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薔薇ノ国編
12.薔薇ノ修羅場
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婚姻式の後は王宮の大広場に移動して、婚姻を祝して盛大な宴が催された。
宴は男女が手を取り踊ったり、葡萄酒を片手に談笑したり、とても愉快なものだった。
私は優雅に踊ってる人達を遠くから眺める。
普通なら隣に夫となるオルフェオ様がいるはずなのだが、私を置いてどこかに行ってしまったのだ。
(まったくオルフェオ様ったら花嫁を一人にして、どこかにいなくなるなんて信じられないわ!いくら政略結婚とはいえ、少しは花嫁に配慮しなさいよ!)
おかげで先程から周りの貴族令嬢達が、憐れむ様な視線を送ってくる。
耳を澄ませば、クスクスと嘲笑う声が聞こえてきた。
『見てよあれ。パーティーの主役だというのにお妃が一人でいるわよ。オルフェオ様ったらいくら好みじゃないからってあんまりよね』
『まぁ、お可哀想に……わたくしだったら耐えられないわァ』
『ふふっ。いい気味よ。政略結婚だかなんだか知らないけど、小国の姫如きがオルフェオ様と結婚だとか生意気なのよ』
私はドレスの裾を掴み俯く。
自分が惨めで恥ずかしくて、一刻も早くこの場から逃げ出したい気分だった。
「桜っち」
聞き覚えのある声がして顔を上げる。
私をそのふざけた呼び名で呼ぶのは、ただ一人だけだ。
「アシュラム!!」
太陽のような眩い笑顔を携えるアシュム。
手には花束を持っていた。
「結婚おめでとう。花嫁姿の桜っちもよく似合っていて、とても綺麗だよ」
相変わらず恥ずかしい言葉を平然と並べるアシュラムは、純白の薔薇が敷き詰められた花束を私に差し出す。
「わぁ、綺麗な花束!アシュラムありがとう」
「どう?パーティーは楽しんでる?」
「それがオルフェオ様がどこかに行ってしまって……」
「ハハハハッ!まったくオルフェオらしいな。こんな綺麗な花嫁を放っておくなんて、僕には信じられないよ」
「もう、笑い事じゃないのよ」
私は口を尖らせて、不貞腐れる。
アシュラムは「いゃあ、ごめんごめん」と謝ると、困惑した表情を浮かべた。
「それにしても困ったな……王子とその妃となる花嫁のダンスが、婚姻パーティー最大の見せ場だというのに……そうだ!良かったら僕と一緒に踊ってみる?」
「辞めておくわ。私、ダンスなんて踊ったことなくて……どうせ踊れなくて恥を掻くだけだから、オルフェオ様がいてもいなくても同じことよ。それにマーニャから聞いたわ。アシュラム!あなた結婚してるのね!結婚している身でありながら、他の女性をダンスに誘うなんて最低よ。私あらぬ誤解を受けたくないの」
「あちゃーこりゃ参ったな」
と頭を搔いておどけてみせるアシュラムに、私は呆れて頭を抱えた。
(アシュラムのお妃様も大変ね……いったいどんな方なのかしら?こんな女性とあれば誰彼構わず口説いてるアシュラムを受け入れてるのだから、さぞかし寛大な心の持ち主なのでしょうね)
「あら、あなた達、随分と仲がよろしいのね」
甲高い声がする。
葡萄酒を片手に持ったメリナ様が、こちらに向かって歩いてくるのが見えた。
隣には、メリナ様より頭一つ低い女性が一緒だ。
「メリナ……様」
私は思わず顔を顰める。
メリナは、私たちの前で足を止めた。
「そんな怖い顔をしないで。今日はあなたに謝りにきたの。この前はごめんなさいね。わたくし、あなた……いえ桜姫とお友達になりたいの」
「へっ?」
また嫌味を言われるのかと思っていた私は、まさかの言葉に拍子抜けして、変な声が出てしまった。
「この前はって姉さん、桜っちに何かしたのかい?」
つかさずアシュラムがメリナ様に聞き返す。
「あなたには関係のないことよ。部外者は引っ込んでなさい」
「部外者だって?桜っちはオルフェオの妻だぞ!つまりは僕の妹でもあるってことさ。だから関係ないことはないんだ。僕達はみんな家族なんだから!」
「家族ですって!!?笑わせないで頂戴!わたくしはこの国の正妃から産まれた、穢れなき正統な血を引く王族よ。そして同じ腹から産まれたアプローズ兄様もね。でもあなたとオルフェオは妾の子供じゃない!特にオルフェオの母親は貧民街出身の卑しい踊り子よ!あんな穢らわしい女の血を引くオルフェオとは、一ミリたりとも家族とは思いたくないわよ!」
メリナ様は怒りに任せて、持っていた葡萄酒を床に叩きつけた。
ガシャン!と鈍い音が大広場に響き渡る。
メリナ様の声に賑わっていた人々は皆、動きを止めて一斉にこちらを振り向いた。
メリナ様の話から推測すると、つまりはアシュラムとオルフェオ様はベスビアス王妃の実子ではなくて、二人ともそれぞれ母親が違うということだ。
(色々と複雑なのね……)
だがこれは薔薇ノ国に限らず、王政国家ならばよくある話だ。
王が世継ぎを確実に産む為に、側室を持つのは対して珍しいことではい。
むしろ側室を持たない君主の方が稀だ。
現に私も弟の桜之助とは母親が違う。
「例え腹違いでも父親が同じなんだから家族だ!そこに上も下もないだろ!」
「偽善者の振りをするのはお辞めなさい!あなただって本当はオルフェオが憎くて仕方ないんじゃなくって?だって父上の寵妃だったあなたの母親は、突然やってきたオルフェオの母親にその寵愛を奪われて、嫉妬に狂って自害したのだから!!」
「うるせえ!黙れ!お前如きが俺の母さんを語るなァ!それ以上喋るとそのうるさい口元をナイフでズタズナに切り裂くぞ!」
(アシュ……ラム……?)
目を血走らせて、鬼の形相でメリナを睨み、口汚く罵るアシュラムに、私は目を疑った。
そこには私の知ってる、いつものおちゃらけたアシュラムはいない。
今にもメリナに襲い掛かりそうな勢いだ。
「アハハハハッ!遂に本性を表したわね!この化け猫!皆様方、これがアシュラムの本当の姿ですわよ。さあさ、ご覧遊ばせください!!」
メリナは怒り狂うアシュラムを更に挑発する。
もやはパーティーどころの騒ぎではない。
私の晴れ舞台が台無しだ。
来賓達は固唾を飲んで見守る者や、興味津々に聞き入る者で、会場は緊迫した雰囲気だった。
「このっ……クソアマァ!!!」
アシュラムはメリナ様に向かって突進する。
だがどこからともなく現れたメリナの護衛の者達に取り押さえられた。
「離せ!離せっ…!この女狐を殺してやる!」
「何をしているの!さっさとこの野蛮な獣を、ここから追い出しなさい!」
「おいっ……何をする!辞めろォ!」
ジタバタと暴れるアシュラムは、メリナ様の護衛達の手によって大広場から追い出される。
アシュラムは最後まで何かを叫んでいたが、次第に声が小さくなり、やがてそれは途絶えた。
(もう、めちゃくちゃだわ……)
私は膝から崩れ落ち、ただ呆然とするだけだった。
***
「お騒がせしてしまったわね。それで先程の続きなんだけれど、明日、お詫びを兼ねて桜姫を晩餐会に招待したいの」
あんな騒ぎの後だというのに、何事もなかったかのように平然と振る舞うメリナ様が、私にはとても恐ろしく思えた。
「晩餐会……ですか?」
私は、顔を引き攣らせながら答える。
「そうよ。親睦を深めるにはいい機会だと思うの。是非、来てくれるわよね?」
と圧を掛けるように顔を近付けるメリナ様に、私は断ることが出来なかった。
何よりこれ以上メリナ様の癪に触れる様な真似をして、騒ぎを起こしたくなかったのだ。
私はやっと訪れた平穏を守る為に、その場を無難にやり過ごすことに専念する。
「……分かりました。メリナ様の折角のお誘いを断る訳にはいけませんわ。是非伺わせて頂きます」
「あなたならきっとそう言ってくださると信じてたわ。では明日の晩に大食堂でお待ちしておりますわね!」
私にそう言うと、メリナは来賓客達に向かって--
「皆さん今日は桜姫の歓迎パーティーでもあるのよ!最後まで楽しみましょう!さあ、早く続きを始めなさい!さあ!」と言い放った。
