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第一章 出会い編
第14話 ガルディアス 入城② ロイド・レイランドルフとの対面
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(……?何だ?)
当たり障りのない説明をロイドから聞きつつ切り出すタイミングを図っていた俺は、注視していたロイドを見て僅かに違和感を抱いた。
言動もはっきりしているし足取りも確か。だけど何か…。俺の本能的な部分が彼のなにかに違和感を覚えている。
説明できない気持ち悪さに苛つきを覚えた俺は
「……ロイド殿」
「?どうされたのですかガド殿?」
「差し支えなければロイド殿の城内の私室を見学できまいかな?いやぁ、情けないことなのだが、日頃同僚や陛下すら私の私室を見て顔を顰めるのですよ。何でも『私室が汚いのは心の乱れ。引いては仕事も雑多になりミスが出る。改めよ』、とな。宰相職に就かれているロイド殿の私室ならばきっと参考になるかと。如何かな?」
少々強引だが仕方がない。8割断られること覚悟で踏み込んでみたが、さて。
「…私の部屋が参考になるとも思いませんが。そうまでおっしゃるならばご案内しましょう」
「…ッ有難い!ロイド殿」
(おいおいマジかよ…。普通他国の人間に城内とは言え、私室見せろなんて言われたら冗談じゃない!って切れんだろ)
余りにもすんなりと得られた了承に、一瞬目を剥きかけて寸前で堪えた俺はしかしやはりおかしいだろう、と疑念を深めた。
答えたロイドは淀みなく歩いている為、大人しくついていく。
やがてたどり着いた部屋の前。
「本当に大して参考になるかはわかりませんが、どうぞ」
そう言うと、ロイドは鍵を開けて扉を開く。
瞬間 ー
(……!!!?)
ぞわり…と背中を何かが這いずり回る感覚に囚われた事に怖気を覚えた俺は、思わず後ろに素早く飛び退いた。
「!!?ガド殿!??」
「………。」
(おいおいおいおい嘘だろ!?“無し”だろこれは!!何で“アレ”がこんな所に!?)
廊下の壁いっぱいに突如飛び退いた俺に驚きの声をあげるロイドにしかし、差し障りのない言い訳を告げる余裕は今の俺には無かった。険しい目つきで開かれた扉の向こう、部屋の中を注視した結果。
見覚えのある、しかし同時にこんなところに存在してはいけないものが、かの部屋のデスクの上に堂々と鎮座しているのを発見してしまった。
「ガド殿、一体先程からどうなされ」
「ロイド殿」
「…は、はい?」
「……どこか適当な、それこそ内緒話にうってつけの場所か小部屋、知りませんかね。出来れば早急に。」
「……は?」
俺はロイドが、俺の口調と態度の変化に戸惑っていることはわかり切っていたが、最早構っていられるか!である。
「この際城内でなくとも…いやむしろその方がいいな。兎に角アレは後で何とかするとして、今は少しでも離れた場所で…」
「…ド殿、ガド殿!!」
「兎に角。
城内以外の場所で、早急に、内密な、話がしたい。それも、ロイド殿、貴殿とだ。
如何かか?」
「………。」
愛想もなにも削ぎ落としての俺の問い、それに対してロイドはというと。
俺の真意を探るように目を細めながら、
「…どうしても、私と『個人的』な話がしたいと?」
「ああそうだ」
「城内以外で、今すぐに?」
「ああそうだ」
「………。そうですか」
そう会話を終えると、自室の扉を閉め鍵をかけ直し、「外に出ます。ついてきてください」と俺に声をかけるや元来た廊下を歩き出す。
何かの緊急案件、それも自身が関係していることを察してくれたのだろう。
城外での話し合いに即決して行動を開始してくれたロイドにホッと肩の力を抜くと、足早に進む彼の後に続いた。
(くっそぉ~…。
単なる他国の、一領地、一貴族内の家庭内の不仲とか醜聞程度だと思ってたのに、面倒くせぇ…。
こりゃぁ、思ってたより少々厄介な事になりそうだぜ)
