1 / 11
第一章 新たなる人生
第一話 終わり始まり
しおりを挟む
「起立! 礼!」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
挨拶が終わると、すぐに帰る者、図書館に勉強する者、友達と喋る者とクラスメート様々な行動をとる。
猿山と田中も二人で楽しげに喋っている。
「疲れた~、和人はこの後どうするんだ?」
「ん~、部室に顔出してから帰ることにするよ。先に帰ってていいよ」
「そっか、じゃあまた明日」
そう言って、田中は荷物をまとめ帰路についた。
「それじゃあ部室に行くとするか。もう皆来てるかなぁ」
和人は部室に誰が来ているのか考えながら、オタク研究部の部室へと歩を進める。
「ちぇっ、まだ水曜日か。てことは部室にはあいつしか来てないな」
スマホの日付表示を見て今日が水曜日だと思い出した。この日は塾や兼部などで集まりが悪い。
そんなことを考えながら歩いていると、『オタク研究部』と書かれた扉前に到着する。
「よぉ、おつかれ! やっぱり一人だったか」
部室には机を四台くっ付けて椅子に座りながら少女が一人退屈そうに本を読んでいる。
「先輩! 遅いですよ、何してたんですか?」
「ごめんて、そんなに大きな声出すなよ。綺麗な顔が台無しだぞ。黙ってたら大和撫子なのに」
「いきなり何言ってるんですか! 馬鹿なんですか? 変態なんですか? キモいんですけど!」
この生意気な少女は和人の一つ下の学年の高校一年生の犬貝千智だ。何かとすぐに和人に突っかかってくる。
「先輩に対して口の利き方がなってないぞ。で、何を読んでたんだ?」
「あ~、ただの週刊漫画雑誌ですよ。そういや、今週号は先輩が大好きな猫谷萌香が表紙なんですね。先輩はもう買ったんですか?」
千智は少し不機嫌そうな表情で窓の外を見ながら答える。その様子はまるで教師に叱られ、しゅんとなっている生徒のようである。
「そうだった、まだ買ってないんだった。帰りにでも買うか」
今週号は和人の愛する猫谷萌香が表紙を飾っている。猫谷萌香の大ファンである和人にとって喉から手軽に出るほど欲しい物である。
「それじゃあ、帰るわ。また明日」
「え! もう帰っちゃうんですか?」
扉の取っ手に手を掛け帰ろうとする和人を千智が慌てて呼び止める。
「ん? 一緒に行く?」
「なっ! 一緒に行く訳ないじゃないですか! 早く帰って下さい。部室の空気が汚れるじゃないですか」
熟れた林檎のように真っ赤な顔で千智がそう答えると、和人は止めていた足を再び前へと進め、オタク研究部の部室から姿を消した。
「はぁ、どうして素直になれないんだろう」
誰も居ない部室に溜め息混じりの細い声が響く。
◆◇◆◇◆◇
「買えて良かったぁ、やっぱり猫谷萌香すんげぇ可愛いよなぁ」
「おい! 坊主、危ねえぞ! 居眠り運転だ!逃げろ!!」
一人、週刊漫画雑誌の表紙を飾っている猫谷萌香とにらめっこをしながら、陽が落ちかかり朱色の空の下帰路についているとそんな声が和人の耳に入った。
「ん? うわぁぁ!」
周囲を確認しようと猫谷萌香から目を離し、後ろに振り返ると和人の視界は車の前面で覆われていた。逃げる間もないほど、和人のすぐ後ろまで車が来ていた。
『ドゴォッ!!』
そんな鈍い音と共に和人は車に吹き飛ばされた。
(……あぁ、これは終わったな。身体の感覚がないや。交通事故に遭った人ってこんな感じだったんだな。まだまだやりたいことあったのに……)
和人に危険を知らせた中年の男がたちが近く寄って来た。
「しっかりしろ! 今救急車を呼んだから頑張れ!」
「あ、おじさん、車が来ていること、教えてくれてありがとう……ございました。でも、もう少し早く教えて欲しかったです……」
