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皇太子殿下から昼食に誘われました
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クリス様からサロンに呼び出されたのが昨日。今日もまたクリス様から昼食を一緒にと誘われました。今度は友達を連れて来てもいいと言われたのでティナ様とジェシー様について来ていただきます。
「まさか皇太子殿下からお誘いを受けるなんて…さすがエレナ様ですわね」
「いえ、そういうのじゃないです」
「じゃあどういうのですかぁ?」
「…珍獣を見て可愛く思うみたいな?」
「ち、珍獣…!」
「エレナ様はぁ、たまーに面白いことを仰りますねぇ?」
「だってそれ以外に声をかけられる理由がありませんから…」
「エレナ様のそういうところがぁ、皇太子殿下には好ましいのかもぉ」
「わかりますわ。エレナ様ったら本当にそういう可愛らしいところがあるから」
「褒めても何も出ませんよ?」
「いやね。本当に可愛らしい素敵な方だと思っているんですのよ?」
「もう、ティナ様ったら」
「私もエレナ様のそういうところ大好きですぅ」
「ジェシー様まで!」
なんやかやとお話しながらサロンを目指すと、クリス様は先に来て待っていてくれました。
「やあ、エレナ。オーギュスティナ嬢とジェシカ嬢もご機嫌よう」
「クリス様、ご機嫌よう。お招きいただきありがとうございます」
「皇太子殿下におかれましてはご機嫌麗しく」
「ご機嫌よう、皇太子殿下。よろしくお願いしますぅ」
「ああ。ここはリュシアン学園であり僕達の立場は今だけは平等だ。あまり畏る必要はないよ。さ、ソファーにどうぞ」
私達三人がクリス様に向き合うようにソファーに座ると、クリス様は昼食を使用人に用意させます。
「今日は僕の奢りだよ。好きなように食べて欲しい」
「わぁ。すごく豪勢ですねぇ。しがない伯爵家の三女にはキラキラして見えますぅ」
「美味しそうですけれど、奢っていただいて良いのですか?」
「いいのいいの。僕がそうしたいだけだから」
「では早速いただきますわ」
ティナ様がお料理に手を伸ばす。美味しそうに食べるティナ様とクリス様を見て、ジェシー様と私も手を伸ばす。
「美味しいですわ。さすが皇太子殿下がご用意してくださっただけはありますわね」
「クリス様、これ本当に美味しいです!ありがとうございます!」
「んー。美味しいですぅ…幸せぇ。エレナ様、お誘いありがとうございますぅ。皇太子殿下、こんなに美味しい食事本当にありがとうございますぅ!しかも私とティナ様の分まで用意してくださって、感謝だけじゃ足りないですぅ」
「あはは。そこまで喜ばれると嬉しいな」
「でも、お友達とお昼をご一緒しなくて大丈夫ですか?」
「んー。僕、側近候補はたくさんいるんだけど何の含みもない〝お友達〟っていないんだよね」
「え」
皇太子殿下はため息を一つ。
「皇太子として周りの人間には気を付けなきゃいけないだろう。優秀で、スキャンダルのない、家柄も悪くない、王家に尽くせる、僕に尽くせる人間を厳選して側に置いているつもり。でもそうなるとさぁ。プライベートでの付き合いとなるとねぇ。だからさ、エレナがプライベートでの僕の癒しになってよ」
最後に茶化してウィンクを投げてくるクリス様ですが、それってすごく寂しいのではないでしょうか。
「…クリス様、私でよろしければいつでも頼ってくださいね。聞くだけしかできないかもしれないですが、それでもよろしければ」
「エレナ様、そういうことを仰ると付け入れられますわよ」
「皇太子殿下ぁ。私の大切なお友達に粉かけないでくださいませぇ」
「これは手厳しいな。でも、僕は本気だよ?」
「それならぁ、何があってもエレナ様を守ってくださいねぇ?」
「もちろんだとも」
「私のお友達を泣かせたら、私皇太子殿下相手でも大人しくは出来ませんわよ?」
「心に刻んでおくよ」
…一体なんのお話でしょうか?
