女神の口がうるさい!

くさなぎ大王

文字の大きさ
2 / 4

第一話 : 【 出会い 】

しおりを挟む
ふと目を開けると、俺はギリシャ風の古代遺跡の門の前にたっていた。周りを見渡すと、なにもない。前にそこにあるのはただ、遺跡であることだけだ。

門への入口までに古臭い石レンガの舗装がされている。

俺のいる場所はなにか違和感がある。俺は場所にはいない、に今いるという違和感だ。

遺跡の中から俺を導くような声が聞こえる。そのエコーといい、声調といい、某ゲームを思い浮かぶような声。そんな声がするので、しかたなく遺跡の中へと入る。

遺跡の中に入ってみると、玉座が見える。そして、玉座へ誘導させるレッドカーペット。その傍には威厳を放つ支柱。

玉座にすんなりと近づくと人の顔が見える。長髪で黒色の髪。オーラからわかる美人さ。足を組んでいる。よく見ると魅惑の足だ。
他の人が見たら多分正気を失うだろう。

「くそざこおじさん情けなーい」
……

俺がアイツの足を見ていると気づいた瞬間、アイツは俺を見下すような冷たい視線で見てきた。

「あなた……女神に発情するなんて不敬だわ」
僅かに感じる軽蔑の気持ちと呆れた気持ち。しかし、俺は発情していない。あいつの自意識は過剰なのか?俺は自称女神を、バカにするような目で見つめる。

「やっぱりそうなんだ~」
悪趣味な声。からかわれていることが誰にでもわかる。しかし、声のトーンは聞いたことある。なにか、男のなにかを奮い立たせるような声。

教育してやりたい。

「君…」
俺の話を遮るように自称女神は話をする。

「いい?心根昌太、あなたは階段を踏み外して死んだ。」
そう聞かれたように聞こえたので、とりあえず首を縦に振る。

「……っ!いいわ、あなたは最後に見たのは月。」
なんて生意気な!とわかるほどの顔をして、話を続ける。

「最後に月を見て死ぬと転生します。異世界に。」
俺はそれを聞いてめんどくさそうという感情が顔に表れた。

「んで、あなたは半月を見たので勇者の半分の能力で転生します。」
思わずどういう理屈だとツッコみたくなった。危ない、喉から出そうだった。ツッコむとろくな事が起きやしない。

「返事は?」

「はい。」

「あなたは、私が女神になって初の転生者です。特別に色々と助言してあげましょう。」
今までの話からわかる、こいつは正真正銘めんどくさいやつだ思った。俺は何故か臣下みたく目を伏せていたが、立ち上がる。

「あと、最後に食べたいものない?異世界じゃあないかもしれないから。」
そう女神が言うと俺は頭をかいて、喉を唸らせながら熟考した。

「チョコレート。」
しかし結論はチョコレート。本能的にチョコレートを選んでしまった。

俺がそういうと、女神はため息をつき俺の目の前に梱包されたチョコレートを置く。

チョコレートを手に取り、包んでいるものを外す。
俺はチョコレートを口の中に入れた。

この舌の感触と風味……
俺はなにかこのチョコレートに懐かしさを感じた。そして気づいたら俺は泣いていたのだ。俺はチョコレートを最後まで食べた。

人の作ったチョコレートを完食するのはいつ以来だろうか。
俺が最後に食べたチョコレートは、幼馴染の作ったチョコレート以来だ。

「どう?驚いたでしょう 私は神だから、あなたの好みは一瞬で把握出来る。もちろんあなた以外でもね」
誇らしげに女神は言う。俺が少し落ち着いてきた頃に女神は何かをしていた。

何かをしているのが終わった時、突然俺を包むように光がさしてきた。体が軽い、まるで飛ぶみたいに。

「いってらっしゃい。」

ーーー
《 家 》
【勇者暦 627年 1月1日】

俺がふと目を開けると、視界はぼやけていた。かろうじて人の顔が見える。

耳は少し聞こえる、何か祝福しているようだった。
誰かが俺を抱えている。そいつが俺の顔をうれしそうにまじまじと見る。女だろうか。

「ショーン……!」

手を動かしてみると、赤ちゃんのような小さい手、この感触は
俺が動かしているということがわかる感触。つまり俺は赤ちゃんになっている。若くして人生二週目だ。

俺の名はショーンらしい。前世の名前を彷彿とさせる名前だ。







ここから、俺の二週目の人生が始まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...