その言葉を最後に和人は意識を失った。
「「「「ありがとうございました!!」」」」
挨拶が終わると、すぐに帰る者、図書館に勉強する者、友達と喋る者とクラスメート様々な行動をとる。
猿山と田中も二人で楽しげに喋っている。
「疲れた~、和人はこの後どうするんだ?」
「ん~、部室に顔出してから帰ることにするよ。先に帰ってていいよ」
「そっか、じゃあまた明日」
そう言って、田中は荷物をまとめ帰路についた。
「それじゃあ部室に行くとするか。もう皆来てるかなぁ」
和人は部室に誰が来ているのか考えながら、オタク研究部の部室へと歩を進める。
「ちぇっ、まだ水曜日か。てことは部室にはあいつしか来てないな」
スマホの日付表示を見て今日が水曜日だと思い出した。この日は塾や兼部などで集まりが悪い。
そんなことを考えながら歩いていると、『オタク研究部』と書かれた扉前に到着する。
「よぉ、おつかれ! やっぱり一人だったか」
部室には机を四台くっ付けて椅子に座りながら少女が一人退屈そうに本を読んでいる。
「先輩! 遅いですよ、何してたんですか?」
「ごめんて、そんなに大きな声出すなよ。綺麗な顔が台無しだぞ。黙ってたら大和撫子なのに」
「いきなり何言ってるんですか! 馬鹿なんですか? 変態なんですか? キモいんですけど!」
この生意気な少女は和人の一つ下の学年の高校一年生の犬貝千智だ。何かとすぐに和人に突っかかってくる。
「先輩に対して口の利き方がなってないぞ。で、何を読んでたんだ?」
「あ~、ただの週刊漫画雑誌ですよ。そういや、今週号は先輩が大好きな猫谷萌香が表紙なんですね。先輩はもう買ったんですか?」
千智は少し不機嫌そうな表情で窓の外を見ながら答える。その様子はまるで教師に叱られ、しゅんとなっている生徒のようである。
「そうだった、まだ買ってないんだった。帰りにでも買うか」
今週号は和人の愛する猫谷萌香が表紙を飾っている。猫谷萌香の大ファンである和人にとって喉から手軽に出るほど欲しい物である。
「それじゃあ、帰るわ。また明日」
「え! もう帰っちゃうんですか?」
扉の取っ手に手を掛け帰ろうとする和人を千智が慌てて呼び止める。
「ん? 一緒に行く?」
「なっ! 一緒に行く訳ないじゃないですか! 早く帰って下さい。部室の空気が汚れるじゃないですか」
熟れた林檎のように真っ赤な顔で千智がそう答えると、和人は止めていた足を再び前へと進め、オタク研究部の部室から姿を消した。
「はぁ、どうして素直になれないんだろう」
誰も居ない部室に溜め息混じりの細い声が響く。
◆◇◆◇◆◇
「買えて良かったぁ、やっぱり猫谷萌香すんげぇ可愛いよなぁ」
「おい! 坊主、危ねえぞ! 居眠り運転だ!逃げろ!!」
一人、週刊漫画雑誌の表紙を飾っている猫谷萌香とにらめっこをしながら、陽が落ちかかり朱色の空の下帰路についているとそんな声が和人の耳に入った。
「ん? うわぁぁ!」
周囲を確認しようと猫谷萌香から目を離し、後ろに振り返ると和人の視界は車の前面で覆われていた。逃げる間もないほど、和人のすぐ後ろまで車が来ていた。
『ドゴォッ!!』
そんな鈍い音と共に和人は車に吹き飛ばされた。
(……あぁ、これは終わったな。身体の感覚がないや。交通事故に遭った人ってこんな感じだったんだな。まだまだやりたいことあったのに……)
和人に危険を知らせた中年の男がたちが近く寄って来た。
「しっかりしろ! 今救急車を呼んだから頑張れ!」
「あ、おじさん、車が来ていること、教えてくれてありがとう……ございました。でも、もう少し早く教えて欲しかったです……」
その言葉を最後に和人は意識を失った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる