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第二章 帝国編
第17話 “真実”を語る茶会(中)
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※前回の続き(亡霊騒動の解決回)です!
→主に解説回
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の噂騒動について。
答えから言ってしまうと、
“消える侍女”の正体はシェイラだ。
髪を染めて侍女服を身に纏い、
時々出没しては魔法で姿を消すという酷く単純な行為ではあったものの、
噂に真実味を持たせるにはやはり目撃者も必要だから。
まずシェイラ達がが行ったことといえば、
今回のメイン協力者でもあるルミエス様への協力要請。
モリーから女官を通じて手紙をルミエス様へと渡して繋ぎをつけ、
密かに協力してくれる女官をを募ってもらった。
女官の中には、突如後宮入りした多くの令嬢達からの無茶振りに不満を覚えている者も多く、
その中でも職を辞したいと願っている者もいたからだ。
どこの馬の骨とも知れないシェイラから呼びかけたところで
色良い返事がもらえないことは分かりきっていた為、
公爵家の才女とまで謳われる彼女からその後の待遇などの保障などを見返りに言い含めてもらうことにした。
協力を二つ返事で了承した彼女が年嵩の厄介な侍女のいない隙を上手く利用して
女官を二人ほど取り込むことに成功したので、
その二人を通して例の噂ー…
“消える侍女の亡霊”の話を後宮の女官の間に流してもらった。
一度に令嬢を含めた全面に流さなかったのは、
初めにほんの一部の人間だけで囁かれることによってより真実味を持たせる為らしい。
そうして程良く噂が浸透したところで、
まずは協力者の女官一人目が後宮から姿を消す。
といってもただ単に後宮を辞して報酬をもらい、田舎へと帰っていっただけなのだが。
噂を耳にした者の不安をより明確化するために、
間髪入れず二人目もその翌日に。
彼女については歳の離れた妹の高価な薬を完治する時まで定期的に渡すことを約束したらしく、薬を得ると飛ぶような勢いで後宮を後にしたらしい。
……余程離れて暮らすその妹さんが心配だったのだろう。
勿論その間、何度か幾人かの人間の前で出没しては消えて見せたりすることも忘れない。
そうして噂に過ぎなかった亡霊侍女に現実感が生まれたことで、
最後の駄目押しとばかりにルミエス様が姿を消した。
予定より幾分早くに白磁宮内へと身を隠すことになったのには少々驚いたが、
きっと余程あの年嵩の侍女が嫌だったのだろうと皆納得した。
(本人も激しく同意していた)
予め亡霊役として気付かずの魔法で後宮を出入りしていたシェイラがルミエス様から直筆の手紙を受け取り、それを皇帝直属の影に持たせて公爵本人にだけは真実と協力をお願いする旨は伝えられていた為に、例の侍女がルミエス様が後宮で消えたと公爵家に駆け込んできた際にも大事にならずに済んだという訳だ。
公爵家の一人娘がいなくなったのに、
大きな騒ぎとなっていないのがその証拠だ。
(因みにー…才色兼備な自慢の娘をこよなく溺愛しているらしい公爵が、
協力を断る可能性はほぼなかったそうだ)
そのままその高慢な侍女も、ルミエスを放って単身公爵家へと戻って騒ぎを起こしたとして解雇されたらしいと伝え聞いた。
ルミエス様を心配しての行動だっただけにしては少々酷な処罰では?
と思ってしまったのはシェイラが甘いからなのか、それともその侍女が想像以上に厄介な人間なのか。
そしてこの騒動で一番の予想外だったのが、
100程いた令嬢達の殆どが後宮を去ったこと。
ある意味、非常に好都合な結果をシェイラ達に齎らした。
実のところこんなにも多くの令嬢を集めることが出来たのも、
各令嬢達の婚約者の有無を全く考慮せずに国中から強引に集めたからであり。
一部の野心に満ちた令嬢以外は、
元々別に婚約者がいたりといった事情もあって今回の選定に消極的な人達が案外多かったのだ。
亡霊騒動で恐怖心に負けた令嬢も含めて、
殆どの令嬢が後宮を去ったことで、
本来困難を極めると予測していた彼女達への対処は大幅に軽減された。
そして今、婚約者もなく、
亡霊騒動にも挫ける事のなかった令嬢達の名がこの茶会で挙げられていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※説明が思ったよりも長くなったので、
もう一話続けます!
