プレゼント・タイム

床田とこ

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 サッカー部に所属する蓮太は、けして強豪とは言えない我が校のサッカー部にあって、去年の秋から絶対的なエースストライカーだった。

 二年生ながら部の中心選手で責任感も強く、朝と夕方は毎日部活に行っている。

「アイ、今日から期末テスト一週間前だよ」
「あ」
「部活休みの間は、一緒に帰ろう」

 その「一緒に」が余計に余計なのだ。説明に足りないのに、それを付け加える。私はまわりに説明するのも面倒だし、そして本人は天然過ぎてその影響を全然分かっていない。厄介。

「……私はいつものように歩いて帰るから。好きにすればいいよ」
「分かった。勝手に横を歩くようにする」

 ひと言。「家が隣りだから」とか「幼馴染みだから」とか言ってくれれば、きっとクラスの温度は少しは冷める。

 でも、私たちはどちらもそうしなかった。結局、私はただ面倒なだけで、蓮太はただ天然なだけなんだけど。
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