「まさか皇太子殿下からお誘いを受けるなんて…さすがエレナ様ですわね」
「いえ、そういうのじゃないです」
「じゃあどういうのですかぁ?」
「…珍獣を見て可愛く思うみたいな?」
「ち、珍獣…!」
「エレナ様はぁ、たまーに面白いことを仰りますねぇ?」
「だってそれ以外に声をかけられる理由がありませんから…」
「エレナ様のそういうところがぁ、皇太子殿下には好ましいのかもぉ」
「わかりますわ。エレナ様ったら本当にそういう可愛らしいところがあるから」
「褒めても何も出ませんよ?」
「いやね。本当に可愛らしい素敵な方だと思っているんですのよ?」
「もう、ティナ様ったら」
「私もエレナ様のそういうところ大好きですぅ」
「ジェシー様まで!」
なんやかやとお話しながらサロンを目指すと、クリス様は先に来て待っていてくれました。
「やあ、エレナ。オーギュスティナ嬢とジェシカ嬢もご機嫌よう」
「クリス様、ご機嫌よう。お招きいただきありがとうございます」
「皇太子殿下におかれましてはご機嫌麗しく」
「ご機嫌よう、皇太子殿下。よろしくお願いしますぅ」
「ああ。ここはリュシアン学園であり僕達の立場は今だけは平等だ。あまり畏る必要はないよ。さ、ソファーにどうぞ」
私達三人がクリス様に向き合うようにソファーに座ると、クリス様は昼食を使用人に用意させます。
「今日は僕の奢りだよ。好きなように食べて欲しい」
「わぁ。すごく豪勢ですねぇ。しがない伯爵家の三女にはキラキラして見えますぅ」
「美味しそうですけれど、奢っていただいて良いのですか?」
「いいのいいの。僕がそうしたいだけだから」
「では早速いただきますわ」
ティナ様がお料理に手を伸ばす。美味しそうに食べるティナ様とクリス様を見て、ジェシー様と私も手を伸ばす。
「美味しいですわ。さすが皇太子殿下がご用意してくださっただけはありますわね」
「クリス様、これ本当に美味しいです!ありがとうございます!」
「んー。美味しいですぅ…幸せぇ。エレナ様、お誘いありがとうございますぅ。皇太子殿下、こんなに美味しい食事本当にありがとうございますぅ!しかも私とティナ様の分まで用意してくださって、感謝だけじゃ足りないですぅ」
「あはは。そこまで喜ばれると嬉しいな」
「でも、お友達とお昼をご一緒しなくて大丈夫ですか?」
「んー。僕、側近候補はたくさんいるんだけど何の含みもない〝お友達〟っていないんだよね」
「え」
皇太子殿下はため息を一つ。
「皇太子として周りの人間には気を付けなきゃいけないだろう。優秀で、スキャンダルのない、家柄も悪くない、王家に尽くせる、僕に尽くせる人間を厳選して側に置いているつもり。でもそうなるとさぁ。プライベートでの付き合いとなるとねぇ。だからさ、エレナがプライベートでの僕の癒しになってよ」
最後に茶化してウィンクを投げてくるクリス様ですが、それってすごく寂しいのではないでしょうか。
「…クリス様、私でよろしければいつでも頼ってくださいね。聞くだけしかできないかもしれないですが、それでもよろしければ」
「エレナ様、そういうことを仰ると付け入れられますわよ」
「皇太子殿下ぁ。私の大切なお友達に粉かけないでくださいませぇ」
「これは手厳しいな。でも、僕は本気だよ?」
「それならぁ、何があってもエレナ様を守ってくださいねぇ?」
「もちろんだとも」
「私のお友達を泣かせたら、私皇太子殿下相手でも大人しくは出来ませんわよ?」
「心に刻んでおくよ」
…一体なんのお話でしょうか?
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