妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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皇太子殿下は私とお友達になってくださいました

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クリス様はジェシー様とティナ様とのお話を終えると、こちらに向き直ります。

「ということだから、エレナ。僕の〝お友達〟第一号になってくれるかい?」

「もちろんです、クリス様!私でよろしければ是非!」

「わあ、嬉しいなぁ…」

「今のところ脈無しな反応で落ち込んでいらっしゃるわ」

「皇太子殿下ぁ、元気出してくださいましぃ」

「うるさいよ第二号第三号!」

「あらやだ、私までお友達認定されてしまいましたわ」

「おかげさまでズバズバ言えますねぇ」

「放っておいてもズバズバ言うだろう君達は!」

なんだかわからないですが、クリス様が私達とお友達になってくださって嬉しいです。私達もお友達が出来るのは当然嬉しいですし、クリス様もこれで寂しくありませんよね!

「まったくもう…そういえば、エレナは二人と一緒に放課後の実験室には行くのかい?」

「放課後の実験室、ですか?」

「私達ぃ、放課後には実験室をお借りして新しいお薬を作る研究をしてるんですよぉ」

「たまに爆発とかやらかして怒られるので、エレナ様は巻き込めないと思いましたの。仲間はずれにしたつもりはありませんのよ…?」

ティナ様が不安そうな目を向けてきます。

「大丈夫です、ティナ様。そんなこと思ってません」

「本当にですの…?私、エレナ様に誤解されたり嫌われたりしたらとても悲しくて…」

「そんなことで嫌いになんてなりません!ティナ様もジェシー様も、大切なお友達ですから!」

「嬉しいですぅ、エレナ様ぁ!」

「私も本当に嬉しいですわ!」

「…君達本当に仲が良いよね。軽くジェラシー感じるんだけど」

「狭量な男は嫌われますわよ」

「皇太子殿下ぁ、男の嫉妬は醜いですぅ」

「…言ってくれるねぇ。今に見てなよ、エレナに僕を選ばせてやる」

「そういうところが格好悪いですわ」

「男女の仲と女子同士の友情は違いますよぉ?それすら認めないとか嫌われますよぉ?」

「あーもう!ああ言えばこう言う!」

「ふふ」

すっかり仲良しですね。とても楽しいです。
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