プレゼント・タイム

床田とこ

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【Q】

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 幾分硬い表情の蓮太と向かい合う。
 昨日公園で別れてから、蓮太とは何の連絡もとっていない。
 夜寝る前に窓から隣家の二階の様子を伺ってみたけれど、ずっと部屋の明かりもデスクライトも灯る気配は無かった。

「……あした……て言ってた」
「え?」

「昨日。蓮太『あした』って言って帰ったよ」
「……そうだね」

 とりあえず行こう、と体を並木道の方に向けた。今日は話さなければいけないことがたくさんある。校門に着くまでの一本道に、私は頭の中で複雑なロードマップを広げた。

「……蓮太、あのさ
「ごめん!」
「?」

 歩きながら、蓮太が目を瞑って首を垂れる。
 私を遮る蓮太の声の方が少し大きくて、イニシアチブが移った会話の行く末が読めなくなった。


「せっかくアイが本当のことを話してくれたのに……酷いことを言ったと思う。心から、ごめん……」

「いい。狂っているのは間違いないもん」

「いや!その……」

「あ、えと、そういうことじゃない。本当にいいの。いじけてる訳でも怒ってる訳でもなく、自分が普通じゃないのはよく分かってるから……。少し自覚と心の準備が足らなくて、ちょっとショックは受けたけど」

「だから、あの、なんていうか。俺、びっくりしたっていうか」


 それはそうだと思う。
 ずっと一緒だった幼馴染みから、唐突にあんな狂気の告白を聞かされて、正気でいれる訳がない。
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