そんな厄介事を知らず持ち込んだ元凶と、厄介事に巻き込んだ上司に、恨むぜこんちくしょう!!としこたま悪態を吐きながら。
当たり障りのない説明をロイドから聞きつつ切り出すタイミングを図っていた俺は、注視していたロイドを見て僅かに違和感を抱いた。
言動もはっきりしているし足取りも確か。だけど何か…。俺の本能的な部分が彼のなにかに違和感を覚えている。
説明できない気持ち悪さに苛つきを覚えた俺は
「……ロイド殿」
「?どうされたのですかガド殿?」
「差し支えなければロイド殿の城内の私室を見学できまいかな?いやぁ、情けないことなのだが、日頃同僚や陛下すら私の私室を見て顔を顰めるのですよ。何でも『私室が汚いのは心の乱れ。引いては仕事も雑多になりミスが出る。改めよ』、とな。宰相職に就かれているロイド殿の私室ならばきっと参考になるかと。如何かな?」
少々強引だが仕方がない。8割断られること覚悟で踏み込んでみたが、さて。
「…私の部屋が参考になるとも思いませんが。そうまでおっしゃるならばご案内しましょう」
「…ッ有難い!ロイド殿」
(おいおいマジかよ…。普通他国の人間に城内とは言え、私室見せろなんて言われたら冗談じゃない!って切れんだろ)
余りにもすんなりと得られた了承に、一瞬目を剥きかけて寸前で堪えた俺はしかしやはりおかしいだろう、と疑念を深めた。
答えたロイドは淀みなく歩いている為、大人しくついていく。
やがてたどり着いた部屋の前。
「本当に大して参考になるかはわかりませんが、どうぞ」
そう言うと、ロイドは鍵を開けて扉を開く。
瞬間 ー
(……!!!?)
ぞわり…と背中を何かが這いずり回る感覚に囚われた事に怖気を覚えた俺は、思わず後ろに素早く飛び退いた。
「!!?ガド殿!??」
「………。」
(おいおいおいおい嘘だろ!?“無し”だろこれは!!何で“アレ”がこんな所に!?)
廊下の壁いっぱいに突如飛び退いた俺に驚きの声をあげるロイドにしかし、差し障りのない言い訳を告げる余裕は今の俺には無かった。険しい目つきで開かれた扉の向こう、部屋の中を注視した結果。
見覚えのある、しかし同時にこんなところに存在してはいけないものが、かの部屋のデスクの上に堂々と鎮座しているのを発見してしまった。
「ガド殿、一体先程からどうなされ」
「ロイド殿」
「…は、はい?」
「……どこか適当な、それこそ内緒話にうってつけの場所か小部屋、知りませんかね。出来れば早急に。」
「……は?」
俺はロイドが、俺の口調と態度の変化に戸惑っていることはわかり切っていたが、最早構っていられるか!である。
「この際城内でなくとも…いやむしろその方がいいな。兎に角アレは後で何とかするとして、今は少しでも離れた場所で…」
「…ド殿、ガド殿!!」
「兎に角。
城内以外の場所で、早急に、内密な、話がしたい。それも、ロイド殿、貴殿とだ。
如何かか?」
「………。」
愛想もなにも削ぎ落としての俺の問い、それに対してロイドはというと。
俺の真意を探るように目を細めながら、
「…どうしても、私と『個人的』な話がしたいと?」
「ああそうだ」
「城内以外で、今すぐに?」
「ああそうだ」
「………。そうですか」
そう会話を終えると、自室の扉を閉め鍵をかけ直し、「外に出ます。ついてきてください」と俺に声をかけるや元来た廊下を歩き出す。
何かの緊急案件、それも自身が関係していることを察してくれたのだろう。
城外での話し合いに即決して行動を開始してくれたロイドにホッと肩の力を抜くと、足早に進む彼の後に続いた。
(くっそぉ~…。
単なる他国の、一領地、一貴族内の家庭内の不仲とか醜聞程度だと思ってたのに、面倒くせぇ…。
こりゃぁ、思ってたより少々厄介な事になりそうだぜ)
そんな厄介事を知らず持ち込んだ元凶と、厄介事に巻き込んだ上司に、恨むぜこんちくしょう!!としこたま悪態を吐きながら。
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