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俺の大好きな姫
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俺はレーグル・オロスコープ。自分で言うのもなんだけど、この歳で異例の出世をして宮廷魔術師になった天才少年。それが俺。そして、親父以外の周囲の人からの評価は。
『化け物』
俺が優秀過ぎたせいで、親父にも迷惑をかけた。だから、こうして宮廷魔術師になって王宮に仕えることになって、親父と離れられて良かった。親父も、俺がお袋の忘れ形見だからって頑張ってくれてるけど、きっとこんな化け物と一緒にいるなんて苦痛だろうし。
宮廷魔術師になって、親父と一緒に、最初に国王陛下に挨拶をした。国王陛下は俺にはあんまり興味がない様子だったけど、ふと思い出したように「妹と同い年だろう。よろしく頼む」と言われた。可愛がられてるんだな、姫。
次は姫だ。こんこん、と親父が部屋のドアをノックする。嫌がられないかな。大丈夫かな。
「どうぞ」
「失礼します」
部屋にいたのは、国王陛下によく似た中性的な美しさの愛らしいお姫様。ふわふわのドレスがよく似合う。
「シャルム先生、ご機嫌よう」
「ご機嫌よう、王女殿下。今日から息子が宮廷魔術師になりましたので、ご挨拶に上がりました」
「はい。初めまして、リンネアル・サント・エルドラドです。よろしくね」
「俺はレーグル・オロスコープ。よろしくお願いします…じゃなくて、リンネアル・サント・エルドラド王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」
ちょっとだけぎこちない挨拶になってしまった。こ、このくらいじゃ嫌われない…よな?
「レーグル君は宮廷魔術師なんだから、そんなに畏まらなくても誰も文句は言わないよ」
「いや…親父がいるんで」
ちらっと親父をみる。親父は何も言わない。
「あと…レーグルでいい」
「じゃあ、レーグルって呼ぶね」
「王女殿下は、なんて呼べばいいっすか」
「リンネでいいよ」
「じゃあ、リンネ」
「あと敬語もなしで」
「いや、それは…」
またちらっと親父をみる。どうしたらいい?親父は王女殿下のお言葉に甘えたらどうだと言ってくれた。
「親父がいいなら…じゃあ、リンネ。よろしく」
「うん、よろしくね」
「今日の授業は実技を行うつもりなので、息子も見学させていただきたいのですが」
「もちろんいいですよ」
ということでリンネの宮の魔法実験室に移動する。
「では、とりあえず前回の復習ということでライトニングからやりましょうか」
「はい!」
「えっ…リンネ、光属性なの!?」
すげぇ!しかも王族なんだし魔力もすごいよな!?俺なんかより超貴重な人材じゃん!
「うん、その代わりというか、他の属性は使えないけど…」
リンネは謙遜するけど、そんな必要はない。
「いやいや、光属性が使えるなら充分でしょ!?すごいね君!」
思わず興奮して話を捲したてる。
「あ、ありがとう…宮廷魔術師に褒められると、照れちゃうな」
「さっそくライトニング見せて!」
「うん」
リンネは無詠唱でライトニングを使う。すごい!
「しかも無詠唱!?わぁ、すごい、すごいよ君!リンネって親父に聞いてた通り魔法学の才能あるね!?」
「え、えへへ…」
「では、次はヒーリングをやってみましょう」
親父は傷だらけの花を差し出す。
「この花を綺麗な状態に治してあげて下さい」
「はい!」
リンネはまた無詠唱で、花を綺麗な状態にする。
「ちょっと!無詠唱であれだけズタボロにされた花を一瞬でここまで綺麗にするってどういうこと!?君本当に六歳!?」
「しかも、王女殿下が魔法学を習い始めたのは最近だよ」
「それはもう知ってる!すごい、すごいよリンネ!」
「えへへ」
照れる様子も可愛い。…というか、そういえば俺とこんなに普通に接してくれる同い年ってリンネが初だな。
「レーグルはどんな魔法が使えるの?」
「え、俺?光と闇以外なら使えるけど…」
急に話を振られてびっくりする。
「え、それこそすごいね!?」
リンネに褒められると、なんかむず痒い。
「みてみたいな!」
「王女殿下の勉強にもなるでしょう。レーグル、見せて差し上げなさい」
「わかった」
親父にも言われたし、次々と火、水、土、風の属性の魔法を繰り出す。どうか嫌われませんように!
