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「なにさ?寒いから誰かにくっついてないと動けないんだよ。ね、吹雪ちゃん?てか吹雪ちゃん、手、あったかいねぇ。大丈夫?熱ない?」
手を恋人つなぎにされて、おでこに手を当てられる。
ひゃっ!
美郷くん、手冷たい!
「あ、あの、ごめん、美郷くん。僕、さっきから熱っぽくて」
僕の首元をチョーカー越しに、クンクンと匂う。
うっすらと桃の香りが鼻をくすぐる。
「やっぱり!安心して、ボクが送ってくよ。ウチの車乗って」
「いいよ。移しちゃ悪いし」
「そんなの大丈夫!ふぶっちゃんの風邪だったら、むしろ移して!ボクがその風邪引き受けるよ!」
「ナントカだから、風邪引けないだろ」
「東津竹のアホに言われたかない。そっちのがバk、失礼、ナントカでしょ」
「吹雪は俺が送るから。さっさと帰れ」
「レオが一番危ないから!」
「おまえが一番頼りないだろ」
「そんなことない。井藤さん頼りになるから」
「運転手頼りにするな」
イトウさんが美郷くん家の運転手だって知ってるぐらい、仲良いんだ。
胸がずっしりと重くなる。
美郷くんは、“帝国第一のオーロラ姫”とうたわれるほどモテる、日本でも指折りの美人オメガで。
実際帝国第一の美人コンテストで優勝してる。
実家だって大手ゼネコンだし、性格も明るくて可愛らしいくてすごく優しい。
誰がどう見たって、檸凰と釣り合いが取れてる唯一のオメガだ。
それに比べて、僕はといえば。
勝手に応募されてた美人コンテストは、人目が怖くて辞退。
理学部で五本の指には入っているけど、それだけ。
実家は何の変哲もないベータ家庭で、性格はコミュ障。
土俵に上がる前から負けている。
「二人とも、ありがとう。まっすぐ帰るからいいよ、すぐそこだし。またね」
「送ってく」
「そうだよ、ダメだよ吹雪ちゃん。コイツに任せるのはしゃくだけど、ボクに遠慮しちゃうなら、東津竹に送ってもらいな?あったかくして寝るんだよ~」
「ふふっ、美郷くん、お母さんみたい」
「オホホ、美郷ママに任せなさぁい!」
裏声でアメリカドラマの肝っ玉母ちゃんっぽく言うから、思わず吹き出してしまった。
「ふふっ、笑顔が戻って良かったぁ。コイツに任せるの、ホント心配だけど、一応アルファだからさ、守ってもらいな。こっちはあったかい食べ物、たっくさん買って持ってくから」
「ありがとう。でも「美郷ママの財力をナメるんじゃな~い。まぁ冗談はさておき、ボクが食べたいの買うついでに持ってくからさ、遠慮しないで。さ、急いで帰るぞぉ~。はい、ファイトー」
「なんで運動部のランニングみたいなんだ?」
「細かいことは気にしな~い」
「止めろ。吹雪が倒れる」
「あっそっか。歩いてこっか、吹雪ちゃん」
「ありがとう」
手を恋人つなぎにされて、おでこに手を当てられる。
ひゃっ!
美郷くん、手冷たい!
「あ、あの、ごめん、美郷くん。僕、さっきから熱っぽくて」
僕の首元をチョーカー越しに、クンクンと匂う。
うっすらと桃の香りが鼻をくすぐる。
「やっぱり!安心して、ボクが送ってくよ。ウチの車乗って」
「いいよ。移しちゃ悪いし」
「そんなの大丈夫!ふぶっちゃんの風邪だったら、むしろ移して!ボクがその風邪引き受けるよ!」
「ナントカだから、風邪引けないだろ」
「東津竹のアホに言われたかない。そっちのがバk、失礼、ナントカでしょ」
「吹雪は俺が送るから。さっさと帰れ」
「レオが一番危ないから!」
「おまえが一番頼りないだろ」
「そんなことない。井藤さん頼りになるから」
「運転手頼りにするな」
イトウさんが美郷くん家の運転手だって知ってるぐらい、仲良いんだ。
胸がずっしりと重くなる。
美郷くんは、“帝国第一のオーロラ姫”とうたわれるほどモテる、日本でも指折りの美人オメガで。
実際帝国第一の美人コンテストで優勝してる。
実家だって大手ゼネコンだし、性格も明るくて可愛らしいくてすごく優しい。
誰がどう見たって、檸凰と釣り合いが取れてる唯一のオメガだ。
それに比べて、僕はといえば。
勝手に応募されてた美人コンテストは、人目が怖くて辞退。
理学部で五本の指には入っているけど、それだけ。
実家は何の変哲もないベータ家庭で、性格はコミュ障。
土俵に上がる前から負けている。
「二人とも、ありがとう。まっすぐ帰るからいいよ、すぐそこだし。またね」
「送ってく」
「そうだよ、ダメだよ吹雪ちゃん。コイツに任せるのはしゃくだけど、ボクに遠慮しちゃうなら、東津竹に送ってもらいな?あったかくして寝るんだよ~」
「ふふっ、美郷くん、お母さんみたい」
「オホホ、美郷ママに任せなさぁい!」
裏声でアメリカドラマの肝っ玉母ちゃんっぽく言うから、思わず吹き出してしまった。
「ふふっ、笑顔が戻って良かったぁ。コイツに任せるの、ホント心配だけど、一応アルファだからさ、守ってもらいな。こっちはあったかい食べ物、たっくさん買って持ってくから」
「ありがとう。でも「美郷ママの財力をナメるんじゃな~い。まぁ冗談はさておき、ボクが食べたいの買うついでに持ってくからさ、遠慮しないで。さ、急いで帰るぞぉ~。はい、ファイトー」
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「細かいことは気にしな~い」
「止めろ。吹雪が倒れる」
「あっそっか。歩いてこっか、吹雪ちゃん」
「ありがとう」
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