妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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魔力封じのせいで魔力を外に出せず、魔力膨張症に襲われます

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体育館の倉庫には窓が無く周りが真っ暗になっているので、閉じ込められてからどれほど時間が経ったかわかりません。

「うーん…心細いです」

お兄様とクリス様は、今頃どうしているでしょうか?きっと心配してくれているでしょうから、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ないです。お兄様とクリス様ならきっと、あちこちを探し回ってくださっているんだろうなと分かるので。

「それにしても…なんだかふわふわしますね」

そしてほわほわします。これはまずいかも知れません。

「そっか。前回は魔力をコントロール出来なかったとはいえ魔力封じはされていなかったから、無意識に放出してた分もあるのですね。それが、今回は魔力封じをされているから早めに魔力膨張症を発病したのですね…」

困りました。とりあえず皇帝陛下からもらったお薬を取り出して飲みます。

「…これでしばらくは大丈夫でしょうか?」

まだ不安ですが、とりあえずお薬を貰えて良かったです。お薬を飲んでしばらくすると、ふわふわほわほわするのが治ります。

「でも、次にまた魔力膨張症の症状が出たら困りますね」

お兄様とクリス様を悲しませたくありません。なんとしてでも生きて帰らなければなりません。

「とりあえず、体力を回復させましょうか」

先程の魔力膨張症の症状のせいで、ちょっとだけ疲れてしまいました。また寝るのかよと自分でも思いますが、寝るしかできることもありません。

「おやすみなさい」

起きたら自室のベッドの上だったら嬉しいのですけれど。

ー…目がさめると体育館の倉庫。マットの上でブランケットを掛けて寝ていました。

「誰かいらっしゃいませんかー?」

声をかけても返事がありません。困りました。

「うう…ほわほわします…」

またも魔力膨張症の症状が発症します。ほわほわして、そのまま意識が持っていかれそうになりますがなんとか気合いで耐えます。

「お兄様、クリス様…」

せめてもう一度、二人にお会いしたい。
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