「風の魔法で木を薙ぎ倒せるんだね!すごい威力!」
「ま、まあね。一応宮廷魔術師だし」
「レーグル憧れるなぁ」
よかった、嫌われなかった。
「リンネこそ、すごいじゃん。光属性だし、無詠唱で魔法使えるし、シャパリュと契約してるんでしょ?」
「え、えへへ。レーグルは契約した使い魔はいるの?」
「俺はとりあえずフィルギャと契約してる」
将来的には、もっと強い妖精と、と思っているけれど。
「見てみたいな」
「いいよ。じゃあ、はい」
フィルギャを呼び出す。フィルギャは主人である俺ではなくリンネの方にじゃれつく。
「わあ、シベリアンハスキー!可愛い!」
「でしょ。でも結構強いんだよ、こいつ」
…なんか、リンネとフィルギャが可愛い。もう、一生フィルギャが使い魔でもいいかも。
「レーグル、こんな子と契約できるなんてすごいね!」
…リンネは、どこまでも普通に俺に接してくれる。不思議だ。
「ま、まあね…リンネは、俺のこと怖がらないんだね」
「なんで怖がる必要があるの?」
「まあ、そうだよね。リンネは王族で、俺より魔力も持ってるし、俺より強い使い魔もいるし、ヒーリングも出来るし…」
俺を怖がる必要がないだけだ。きっとこの子も、俺よりも弱かったら怖がってた。
「レーグル?」
「ああ、いつものことですので放っておいて下さい。宮廷魔術師になった以上、この子が自分で乗り越えるべき問題ですので」
「でも…」
親父とリンネがなんか言ってる。…でも、それよりも。リンネが俺をいつかみんなみたいに怖がるんじゃないかって。不安で不安で…。
「レーグル、レーグル!」
リンネが片手で俺の手を強く握りしめ、片手で俺の頬を撫でる。なに?
「…リンネ」
「レーグル、あのね、例えレーグルが私より強くても、私はレーグルのこと怖くないよ」
「え」
なんで俺なんかにそんなこと、言ってくれるの。
「だってレーグルは、こんなに可愛いし、こんなにいい子だもん!」
「…可愛いって、俺、男だし」
どうせならかっこいいの方がいい。
「でも…ありがとう」
それだけ言うと、俺は魔法実験室を飛び出して行った。なんとなく、気恥ずかしいから。
「えっ…レーグル!?」
ー…
「レーグル」
「親父…リンネは?」
「もう帝王学の授業に移られている」
「ふぅん」
親父は、何故か俺の頭をぐりぐりと撫で付けてくる。
「な、なんだよ」
「よかったな」
「何が!」
「私以外に、信頼出来る方が出来て」
「…は?」
いつから。いつから、気付かれてた?
「…親なんだ。わかるさ。…守ってやれなくて、悪かった」
「…別に。親父が謝ることじゃない」
俺こそ、気付かせてごめん。…心の中で謝る。
「…言っておくが、王女殿下には婚約者がいる」
「…ヴァイスハイト王子だっけ?ハイリヒトゥームの」
「そうだ。だから…」
「それでも」
親父を見据える。
「俺を選んでくれるように、頑張りたい」
「レーグル」
「成人するまで。それでダメなら、綺麗さっぱり諦める」
「…わかった」
下手したら親父にも迷惑かけるのに、親父はわかったと言ってくれた。…頑張ってみよう。
ー…
あれから一日。やっと勇気が出て、急いでリンネのところに向かう。
「…っ!リンネ!」
急いでいたから、いきなり、ノックもせずに部屋に入ってしまう。あとでしまったと思った。
「…君がレーグルかい?ノックもせずにいきなりレディーの部屋に入ってくるなんて、どんな教育を受けているのかな」
男がリンネの部屋にいる。こいつが、ヴァイスハイト王子?
「まあまあ。どうしたの?レーグル。心配してたのよ」
「…リンネ。こいつがヴァイスハイト?」
「違うよ?あと、ヴァイス様にはそんな態度とっちゃダメだよ?」
ヴァイス様、か。…じゃあ。こいつ誰?なんでリンネの部屋にいるの?
