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第一章 出会い編
閑話 ケインの独白②
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※前回に引き続き、不快指数Maxです。
長いです。
苦手な方は、回避してください!
………………………………………………………………………………
ああ。
ああ、嗚呼!……やっと。
やっと解放されたんですね、エリーシェ様!!!
棺の中で私の贈り物によって眠りにつく姿のなんて美しいことか。
そう。
正しく姫。眠れるエリーシェ姫だ。
心配せずとも貴方の身体は後で土の中から救い出して差し上げます。他国より取り寄せた秘薬で腐ることのないよう処理して領地の端に密かに購入しておいた屋敷におき、俺が永遠に愛して差し上げます。
だからどうか安心して眠っていてください!
歓喜の表情を浮かべそうになるのを必死で堪えている俺だが、早急に対処せねばならない案件が一つ。
夜遅くまで仕事をするあの男の習性を利用し、侍女たちが下がったのを見計らって。注意して注意して、散々注意を払って貴方の部屋に忍び込み、あの薬を飲ませたというのに。
まさか部屋を出る際に、あの異物と遭遇するだなんて。完全な失態だ。
俺が贈り物をしたという証拠はない。
何故ならアレは痕跡を残さない、そういう類のものだから。
しかし、実の娘にあの晩俺が貴方の部屋に出入りしていたことを告げられれば、あの忌忌しい男の事だ。俺の裏の仕事について徹底的に嗅ぎまわり、それがバレればその薬を俺が密かに入手したことまで突き止めるかもしれない。
それでは困るのだ。
これから眠るエリーシェ姫とのめくるめく愛の日々が始まるというのに。
どうやって娘の口を塞いでおこうか。
そんなことばかり考えていたものだから。
反応するのが遅れてしまった!
恥も外聞もなく泣くあの男に、異物が声をかけたのだ!!
異物が俺の方をチラッと見た。確定だ、アレはいう気だ!
まずい、と感じた瞬間だった。
………。
…………………。
やった。
ははは…………あははははは!
やりやがったよあの、男!!
折角異物が告げ口しようとしてたのに、自ら遮っただけでなく罵倒しやがった!!
やはりとんだ愚か者の屑だな、実の娘に言うに事欠いて『何故お前が生きている』だと!!
傑作すぎて笑いを堪えるのが容易じゃない。
あんなことを言われれば、もう告げ口を気にする必要はしばらくないだろう。
異物が泣きもせずこちらを睨んでいる気がするが、無視だ無視。
唯一不満があるとすれば、異物に関してはあの男と全く同意見だったことくらいだ。
嗚呼、エリーシェ姫、いや、もうあの男から解放されたのだから
俺の、俺だけのエリーシェ、と呼ぶべきか。
早く君の身体を屋敷に連れて行って
思う存分。
俺の愛を注ぎたいなぁ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やはり小気味良い程の屑っぷりだな、あの男は。
自分で言った言葉にビビって王都の城に逃げやがった。
男から領地の運営・管理を任されたのはいいが、常に王都にいられると、告げ口の危険は減るがその代わり、俺が頻繁に王都と領地を行き来してやつの指示を仰いだり命令を遂行しなくてはならない。
それじゃあ困るのだ。
俺のエリーシェと愛を育む時間が無くなる。
何か手はと思案しているときに、闇市に流れてきたものに目をつけた。それと同時に何度か違法な物の取引をしたことのある男爵家で金遣いの荒い屑女がその娘共々近々放逐されることを知った俺は一石二鳥どころか三鳥も狙える策を思いついた。
屑には屑女が似合いってことだろう。
すぐに行動を起こす。
その流れてきた珍しい物の入手元、群生地、効果、持続時間、屑女の正確な放逐の日取り。
そうして流れ物の定期入手の手段を手に入れた俺は。
実験も兼ねて、あの小賢しい年寄り、異物の乳母にそれを使ってみることにした。効果は的面だったので、あの男宛に手紙を書いてもらう。自分の暇乞いと新たな使用人を雇いたい、とな。
別になくとも構わなかったのだが、思いもかけずやつの署名入り許可の紙がまんまと手に入った。
それをプロの模倣筆者師(勿論裏稼業の人間)に見せて、精巧に偽造した結婚誓約書にやつの字でサインを入れてもらう。
するとどうだ?
立派なクズと屑女のカップル(こぶ付き)が完成だ!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実験的だった為か、すぐに正気を取り戻したあの婆さんは、まぁ、止む無く廃棄した。
一々うるさかったしな。それとあの屑女たちから異物を守ろうとした愚か者な使用人たちは、領主代理権限で解雇の上、適当に裏ルートで売り飛ばした。何人かは解雇前に姿をくらませたが、まぁあのクズ当主に人望がなかったんだろう。
さて、仕上げだ。
例の流れものを水の入った水筒とともに手に領地から王都の城、あの男が貰ったばかりだという自室(分不相応)に向かう。
そうして珍しい土産だと言い、ソレをやつの顔に強引に押し付けた。
…チッ。少し散ったようだ。10秒ほどで顔から離すと目の焦点が合ってない、成功だ!
待ちに待った瞬間に、知らず、本音が出てしまった。
…まぁいい。
効果は発揮された。
あとは定期的にソレを差し替えながら効果を継続させればいい。
これでもう、このクズが、俺のエリーシェと異物を思い出すこともなければ密告の心配もない。
晴れて俺は領地の片隅で、オレのエリーシェと存分に愛し合える。
はぁぁぁ。疲れた。
自分のために働くことは嫌いではないが。
屑のために使う労力は本当に無駄だ。
俺のエリーシェ
なるべく早く帰るから
仕事で疲れた俺を君で癒やしてくれよ?
