38 / 103
僕のものに手を出す不届き者への罰
しおりを挟む
僕は心配だからとエレナを馬車で家に送ると、マックスと会って少し話をすることにした。エレナのことはナタリーという使用人に任せて、頬を冷やすように指示してゆっくりと部屋で休ませる。
「マックス。ごめん、エレナの頬を赤く腫らしてしまった」
「何があったか説明していただけますか、皇太子殿下」
「もちろんだよ。バルバラ・アガットという侯爵令嬢がいて、僕に付き纏っていたんだが、その女がエレナに僕を奪われたと逆上したらしい」
「つまりある意味では皇太子殿下のせいなのですね」
ニコニコ笑って威嚇してくるマックス。
「いや、それに関しては…面目無い」
「まあいいでしょう。それで?」
…こうして尋問されると、幼い頃やんちゃをしてはマックスに怒られていたことを思い出すな。
「バルバラから人気のない空き教室に連れ出され、頬を平手打ちされたらしい。その後、突き飛ばされて魔法を打ち込まれそうになったところで僕が間に合った。アミュレットのおかげで魔法攻撃に関しては無事で、アミュレットに誰が何時どんな魔法を使ったか記録されている」
「…妹を救っていただいてありがとうございます」
「いや、巻き込んだのは僕だからね。当然さ」
ウィンクを投げる。が、マックスの表情は硬い。まあ、妹が殺されかけたのだから当たり前か。
「とりあえず僕はこのアミュレットの記録を証拠に、バルバラ嬢を公爵令嬢殺害未遂の罪で犯罪奴隷に落とそうと思う。侯爵家もお取り潰しまで持っていくよ」
「公爵令嬢への殺害未遂ですから、徹底的にやれますね。ありがとうございます、皇太子殿下」
「お礼はエレナとの婚約の許可でいいよ」
「エレナが皇太子殿下のアピールに応えるようなら、こちらとしてはいつでも」
「おや。これはますます頑張ってアピールしなければいけないね!」
「…エレナは、可愛い私の妹です。どうか、大切にしてやってください。もし、皇太子殿下がエレナの扱いを間違えれば、私はいつでもエレナを連れ去って逃げますからね」
「おや怖い。まあ、そんなこと絶対にさせないけどね。…大切にする」
「よろしくお願いします」
マックスは相変わらず堅い。が、エレナを大切にしているのがよく分かる。僕もマックスには負けていられないな。
「マックス。ごめん、エレナの頬を赤く腫らしてしまった」
「何があったか説明していただけますか、皇太子殿下」
「もちろんだよ。バルバラ・アガットという侯爵令嬢がいて、僕に付き纏っていたんだが、その女がエレナに僕を奪われたと逆上したらしい」
「つまりある意味では皇太子殿下のせいなのですね」
ニコニコ笑って威嚇してくるマックス。
「いや、それに関しては…面目無い」
「まあいいでしょう。それで?」
…こうして尋問されると、幼い頃やんちゃをしてはマックスに怒られていたことを思い出すな。
「バルバラから人気のない空き教室に連れ出され、頬を平手打ちされたらしい。その後、突き飛ばされて魔法を打ち込まれそうになったところで僕が間に合った。アミュレットのおかげで魔法攻撃に関しては無事で、アミュレットに誰が何時どんな魔法を使ったか記録されている」
「…妹を救っていただいてありがとうございます」
「いや、巻き込んだのは僕だからね。当然さ」
ウィンクを投げる。が、マックスの表情は硬い。まあ、妹が殺されかけたのだから当たり前か。
「とりあえず僕はこのアミュレットの記録を証拠に、バルバラ嬢を公爵令嬢殺害未遂の罪で犯罪奴隷に落とそうと思う。侯爵家もお取り潰しまで持っていくよ」
「公爵令嬢への殺害未遂ですから、徹底的にやれますね。ありがとうございます、皇太子殿下」
「お礼はエレナとの婚約の許可でいいよ」
「エレナが皇太子殿下のアピールに応えるようなら、こちらとしてはいつでも」
「おや。これはますます頑張ってアピールしなければいけないね!」
「…エレナは、可愛い私の妹です。どうか、大切にしてやってください。もし、皇太子殿下がエレナの扱いを間違えれば、私はいつでもエレナを連れ去って逃げますからね」
「おや怖い。まあ、そんなこと絶対にさせないけどね。…大切にする」
「よろしくお願いします」
マックスは相変わらず堅い。が、エレナを大切にしているのがよく分かる。僕もマックスには負けていられないな。
18
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始
聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~
夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力!
絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。
最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り!
追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる