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18 教育
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膝の上でぷるぷるしてるニャリスを、よしよしとなだめながら、ラクロアはため息を吐いた。
「ユリスを伴侶にすれば火種は立たない、それで良いだろう」
「良いですけど、お兄様、伴侶として扱うならそれなりの身分と学歴が要りますわ、王立騎士学校へ入れる気はないんですの?」
「うーん」
何のことか解ってないニャリスがラクロアを不安げに見上げている。この角度からみるニャリスは、誠に可愛い。こんな可愛いものを騎士学校へ入れたら、、、色んな意味で危ない気がする。俺の保護下に有るものに悪意を持つ者もまだ国内には居るし。
「騎士学校へは入れない、離れて暮らすのはユリスが嫌がる」
「ユリスさんが嫌がるんですの?お兄様ではなくて?」
「俺も嫌だ」
「……だとしたら、せめてマナー等を教える教師をつけるべきですわ、お兄様は忙しいのだし」
「ユリスを外へ出す気は無いが」
「無理ですわ、晩餐会に連れていき御披露目くらいしないと、伴侶として誰からも認められませんわ、それなりの地位がないとユリスさんも辛いし、侮られますわ、地位のない伴侶を持つのは平民からすれば美談ではありますけれど、誰でもお兄様の伴侶になれると勘違いするやからもでてきます、鬱陶しいですわよ?」
確かに、平民だろうと伴侶になれると誰もが勘違いしたら、ラクロアにアタックをしかけてくる者は増えるだろう。げんなりする。
「身分は私達のガードでもありますのよ、お兄様の伴侶になるなら、せめて伯爵家の養子にしないと」
「そうだな」
そばに置くだけでは駄目だとは薄々は解っていたが、なにせニャリスは猫なので、他人の手に預けるのは不安だ。妹の戯言ではないが、それこそ、悪魔などと言われても困る。魂を引き継いで生まれ変わるなど、普通は有り得ない、有り得ないことは注目を浴びる。注目は、嫉妬や憶測を呼ぶ。憶測は危険だ。
「ローラン伯爵家の養子にいれてもらえるよう手筈を整える、彼はお前の筆頭後見人でもあるし、私の伴侶の親になるにはうってつけだ」
「ついでに、本当の息子も勧められるかもしれませんわよ」
「俺は別に同性愛者というわけではない、息子を勧められても困る、まぁ、義理の親になるんだ構わんだろ」
「そうですわね、きっとローラン伯爵は二つ返事をなさるわ、で、マナーの方は?」
「マナーは……俺が」
「お兄様が?無理ではなくて」
「う、うむ」
「解りましたわ、現王も今年で12になりましたもの、一緒に教育してあげますわ、どうせ毎日お兄様は王宮へいらっしゃるんだし、ついでにユリスさんを私の所へ連れてきなさいな」
「いや、しかし、ユリスの気持ちを聞かないと」
腕のなかでポーッとしている、ニャリスの顔を覗き込むと、きゅるっとした顔で小首を傾げた。はぁ、可愛い。
「ユリスさん、貴方がマナーを覚えないと、お兄様は困るのですわよ、別れることになるかも」
「えっ!?嫌です」
「嫌なら、お勉強なさい、明日から私が王と共に教育致します」
「えっ、えっ、ラクロアさまぁ」
泣きそうな顔でしがみつかれて、マナーも勉強もどうでも良いと言いそうになり、口を噤む。
「ユリス、私の為に頑張れるか?」
「ラクロア様のためなの?」
「あぁ、お前とずっといるためだ、もちろん嫌なら強要はしない、違う道を探すし、私とお前が離れることはない、別れない、エクリーヌそれは絶対だ、俺たちは別れない」
「はいはい、解りましたわよ、では、きちんと説得してくださいな、私、暇ではないのよ、明日からの準備を整えてお待ちしてますわ、では、今日のところは失礼させていただきます」