メリナの掛け声に来賓達は顔を見合せた後、一人また一人と動き出す。
そしてパーティーは再開され、それは夜まで続いた。
宴は男女が手を取り踊ったり、葡萄酒を片手に談笑したり、とても愉快なものだった。
私は優雅に踊ってる人達を遠くから眺める。
普通なら隣に夫となるオルフェオ様がいるはずなのだが、私を置いてどこかに行ってしまったのだ。
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おかげで先程から周りの貴族令嬢達が、憐れむ様な視線を送ってくる。
耳を澄ませば、クスクスと嘲笑う声が聞こえてきた。
『見てよあれ。パーティーの主役だというのにお妃が一人でいるわよ。オルフェオ様ったらいくら好みじゃないからってあんまりよね』
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『ふふっ。いい気味よ。政略結婚だかなんだか知らないけど、小国の姫如きがオルフェオ様と結婚だとか生意気なのよ』
私はドレスの裾を掴み俯く。
自分が惨めで恥ずかしくて、一刻も早くこの場から逃げ出したい気分だった。
「桜っち」
聞き覚えのある声がして顔を上げる。
私をそのふざけた呼び名で呼ぶのは、ただ一人だけだ。
「アシュラム!!」
太陽のような眩い笑顔を携えるアシュム。
手には花束を持っていた。
「結婚おめでとう。花嫁姿の桜っちもよく似合っていて、とても綺麗だよ」
相変わらず恥ずかしい言葉を平然と並べるアシュラムは、純白の薔薇が敷き詰められた花束を私に差し出す。
「わぁ、綺麗な花束!アシュラムありがとう」
「どう?パーティーは楽しんでる?」
「それがオルフェオ様がどこかに行ってしまって……」
「ハハハハッ!まったくオルフェオらしいな。こんな綺麗な花嫁を放っておくなんて、僕には信じられないよ」
「もう、笑い事じゃないのよ」
私は口を尖らせて、不貞腐れる。
アシュラムは「いゃあ、ごめんごめん」と謝ると、困惑した表情を浮かべた。
「それにしても困ったな……王子とその妃となる花嫁のダンスが、婚姻パーティー最大の見せ場だというのに……そうだ!良かったら僕と一緒に踊ってみる?」
「辞めておくわ。私、ダンスなんて踊ったことなくて……どうせ踊れなくて恥を掻くだけだから、オルフェオ様がいてもいなくても同じことよ。それにマーニャから聞いたわ。アシュラム!あなた結婚してるのね!結婚している身でありながら、他の女性をダンスに誘うなんて最低よ。私あらぬ誤解を受けたくないの」
「あちゃーこりゃ参ったな」
と頭を搔いておどけてみせるアシュラムに、私は呆れて頭を抱えた。
(アシュラムのお妃様も大変ね……いったいどんな方なのかしら?こんな女性とあれば誰彼構わず口説いてるアシュラムを受け入れてるのだから、さぞかし寛大な心の持ち主なのでしょうね)
「あら、あなた達、随分と仲がよろしいのね」
甲高い声がする。
葡萄酒を片手に持ったメリナ様が、こちらに向かって歩いてくるのが見えた。
隣には、メリナ様より頭一つ低い女性が一緒だ。
「メリナ……様」
私は思わず顔を顰める。
メリナは、私たちの前で足を止めた。
「そんな怖い顔をしないで。今日はあなたに謝りにきたの。この前はごめんなさいね。わたくし、あなた……いえ桜姫とお友達になりたいの」
「へっ?」
また嫌味を言われるのかと思っていた私は、まさかの言葉に拍子抜けして、変な声が出てしまった。
「この前はって姉さん、桜っちに何かしたのかい?」
つかさずアシュラムがメリナ様に聞き返す。
「あなたには関係のないことよ。部外者は引っ込んでなさい」
「部外者だって?桜っちはオルフェオの妻だぞ!つまりは僕の妹でもあるってことさ。だから関係ないことはないんだ。僕達はみんな家族なんだから!」