「ふーん、違うんだ?じゃあ誰?」
「リンネ様のお友達の、ノブル・ターブルロンドだ。よろしく」
「…ふーん、よろしく」
お互い握手をする。けど、わかる。こいつ、俺と同じだ。
「…どうせ、叶わないんだ。はやく諦めた方がいい」
「そんなのわかんないでしょ。君こそ、その程度の思いならさっさと身を引きなよ」
にこにこし合いながら牽制しあう。ライバルは一人で充分なのに。
「と、とりあえず二人とも、お茶にしましょう?」
「ええ、リンネ様」
「俺、アプリコットティーね!」
「…君は厚かましいね」
「君は女々しいね」
「ああ、もう!二人とも喧嘩しないの!」
とりあえず、これからはリンネに振り向いてもらえるようにマナーとかも頑張らないと。
『化け物』
俺が優秀過ぎたせいで、親父にも迷惑をかけた。だから、こうして宮廷魔術師になって王宮に仕えることになって、親父と離れられて良かった。親父も、俺がお袋の忘れ形見だからって頑張ってくれてるけど、きっとこんな化け物と一緒にいるなんて苦痛だろうし。
宮廷魔術師になって、親父と一緒に、最初に国王陛下に挨拶をした。国王陛下は俺にはあんまり興味がない様子だったけど、ふと思い出したように「妹と同い年だろう。よろしく頼む」と言われた。可愛がられてるんだな、姫。
次は姫だ。こんこん、と親父が部屋のドアをノックする。嫌がられないかな。大丈夫かな。
「どうぞ」
「失礼します」
部屋にいたのは、国王陛下によく似た中性的な美しさの愛らしいお姫様。ふわふわのドレスがよく似合う。
「シャルム先生、ご機嫌よう」
「ご機嫌よう、王女殿下。今日から息子が宮廷魔術師になりましたので、ご挨拶に上がりました」
「はい。初めまして、リンネアル・サント・エルドラドです。よろしくね」
「俺はレーグル・オロスコープ。よろしくお願いします…じゃなくて、リンネアル・サント・エルドラド王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」
ちょっとだけぎこちない挨拶になってしまった。こ、このくらいじゃ嫌われない…よな?
「レーグル君は宮廷魔術師なんだから、そんなに畏まらなくても誰も文句は言わないよ」
「いや…親父がいるんで」
ちらっと親父をみる。親父は何も言わない。
「あと…レーグルでいい」
「じゃあ、レーグルって呼ぶね」
「王女殿下は、なんて呼べばいいっすか」
「リンネでいいよ」
「じゃあ、リンネ」
「あと敬語もなしで」
「いや、それは…」
またちらっと親父をみる。どうしたらいい?親父は王女殿下のお言葉に甘えたらどうだと言ってくれた。
「親父がいいなら…じゃあ、リンネ。よろしく」
「うん、よろしくね」
「今日の授業は実技を行うつもりなので、息子も見学させていただきたいのですが」
「もちろんいいですよ」
ということでリンネの宮の魔法実験室に移動する。
「では、とりあえず前回の復習ということでライトニングからやりましょうか」
「はい!」
「えっ…リンネ、光属性なの!?」
すげぇ!しかも王族なんだし魔力もすごいよな!?俺なんかより超貴重な人材じゃん!
「うん、その代わりというか、他の属性は使えないけど…」
リンネは謙遜するけど、そんな必要はない。
「いやいや、光属性が使えるなら充分でしょ!?すごいね君!」
思わず興奮して話を捲したてる。
「あ、ありがとう…宮廷魔術師に褒められると、照れちゃうな」
「さっそくライトニング見せて!」
「うん」
リンネは無詠唱でライトニングを使う。すごい!
「しかも無詠唱!?わぁ、すごい、すごいよ君!リンネって親父に聞いてた通り魔法学の才能あるね!?」
「え、えへへ…」
「では、次はヒーリングをやってみましょう」
親父は傷だらけの花を差し出す。
「この花を綺麗な状態に治してあげて下さい」
「はい!」
リンネはまた無詠唱で、花を綺麗な状態にする。
「ちょっと!無詠唱であれだけズタボロにされた花を一瞬でここまで綺麗にするってどういうこと!?君本当に六歳!?」
「しかも、王女殿下が魔法学を習い始めたのは最近だよ」
「それはもう知ってる!すごい、すごいよリンネ!」
「えへへ」
照れる様子も可愛い。…というか、そういえば俺とこんなに普通に接してくれる同い年ってリンネが初だな。
「レーグルはどんな魔法が使えるの?」
「え、俺?光と闇以外なら使えるけど…」
急に話を振られてびっくりする。
「え、それこそすごいね!?」
リンネに褒められると、なんかむず痒い。
「みてみたいな!」
「王女殿下の勉強にもなるでしょう。レーグル、見せて差し上げなさい」
「わかった」
親父にも言われたし、次々と火、水、土、風の属性の魔法を繰り出す。どうか嫌われませんように!
