるだろう。
そう口にしようと、終わらせようと息を吸い込んだ。
「だから戻ってきたら言おうと思ってた事、ちょっと変則的になっちゃったけど、今ここで言う事にするね」
そして絶妙なタイミングで言葉を被せられ、確か前にもこんなことあったぞと頭の片隅から声がする。
「お前な……」
引きつらせながら顔を上げたオズワルドは、そこにある表情に心臓を鷲掴みにされた。
ニチカは出会った時と少しも変わらない、まっすぐな眼差しでこちらを見ていた。
その瞳に宿る真剣な光に声を失う。
呼吸することすら忘れ、彼女の次の言葉を待つ。
ドクン、ドクンと耳鳴りがすさまじい。
これだけは聞き逃してはならないと、全身全霊が叫んでいた。
風がぴたりと止む。
泣き出しそうな、それでいて微かに笑った少女の口がわずかに開かれ、そして
空気が、揺れた。
「あなたが、好きです」
その一言が、どれだけ男の胸を貫いただろう。
たった8文字の言葉はどんな魔法よりも、どんな魔女道具よりも強烈に男の思考を停止させた。
「好きです、大好きです。もうずっと前から」
ニチカは頬を染め、ただひたすらにまっすぐ己の気持ちを解放し続けた。
急くように、少しの気持ちも取り残すまいと、
長い間ずっと胸の内に秘めていた想いを、全て吐き出すかのごとく息に乗せる。
「いつからだなんてそんな事わからないけど。でも気づいた時にはもう抑えきれないくらいになってて……っ」
はぁっ、とそこで息をついた少女は静かに俯く。
言葉の魔法を綴りゆく彼女は、振り絞るように言い切った。
「私の想い、受け止めてくれますか」
言葉が終わるのを待っていたかのように、再び風が吹き抜ける。
「……」
突然の告白に脳が完全停止していた男は、気付いた。
ぎゅっと握り締めた少女の手が微かに震えている。
赤く染まっていたはずの頬もどこか青ざめ、血が引いている。
あぁそうか、ニチカは今、恐怖と必死に戦っているのだ。
卑屈なことを言わず、勇気を振り絞った告白を、ばっさりと斬り捨てられる未来を恐れている。
ふいに笑い飛ばしたくなった。
愚かだ、なんて愚かなんだ。
まったく馬鹿で未熟でどうしようもないのは――
(俺だった)
「あーあ、泣かせたー。仕方ない、またからかってやるか」
よっと腰掛けていた台から降りた彼女は資料を抱えなおし、出て行く直前で振り向いた。
「ねぇ、オズちゃん、あなただってもう幸せになっていいはずよ。それでもまだ自分が赦せない? 律し続ける?」
優しく諭すような響きが辛かった。視線をそちらに向けないまま遠くのポータルを見つめる。
「あのね、人はみんなカッコ悪い生き物よ。なんの汚点もない人生を送れる人なんてほんの一握り。もしくはそれを把握できないおバカさん」
自分は前者ではない、そしてもちろん認識できないほど馬鹿でもない。嫌と言うほど罪の意識に苛まれたままだ。……全て円満に解決したかのように見える今でも。
その時、シャルロッテがこちらに引き返してくるのを感じた。彼女はそのまま目の前に立つとこちらの胸にトンと指を突き立てる。
「つらい過去を上手く消化して笑えるのが、強い人。ニチカちゃんはそれを乗り越えた、男のあなたが負けててどうするの?」
「……」
それでも応えることが出来なかった。プッと吹き出す音がしてふいに頭に手を乗せられる。小さな子でも励ますように豪快にわしゃわしゃとかき乱しながらシャルロッテは、いや、ロッカは続けた。
「ほんと、自分のことになると臆病なんだから。人を好きになる前に、まず自分の事を好きになりなさい」
なぜかリッカの気配を感じる。
彼女『達』は柔らかく微笑んだ。見なくとも言葉だけでわかるほどに暖かい声の響きだった。
「『大丈夫、気付いてないかもしれないけどあなたいい顔するようになったわ。お姉ちゃんはあなたの幸せを願ってるからね。これかもずっと』」
――頑張って
ぬくもりが離れシャルロッテが去っていく。
男は最後まで顔を上げることができなかった。
***
相も変わらず美麗な美しさを誇る天空の回廊を早足で進みながら、オズワルドは苛立っていた。
ユーナもシャルロッテもランバールもいったい自分に何を言いたいのか。何をさせたいのか。何が頑張れだ。男を見せろだ。もうアイツは俺を必要とはしていない。そんな事は分かりきっているのに。
(俺に何の相談もなしに天界に残るという決断をしたと言う事は、つまりはそういうことなんだろ?)