エクリーヌは、優雅な所作で一礼をし、部屋から退室していった。
「ユリスを伴侶にすれば火種は立たない、それで良いだろう」
「良いですけど、お兄様、伴侶として扱うならそれなりの身分と学歴が要りますわ、王立騎士学校へ入れる気はないんですの?」
「うーん」
何のことか解ってないニャリスがラクロアを不安げに見上げている。この角度からみるニャリスは、誠に可愛い。こんな可愛いものを騎士学校へ入れたら、、、色んな意味で危ない気がする。俺の保護下に有るものに悪意を持つ者もまだ国内には居るし。
「騎士学校へは入れない、離れて暮らすのはユリスが嫌がる」
「ユリスさんが嫌がるんですの?お兄様ではなくて?」
「俺も嫌だ」
「……だとしたら、せめてマナー等を教える教師をつけるべきですわ、お兄様は忙しいのだし」
「ユリスを外へ出す気は無いが」
「無理ですわ、晩餐会に連れていき御披露目くらいしないと、伴侶として誰からも認められませんわ、それなりの地位がないとユリスさんも辛いし、侮られますわ、地位のない伴侶を持つのは平民からすれば美談ではありますけれど、誰でもお兄様の伴侶になれると勘違いするやからもでてきます、鬱陶しいですわよ?」
確かに、平民だろうと伴侶になれると誰もが勘違いしたら、ラクロアにアタックをしかけてくる者は増えるだろう。げんなりする。
「身分は私達のガードでもありますのよ、お兄様の伴侶になるなら、せめて伯爵家の養子にしないと」
「そうだな」
そばに置くだけでは駄目だとは薄々は解っていたが、なにせニャリスは猫なので、他人の手に預けるのは不安だ。妹の戯言ではないが、それこそ、悪魔などと言われても困る。魂を引き継いで生まれ変わるなど、普通は有り得ない、有り得ないことは注目を浴びる。注目は、嫉妬や憶測を呼ぶ。憶測は危険だ。
「ローラン伯爵家の養子にいれてもらえるよう手筈を整える、彼はお前の筆頭後見人でもあるし、私の伴侶の親になるにはうってつけだ」
「ついでに、本当の息子も勧められるかもしれませんわよ」
「俺は別に同性愛者というわけではない、息子を勧められても困る、まぁ、義理の親になるんだ構わんだろ」
「そうですわね、きっとローラン伯爵は二つ返事をなさるわ、で、マナーの方は?」
「マナーは……俺が」
「お兄様が?無理ではなくて」
「う、うむ」
「解りましたわ、現王も今年で12になりましたもの、一緒に教育してあげますわ、どうせ毎日お兄様は王宮へいらっしゃるんだし、ついでにユリスさんを私の所へ連れてきなさいな」
「いや、しかし、ユリスの気持ちを聞かないと」
腕のなかでポーッとしている、ニャリスの顔を覗き込むと、きゅるっとした顔で小首を傾げた。はぁ、可愛い。
「ユリスさん、貴方がマナーを覚えないと、お兄様は困るのですわよ、別れることになるかも」
「えっ!?嫌です」
「嫌なら、お勉強なさい、明日から私が王と共に教育致します」
「えっ、えっ、ラクロアさまぁ」
泣きそうな顔でしがみつかれて、マナーも勉強もどうでも良いと言いそうになり、口を噤む。
「ユリス、私の為に頑張れるか?」
「ラクロア様のためなの?」
「あぁ、お前とずっといるためだ、もちろん嫌なら強要はしない、違う道を探すし、私とお前が離れることはない、別れない、エクリーヌそれは絶対だ、俺たちは別れない」
「はいはい、解りましたわよ、では、きちんと説得してくださいな、私、暇ではないのよ、明日からの準備を整えてお待ちしてますわ、では、今日のところは失礼させていただきます」
エクリーヌは、優雅な所作で一礼をし、部屋から退室していった。
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