「風の魔法で木を薙ぎ倒せるんだね!すごい威力!」
「ま、まあね。一応宮廷魔術師だし」
「レーグル憧れるなぁ」
よかった、嫌われなかった。
「リンネこそ、すごいじゃん。光属性だし、無詠唱で魔法使えるし、シャパリュと契約してるんでしょ?」
「え、えへへ。レーグルは契約した使い魔はいるの?」
「俺はとりあえずフィルギャと契約してる」
将来的には、もっと強い妖精と、と思っているけれど。
「見てみたいな」
「いいよ。じゃあ、はい」
フィルギャを呼び出す。フィルギャは主人である俺ではなくリンネの方にじゃれつく。
「わあ、シベリアンハスキー!可愛い!」
「でしょ。でも結構強いんだよ、こいつ」
…なんか、リンネとフィルギャが可愛い。もう、一生フィルギャが使い魔でもいいかも。
「レーグル、こんな子と契約できるなんてすごいね!」
…リンネは、どこまでも普通に俺に接してくれる。不思議だ。
「ま、まあね…リンネは、俺のこと怖がらないんだね」
「なんで怖がる必要があるの?」
「まあ、そうだよね。リンネは王族で、俺より魔力も持ってるし、俺より強い使い魔もいるし、ヒーリングも出来るし…」
俺を怖がる必要がないだけだ。きっとこの子も、俺よりも弱かったら怖がってた。
「レーグル?」
「ああ、いつものことですので放っておいて下さい。宮廷魔術師になった以上、この子が自分で乗り越えるべき問題ですので」
「でも…」
親父とリンネがなんか言ってる。…でも、それよりも。リンネが俺をいつかみんなみたいに怖がるんじゃないかって。不安で不安で…。
「レーグル、レーグル!」
リンネが片手で俺の手を強く握りしめ、片手で俺の頬を撫でる。なに?
「…リンネ」
「レーグル、あのね、例えレーグルが私より強くても、私はレーグルのこと怖くないよ」
「え」
なんで俺なんかにそんなこと、言ってくれるの。
「だってレーグルは、こんなに可愛いし、こんなにいい子だもん!」
「…可愛いって、俺、男だし」
どうせならかっこいいの方がいい。
「でも…ありがとう」
それだけ言うと、俺は魔法実験室を飛び出して行った。なんとなく、気恥ずかしいから。
「えっ…レーグル!?」
ー…
「レーグル」
「親父…リンネは?」
「もう帝王学の授業に移られている」
「ふぅん」
親父は、何故か俺の頭をぐりぐりと撫で付けてくる。
「な、なんだよ」
「よかったな」
「何が!」
「私以外に、信頼出来る方が出来て」
「…は?」
いつから。いつから、気付かれてた?
「…親なんだ。わかるさ。…守ってやれなくて、悪かった」
「…別に。親父が謝ることじゃない」
俺こそ、気付かせてごめん。…心の中で謝る。
「…言っておくが、王女殿下には婚約者がいる」
「…ヴァイスハイト王子だっけ?ハイリヒトゥームの」
「そうだ。だから…」
「それでも」
親父を見据える。
「俺を選んでくれるように、頑張りたい」
「レーグル」
「成人するまで。それでダメなら、綺麗さっぱり諦める」
「…わかった」
下手したら親父にも迷惑かけるのに、親父はわかったと言ってくれた。…頑張ってみよう。
ー…
あれから一日。やっと勇気が出て、急いでリンネのところに向かう。
「…っ!リンネ!」
急いでいたから、いきなり、ノックもせずに部屋に入ってしまう。あとでしまったと思った。
「…君がレーグルかい?ノックもせずにいきなりレディーの部屋に入ってくるなんて、どんな教育を受けているのかな」
男がリンネの部屋にいる。こいつが、ヴァイスハイト王子?
「まあまあ。どうしたの?レーグル。心配してたのよ」
「…リンネ。こいつがヴァイスハイト?」
「違うよ?あと、ヴァイス様にはそんな態度とっちゃダメだよ?」
ヴァイス様、か。…じゃあ。こいつ誰?なんでリンネの部屋にいるの?
「ふーん、違うんだ?じゃあ誰?」
「リンネ様のお友達の、ノブル・ターブルロンドだ。よろしく」
「…ふーん、よろしく」
お互い握手をする。けど、わかる。こいつ、俺と同じだ。
「…どうせ、叶わないんだ。はやく諦めた方がいい」
「そんなのわかんないでしょ。君こそ、その程度の思いならさっさと身を引きなよ」
にこにこし合いながら牽制しあう。ライバルは一人で充分なのに。
「と、とりあえず二人とも、お茶にしましょう?」
「ええ、リンネ様」
「俺、アプリコットティーね!」
「…君は厚かましいね」
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「ああ、もう!二人とも喧嘩しないの!」
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