もう導いてやる『師匠』は必要ないのだ。ニチカは何も持たない迷い子ではない。
だから空気を読んで黙って去ろうと言うのに、周りはせっつくようにけし掛ける。
(どうして俺がこんな気分にさせられなきゃいけないんだ、あぁ苛々する)
なぜ今回に限って、こうも心が引き裂かれんばかりに痛むのか。
人の心に執着などしたくなかった。これまでも去りゆく者は追わなかった。自分に人としての魅力がないのは分かっていたから。
うんざりだ。それもこれも全部――あの弟子のせいだ。
背中を押した彼らが聞いたら白目を剥いて気絶しそうな結論を出し、オズワルドはやや乱暴にテラスへの扉を開けた。
文句を言ってやる。俺をこんなわけの分からない感情に引きずり込みやがって。
「おいニチカ!」
苛立ちをぶつけようと思った相手は確かにそこに居た。
吸い込まれそうな青い世界に突き出たテラスで、少女はこちらに背を向けていた。
緩やかな風が彼女の髪をもてあそぶように吹き抜ける。
珍しく雲のない日で、どこまでも続く空が遠近感を狂わせた。
その不思議な光景にオズワルドは二の句を継げなくなり、扉をあけた体勢のまま動きを止める。
「昔――」
「?」
外の世界を向いたまま少女が話し出した。
「真夜中に帰ってきたお母さんが、私に絵本を読み聞かせしてくれた事が一度だけあったの」
一体何を言い出すのだろう。自分を捨てた酷い母親のことをまだ忘れられないのか? そんな話やめろと言いかけるがその前に少女は口を開いた。
「すっごい酔ってお酒臭かったんだけど、ニコニコしながら私の為に朗読してくれた。頭を撫でてくれた。一晩だけだったけど一緒に眠ってくれたの」
そこに悲壮感はなく、ただ懐かしいと、そんな響きが含まれていた。
「小さいときの話だし、もしかしたらこれも私が作った都合のいい妄想かもしれない。でもその思い出だけあれば、お母さんのこと忘れないで生きていける。たとえ向こうが私を忘れていても、それだけで……」
彼女は振り向かなかった。
泣いているのかとそっと様子を伺うが、少しだけ見える口角は上がっていた。
少しだけ時間が流れる。
いや、一瞬の事だったのか。男には計りかねた。
「ユーナ様がね、私が望めば元の世界に帰すことも出来るって」
初めて聞く話にギクリと身体が強ばるのを感じる。嫌な汗が吹き出し鼓動が加速していく。
「……帰るのか?」
「ううん、今さらだし」
何でも無いことのように言われて少しだけ拍子抜けする。ほっとしている自分に気付きまた苛立ちが募る。
それにも気付かずニチカは「ん~っ」と伸びをしたかと思うと軽く言った。
「一度壊しちゃった記憶とか記録は修復不可能なんだって。私があっちの世界に帰ったところで誰も覚えてないし、出生記録もないから生きてくのは少しだけ難しい。日本ってそういうの結構厳しいしさ」
ようやく振り向いたニチカは苦笑するように眉を寄せていた。
「私、この世界で生きていくよ。フェイクラヴァーの問題もまだまだ残ってるしね」
おどけたようにアハハと笑うニチカに緊張がほどける。
ならいい、たとえその傍に俺が居なくてもお前ならやっていける。
苛立ちがスッと消えていく。今なら素直に言えるかもしれない。
お前は天界で、俺は地上で。いつかまた縁があるなら会えるだろう。
そう口にしようと、終わらせようと息を吸い込んだ。
「だから戻ってきたら言おうと思ってた事、ちょっと変則的になっちゃったけど、今ここで言う事にするね」
そして絶妙なタイミングで言葉を被せられ、確か前にもこんなことあったぞと頭の片隅から声がする。
「お前な……」
引きつらせながら顔を上げたオズワルドは、そこにある表情に心臓を鷲掴みにされた。
ニチカは出会った時と少しも変わらない、まっすぐな眼差しでこちらを見ていた。
その瞳に宿る真剣な光に声を失う。
呼吸することすら忘れ、彼女の次の言葉を待つ。
ドクン、ドクンと耳鳴りがすさまじい。
これだけは聞き逃してはならないと、全身全霊が叫んでいた。
風がぴたりと止む。
泣き出しそうな、それでいて微かに笑った少女の口がわずかに開かれ、そして
空気が、揺れた。
「あなたが、好きです」
その一言が、どれだけ男の胸を貫いただろう。
たった8文字の言葉はどんな魔法よりも、どんな魔女道具よりも強烈に男の思考を停止させた。
「好きです、大好きです。もうずっと前から」
ニチカは頬を染め、ただひたすらにまっすぐ己の気持ちを解放し続けた。
急くように、少しの気持ちも取り残すまいと、
長い間ずっと胸の内に秘めていた想いを、全て吐き出すかのごとく息に乗せる。
「いつからだなんてそんな事わからないけど。でも気づいた時にはもう抑えきれないくらいになってて……っ」
はぁっ、とそこで息をついた少女は静かに俯く。
言葉の魔法を綴りゆく彼女は、振り絞るように言い切った。
「私の想い、受け止めてくれますか」
言葉が終わるのを待っていたかのように、再び風が吹き抜ける。
「……」
突然の告白に脳が完全停止していた男は、気付いた。
ぎゅっと握り締めた少女の手が微かに震えている。
赤く染まっていたはずの頬もどこか青ざめ、血が引いている。
あぁそうか、ニチカは今、恐怖と必死に戦っているのだ。
卑屈なことを言わず、勇気を振り絞った告白を、ばっさりと斬り捨てられる未来を恐れている。
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