「家族ですって!!?笑わせないで頂戴!わたくしはこの国の正妃から産まれた、穢れなき正統な血を引く王族よ。そして同じ腹から産まれたアプローズ兄様もね。でもあなたとオルフェオは妾の子供じゃない!特にオルフェオの母親は貧民街出身の卑しい踊り子よ!あんな穢らわしい女の血を引くオルフェオとは、一ミリたりとも家族とは思いたくないわよ!」
メリナ様は怒りに任せて、持っていた葡萄酒を床に叩きつけた。
ガシャン!と鈍い音が大広場に響き渡る。
メリナ様の声に賑わっていた人々は皆、動きを止めて一斉にこちらを振り向いた。
メリナ様の話から推測すると、つまりはアシュラムとオルフェオ様はベスビアス王妃の実子ではなくて、二人ともそれぞれ母親が違うということだ。
(色々と複雑なのね……)
だがこれは薔薇ノ国に限らず、王政国家ならばよくある話だ。
王が世継ぎを確実に産む為に、側室を持つのは対して珍しいことではい。
むしろ側室を持たない君主の方が稀だ。
現に私も弟の桜之助とは母親が違う。
「例え腹違いでも父親が同じなんだから家族だ!そこに上も下もないだろ!」
「偽善者の振りをするのはお辞めなさい!あなただって本当はオルフェオが憎くて仕方ないんじゃなくって?だって父上の寵妃だったあなたの母親は、突然やってきたオルフェオの母親にその寵愛を奪われて、嫉妬に狂って自害したのだから!!」
「うるせえ!黙れ!お前如きが俺の母さんを語るなァ!それ以上喋るとそのうるさい口元をナイフでズタズナに切り裂くぞ!」
(アシュ……ラム……?)
目を血走らせて、鬼の形相でメリナを睨み、口汚く罵るアシュラムに、私は目を疑った。
そこには私の知ってる、いつものおちゃらけたアシュラムはいない。
今にもメリナに襲い掛かりそうな勢いだ。
「アハハハハッ!遂に本性を表したわね!この化け猫!皆様方、これがアシュラムの本当の姿ですわよ。さあさ、ご覧遊ばせください!!」
メリナは怒り狂うアシュラムを更に挑発する。
もやはパーティーどころの騒ぎではない。
私の晴れ舞台が台無しだ。
来賓達は固唾を飲んで見守る者や、興味津々に聞き入る者で、会場は緊迫した雰囲気だった。
「このっ……クソアマァ!!!」
アシュラムはメリナ様に向かって突進する。
だがどこからともなく現れたメリナの護衛の者達に取り押さえられた。
「離せ!離せっ…!この女狐を殺してやる!」
「何をしているの!さっさとこの野蛮な獣を、ここから追い出しなさい!」
「おいっ……何をする!辞めろォ!」
ジタバタと暴れるアシュラムは、メリナ様の護衛達の手によって大広場から追い出される。
アシュラムは最後まで何かを叫んでいたが、次第に声が小さくなり、やがてそれは途絶えた。
(もう、めちゃくちゃだわ……)
私は膝から崩れ落ち、ただ呆然とするだけだった。
***
「お騒がせしてしまったわね。それで先程の続きなんだけれど、明日、お詫びを兼ねて桜姫を晩餐会に招待したいの」
あんな騒ぎの後だというのに、何事もなかったかのように平然と振る舞うメリナ様が、私にはとても恐ろしく思えた。
「晩餐会……ですか?」
私は、顔を引き攣らせながら答える。
「そうよ。親睦を深めるにはいい機会だと思うの。是非、来てくれるわよね?」
と圧を掛けるように顔を近付けるメリナ様に、私は断ることが出来なかった。
何よりこれ以上メリナ様の癪に触れる様な真似をして、騒ぎを起こしたくなかったのだ。
私はやっと訪れた平穏を守る為に、その場を無難にやり過ごすことに専念する。
「……分かりました。メリナ様の折角のお誘いを断る訳にはいけませんわ。是非伺わせて頂きます」
「あなたならきっとそう言ってくださると信じてたわ。では明日の晩に大食堂でお待ちしておりますわね!」
私にそう言うと、メリナは来賓客達に向かって--
「皆さん今日は桜姫の歓迎パーティーでもあるのよ!最後まで楽しみましょう!さあ、早く続きを始めなさい!さあ!」と言い放った。
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