前世が飼い猫だったので、今世もちゃんと飼って下さい

夜鳥すぱり

文字の大きさ
18 / 50

18 教育

 膝の上でぷるぷるしてるニャリスを、よしよしとなだめながら、ラクロアはため息を吐いた。

「ユリスを伴侶にすれば火種は立たない、それで良いだろう」
「良いですけど、お兄様、伴侶として扱うならそれなりの身分と学歴が要りますわ、王立騎士学校へ入れる気はないんですの?」
「うーん」

何のことか解ってないニャリスがラクロアを不安げに見上げている。この角度からみるニャリスは、誠に可愛い。こんな可愛いものを騎士学校へ入れたら、、、色んな意味で危ない気がする。俺の保護下に有るものに悪意を持つ者もまだ国内には居るし。

「騎士学校へは入れない、離れて暮らすのはユリスが嫌がる」
「ユリスさんが嫌がるんですの?お兄様ではなくて?」
「俺も嫌だ」
「……だとしたら、せめてマナー等を教える教師をつけるべきですわ、お兄様は忙しいのだし」
「ユリスを外へ出す気は無いが」
「無理ですわ、晩餐会に連れていき御披露目くらいしないと、伴侶として誰からも認められませんわ、それなりの地位がないとユリスさんも辛いし、侮られますわ、地位のない伴侶を持つのは平民からすれば美談ではありますけれど、誰でもお兄様の伴侶になれると勘違いするやからもでてきます、鬱陶しいですわよ?」

確かに、平民だろうと伴侶になれると誰もが勘違いしたら、ラクロアにアタックをしかけてくる者は増えるだろう。げんなりする。

「身分は私達のガードでもありますのよ、お兄様の伴侶になるなら、せめて伯爵家の養子にしないと」
「そうだな」

そばに置くだけでは駄目だとは薄々は解っていたが、なにせニャリスは猫なので、他人の手に預けるのは不安だ。妹の戯言ではないが、それこそ、悪魔などと言われても困る。魂を引き継いで生まれ変わるなど、普通は有り得ない、有り得ないことは注目を浴びる。注目は、嫉妬や憶測を呼ぶ。憶測は危険だ。

「ローラン伯爵家の養子にいれてもらえるよう手筈を整える、彼はお前の筆頭後見人でもあるし、私の伴侶の親になるにはうってつけだ」
「ついでに、本当の息子も勧められるかもしれませんわよ」

「俺は別に同性愛者というわけではない、息子を勧められても困る、まぁ、義理の親になるんだ構わんだろ」
「そうですわね、きっとローラン伯爵は二つ返事をなさるわ、で、マナーの方は?」
「マナーは……俺が」
「お兄様が?無理ではなくて」
「う、うむ」
「解りましたわ、現王も今年で12になりましたもの、一緒に教育してあげますわ、どうせ毎日お兄様は王宮へいらっしゃるんだし、ついでにユリスさんを私の所へ連れてきなさいな」
「いや、しかし、ユリスの気持ちを聞かないと」

腕のなかでポーッとしている、ニャリスの顔を覗き込むと、きゅるっとした顔で小首を傾げた。はぁ、可愛い。

「ユリスさん、貴方がマナーを覚えないと、お兄様は困るのですわよ、別れることになるかも」
「えっ!?嫌です」
「嫌なら、お勉強なさい、明日から私が王と共に教育致します」
「えっ、えっ、ラクロアさまぁ」

泣きそうな顔でしがみつかれて、マナーも勉強もどうでも良いと言いそうになり、口を噤む。

「ユリス、私の為に頑張れるか?」
「ラクロア様のためなの?」
「あぁ、お前とずっといるためだ、もちろん嫌なら強要はしない、違う道を探すし、私とお前が離れることはない、別れない、エクリーヌそれは絶対だ、俺たちは別れない」
「はいはい、解りましたわよ、では、きちんと説得してくださいな、私、暇ではないのよ、明日からの準備を整えてお待ちしてますわ、では、今日のところは失礼させていただきます」

エクリーヌは、優雅な所作で一礼をし、部屋から退室していった。



あなたにおすすめの小説

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

無愛想な氷の貴公子は臆病な僕だけを逃さない~十年の片想いが溶かされるまで~

たら昆布
BL
執着ヤンデレ攻め×一途受け

魔王さまのヒミツ♡

黒木  鳴
BL
歴代最年少で魔王の地位に就いたレイには隠し通さなければならない秘密がある。それは……「魔王もうやだぁぁぁ~~!!下剋上こわいよぉぉぉーーー!!!」その実態が泣き虫ポンコツ魔王だということ。バレれば即・下剋上を挑まれることは必至!なので先々代の魔王を父に持ち、悪魔公爵ジェラルドが膝を折ったという2枚看板を武器にクールな魔王を演じている。だけどその実力を疑う者たちも出てきて……?!果たしてレイの運命は……?!溺愛腹黒系悪魔×初心な小悪魔系吸血鬼。お茶目なパパんも大活躍!!

異世界オークションで売られた俺、落札したのは昔助けた狼でした

うんとこどっこいしょ
BL
異世界の闇オークションで商品として目覚めた青年・アキラ。 獣人族たちに値踏みされ、競りにかけられる恐怖の中、彼を千枚の金貨で落札したのは、銀灰色の髪を持つ狼の獣人・ロウだった。 怯えるアキラに、ロウは思いがけない言葉を告げる。 「やっと会えた。お前は俺の命の恩人だ」 戸惑うアキラの脳裏に蘇るのは、かつて雨の日に助けた一匹の子狼との記憶。 獣人世界を舞台に、命の恩人であるアキラと、一途に想い続けた狼獣人が紡ぐ、執着と溺愛の異世界BLロマンス。 第一章 完結 第二章 完結 第三章 完結

【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています

八神紫音
BL
 魔道士はひ弱そうだからいらない。  そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。  そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、  ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??