次回更新予定時間→11時頃
→主に解説回
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今回の噂騒動について。
答えから言ってしまうと、
“消える侍女”の正体はシェイラだ。
髪を染めて侍女服を身に纏い、
時々出没しては魔法で姿を消すという酷く単純な行為ではあったものの、
噂に真実味を持たせるにはやはり目撃者も必要だから。
まずシェイラ達がが行ったことといえば、
今回のメイン協力者でもあるルミエス様への協力要請。
モリーから女官を通じて手紙をルミエス様へと渡して繋ぎをつけ、
密かに協力してくれる女官をを募ってもらった。
女官の中には、突如後宮入りした多くの令嬢達からの無茶振りに不満を覚えている者も多く、
その中でも職を辞したいと願っている者もいたからだ。
どこの馬の骨とも知れないシェイラから呼びかけたところで
色良い返事がもらえないことは分かりきっていた為、
公爵家の才女とまで謳われる彼女からその後の待遇などの保障などを見返りに言い含めてもらうことにした。
協力を二つ返事で了承した彼女が年嵩の厄介な侍女のいない隙を上手く利用して
女官を二人ほど取り込むことに成功したので、
その二人を通して例の噂ー…
“消える侍女の亡霊”の話を後宮の女官の間に流してもらった。
一度に令嬢を含めた全面に流さなかったのは、
初めにほんの一部の人間だけで囁かれることによってより真実味を持たせる為らしい。
そうして程良く噂が浸透したところで、
まずは協力者の女官一人目が後宮から姿を消す。
といってもただ単に後宮を辞して報酬をもらい、田舎へと帰っていっただけなのだが。
噂を耳にした者の不安をより明確化するために、
間髪入れず二人目もその翌日に。
彼女については歳の離れた妹の高価な薬を完治する時まで定期的に渡すことを約束したらしく、薬を得ると飛ぶような勢いで後宮を後にしたらしい。
……余程離れて暮らすその妹さんが心配だったのだろう。
勿論その間、何度か幾人かの人間の前で出没しては消えて見せたりすることも忘れない。
そうして噂に過ぎなかった亡霊侍女に現実感が生まれたことで、
最後の駄目押しとばかりにルミエス様が姿を消した。
予定より幾分早くに白磁宮内へと身を隠すことになったのには少々驚いたが、
きっと余程あの年嵩の侍女が嫌だったのだろうと皆納得した。
(本人も激しく同意していた)
予め亡霊役として気付かずの魔法で後宮を出入りしていたシェイラがルミエス様から直筆の手紙を受け取り、それを皇帝直属の影に持たせて公爵本人にだけは真実と協力をお願いする旨は伝えられていた為に、例の侍女がルミエス様が後宮で消えたと公爵家に駆け込んできた際にも大事にならずに済んだという訳だ。
公爵家の一人娘がいなくなったのに、
大きな騒ぎとなっていないのがその証拠だ。
(因みにー…才色兼備な自慢の娘をこよなく溺愛しているらしい公爵が、
協力を断る可能性はほぼなかったそうだ)
そのままその高慢な侍女も、ルミエスを放って単身公爵家へと戻って騒ぎを起こしたとして解雇されたらしいと伝え聞いた。
ルミエス様を心配しての行動だっただけにしては少々酷な処罰では?
と思ってしまったのはシェイラが甘いからなのか、それともその侍女が想像以上に厄介な人間なのか。
そしてこの騒動で一番の予想外だったのが、
100程いた令嬢達の殆どが後宮を去ったこと。
ある意味、非常に好都合な結果をシェイラ達に齎らした。
実のところこんなにも多くの令嬢を集めることが出来たのも、
各令嬢達の婚約者の有無を全く考慮せずに国中から強引に集めたからであり。
一部の野心に満ちた令嬢以外は、
元々別に婚約者がいたりといった事情もあって今回の選定に消極的な人達が案外多かったのだ。
亡霊騒動で恐怖心に負けた令嬢も含めて、
殆どの令嬢が後宮を去ったことで、
本来困難を極めると予測していた彼女達への対処は大幅に軽減された。
そして今、婚約者もなく、
亡霊騒動にも挫ける事のなかった令嬢達の名がこの茶会で挙げられていた。
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