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2 ラクロア様信じて
雪が降り積もっていくのをぼんやりと眺めていました。ひとひら、ひとひら、ひらひらと、僕の冷たくなった身体にも舞い落ちてきます。
とっても眠たくなってきて、死期がもうすぐそこだと思いました。静かな中庭のベンチの下。僕が選んだ死に場所で、僕は、人間にしては短い命を終えるつもりでした。
遠くの方から、バタバタと激しい足音が聞こえて、何かあったのかな?と少しだけ気になりました。でももう起き上がる気力も顔を上げる気力もありません。
「なんでっ……お前は、こんな所に!!死にたいのか」
「らくのあさま?」
「こんなに冷えきって、ばかっ!!」
ラクロア様は僕を抱き上げ、急いで暖炉のある暖かな部屋に入り、必死で毛布で僕をくるみ暖炉の前で温めてくれました。身体が急激に熱をもっていきました。温かくて、気持ち良くて、僕はもしかして死んでまた猫になれたのかな?と思いました。だって、猫じゃないと、ラクロア様は僕のこと嫌いみたいだったから。
「しっかりしろ、死ぬな、もう死ぬな」
ラクロア様の悲しげな声が聞こえます。困ったな、猫にならないと好きになってもらえないのに。
「ぼく、死んでもう一度、猫になってくるから、そしたら、また飼ってくれますか?人間は嫌いでしょう?ラクロアさま」
「……嘘ではないのか?」
「嘘じゃないです、あの後、メイドは捕まえましたか?僕、見てたから解ります、あの人がワインに毒を入れたの、ラクロア様に飲んじゃだめって言ったのに、全然気づいてくれなくて、僕、困ったんですよ」
「ニャリス……」
「はぃ」
「ニャリス、ニャリスっ、お前が死んでどれだけ悲しかったか、お前がいなくなってどれだけ寂しかったか……嘘じゃないなら、もういなくなるな」
「嘘じゃないです」
「ならずっと俺のそばにいろ」
「いて良いの?」
「あぁ、いて欲しい、だから早く元気になるんだ、もうあんなところで寝るな」
「寝てたんじゃないよ、あそこで死のうと思ったんだよ」
僕がそう言うと、ラクロア様は眉を寄せて、凄く悲しい顔をした。
「僕、ラクロア様が大好きだったから、また優しくして欲しかったの、死んでもう一回猫になったら優しくしてくれるかなって」
「悪かった、俺が悪かったから、もう死のうなんて思わないでくれ」
「良いんだよ、そんなに死ぬのは恐くないの、猫は7回生まれ変われるの、だから」
「だめだ、もう死ぬな、危ないこともするな、俺のために毒をなめるな、俺を一人にするな」
「うん」
「いいか?本当にだめだぞ、絶対簡単に死ぬな」
「うん」
わかったよと、ラクロア様の胸にスリスリしたら、ラクロア様が大きな手でなでてくれた。優しい手、大好き。
とっても眠たくなってきて、死期がもうすぐそこだと思いました。静かな中庭のベンチの下。僕が選んだ死に場所で、僕は、人間にしては短い命を終えるつもりでした。
遠くの方から、バタバタと激しい足音が聞こえて、何かあったのかな?と少しだけ気になりました。でももう起き上がる気力も顔を上げる気力もありません。
「なんでっ……お前は、こんな所に!!死にたいのか」
「らくのあさま?」
「こんなに冷えきって、ばかっ!!」
ラクロア様は僕を抱き上げ、急いで暖炉のある暖かな部屋に入り、必死で毛布で僕をくるみ暖炉の前で温めてくれました。身体が急激に熱をもっていきました。温かくて、気持ち良くて、僕はもしかして死んでまた猫になれたのかな?と思いました。だって、猫じゃないと、ラクロア様は僕のこと嫌いみたいだったから。
「しっかりしろ、死ぬな、もう死ぬな」
ラクロア様の悲しげな声が聞こえます。困ったな、猫にならないと好きになってもらえないのに。
「ぼく、死んでもう一度、猫になってくるから、そしたら、また飼ってくれますか?人間は嫌いでしょう?ラクロアさま」
「……嘘ではないのか?」
「嘘じゃないです、あの後、メイドは捕まえましたか?僕、見てたから解ります、あの人がワインに毒を入れたの、ラクロア様に飲んじゃだめって言ったのに、全然気づいてくれなくて、僕、困ったんですよ」
「ニャリス……」
「はぃ」
「ニャリス、ニャリスっ、お前が死んでどれだけ悲しかったか、お前がいなくなってどれだけ寂しかったか……嘘じゃないなら、もういなくなるな」
「嘘じゃないです」
「ならずっと俺のそばにいろ」
「いて良いの?」
「あぁ、いて欲しい、だから早く元気になるんだ、もうあんなところで寝るな」
「寝てたんじゃないよ、あそこで死のうと思ったんだよ」
僕がそう言うと、ラクロア様は眉を寄せて、凄く悲しい顔をした。
「僕、ラクロア様が大好きだったから、また優しくして欲しかったの、死んでもう一回猫になったら優しくしてくれるかなって」
「悪かった、俺が悪かったから、もう死のうなんて思わないでくれ」
「良いんだよ、そんなに死ぬのは恐くないの、猫は7回生まれ変われるの、だから」
「だめだ、もう死ぬな、危ないこともするな、俺のために毒をなめるな、俺を一人にするな」
「うん」
「いいか?本当にだめだぞ、絶対簡単に死ぬな」
「うん」
わかったよと、ラクロア様の胸にスリスリしたら、ラクロア様が大きな手でなでてくれた。優しい手、大好き。
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