長いです。
苦手な方は、回避してください!
………………………………………………………………………………
ああ。
ああ、嗚呼!……やっと。
やっと解放されたんですね、エリーシェ様!!!
棺の中で私の贈り物によって眠りにつく姿のなんて美しいことか。
そう。
正しく姫。眠れるエリーシェ姫だ。
心配せずとも貴方の身体は後で土の中から救い出して差し上げます。他国より取り寄せた秘薬で腐ることのないよう処理して領地の端に密かに購入しておいた屋敷におき、俺が永遠に愛して差し上げます。
だからどうか安心して眠っていてください!
歓喜の表情を浮かべそうになるのを必死で堪えている俺だが、早急に対処せねばならない案件が一つ。
夜遅くまで仕事をするあの男の習性を利用し、侍女たちが下がったのを見計らって。注意して注意して、散々注意を払って貴方の部屋に忍び込み、あの薬を飲ませたというのに。
まさか部屋を出る際に、あの異物と遭遇するだなんて。完全な失態だ。
俺が贈り物をしたという証拠はない。
何故ならアレは痕跡を残さない、そういう類のものだから。
しかし、実の娘にあの晩俺が貴方の部屋に出入りしていたことを告げられれば、あの忌忌しい男の事だ。俺の裏の仕事について徹底的に嗅ぎまわり、それがバレればその薬を俺が密かに入手したことまで突き止めるかもしれない。
それでは困るのだ。
これから眠るエリーシェ姫とのめくるめく愛の日々が始まるというのに。
どうやって娘の口を塞いでおこうか。
そんなことばかり考えていたものだから。
反応するのが遅れてしまった!
恥も外聞もなく泣くあの男に、異物が声をかけたのだ!!
異物が俺の方をチラッと見た。確定だ、アレはいう気だ!
まずい、と感じた瞬間だった。
………。
…………………。
やった。
ははは…………あははははは!
やりやがったよあの、男!!
折角異物が告げ口しようとしてたのに、自ら遮っただけでなく罵倒しやがった!!
やはりとんだ愚か者の屑だな、実の娘に言うに事欠いて『何故お前が生きている』だと!!
傑作すぎて笑いを堪えるのが容易じゃない。
あんなことを言われれば、もう告げ口を気にする必要はしばらくないだろう。
異物が泣きもせずこちらを睨んでいる気がするが、無視だ無視。
唯一不満があるとすれば、異物に関してはあの男と全く同意見だったことくらいだ。
嗚呼、エリーシェ姫、いや、もうあの男から解放されたのだから
俺の、俺だけのエリーシェ、と呼ぶべきか。
早く君の身体を屋敷に連れて行って
思う存分。
俺の愛を注ぎたいなぁ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やはり小気味良い程の屑っぷりだな、あの男は。
自分で言った言葉にビビって王都の城に逃げやがった。
男から領地の運営・管理を任されたのはいいが、常に王都にいられると、告げ口の危険は減るがその代わり、俺が頻繁に王都と領地を行き来してやつの指示を仰いだり命令を遂行しなくてはならない。
それじゃあ困るのだ。
俺のエリーシェと愛を育む時間が無くなる。
何か手はと思案しているときに、闇市に流れてきたものに目をつけた。それと同時に何度か違法な物の取引をしたことのある男爵家で金遣いの荒い屑女がその娘共々近々放逐されることを知った俺は一石二鳥どころか三鳥も狙える策を思いついた。
屑には屑女が似合いってことだろう。
すぐに行動を起こす。
その流れてきた珍しい物の入手元、群生地、効果、持続時間、屑女の正確な放逐の日取り。
そうして流れ物の定期入手の手段を手に入れた俺は。
実験も兼ねて、あの小賢しい年寄り、異物の乳母にそれを使ってみることにした。効果は的面だったので、あの男宛に手紙を書いてもらう。自分の暇乞いと新たな使用人を雇いたい、とな。
別になくとも構わなかったのだが、思いもかけずやつの署名入り許可の紙がまんまと手に入った。
それをプロの模倣筆者師(勿論裏稼業の人間)に見せて、精巧に偽造した結婚誓約書にやつの字でサインを入れてもらう。
するとどうだ?
立派なクズと屑女のカップル(こぶ付き)が完成だ!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実験的だった為か、すぐに正気を取り戻したあの婆さんは、まぁ、止む無く廃棄した。
一々うるさかったしな。それとあの屑女たちから異物を守ろうとした愚か者な使用人たちは、領主代理権限で解雇の上、適当に裏ルートで売り飛ばした。何人かは解雇前に姿をくらませたが、まぁあのクズ当主に人望がなかったんだろう。
さて、仕上げだ。
例の流れものを水の入った水筒とともに手に領地から王都の城、あの男が貰ったばかりだという自室(分不相応)に向かう。
そうして珍しい土産だと言い、ソレをやつの顔に強引に押し付けた。
…チッ。少し散ったようだ。10秒ほどで顔から離すと目の焦点が合ってない、成功だ!
待ちに待った瞬間に、知らず、本音が出てしまった。
…まぁいい。
効果は発揮された。
あとは定期的にソレを差し替えながら効果を継続させればいい。
これでもう、このクズが、俺のエリーシェと異物を思い出すこともなければ密告の心配もない。
晴れて俺は領地の片隅で、オレのエリーシェと存分に愛し合える。
はぁぁぁ。疲れた。
自分のために働くことは嫌いではないが。
屑のために使う労力は本当に無駄だ。
俺のエリーシェ
なるべく早く帰るから
仕事で疲れた俺を君で癒やしてくれよ?
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